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[[カルビタン(牛カルビのスープ/갈비탕)]]と[[ヨンポタン(テナガダコのスープ/연포탕)]]を掛け合わせた料理であり、牛カルビとテナガダコを煮込んで作る。野菜などの具材を足したうえで、鍋料理として仕立てたものはカルラクジョンゴル(牛肉とテナガダコの鍋、[[갈낙전골]])と呼ぶ。[[全羅南道の料理|全羅南道]][[霊岩郡の料理|霊岩郡]]の郷土料理として知られるほか、テナガダコ料理の専門店や、[[カルビタン(牛カルビのスープ/갈비탕)]]の専門店で提供されるメニューである。 | [[カルビタン(牛カルビのスープ/갈비탕)]]と[[ヨンポタン(テナガダコのスープ/연포탕)]]を掛け合わせた料理であり、牛カルビとテナガダコを煮込んで作る。野菜などの具材を足したうえで、鍋料理として仕立てたものはカルラクジョンゴル(牛肉とテナガダコの鍋、[[갈낙전골]])と呼ぶ。[[全羅南道の料理|全羅南道]][[霊岩郡の料理|霊岩郡]]の郷土料理として知られるほか、テナガダコ料理の専門店や、[[カルビタン(牛カルビのスープ/갈비탕)]]の専門店で提供されるメニューである。 | ||
− | テナガダコを用いた料理としては、ほかに[[サンナクチ(テナガダコの踊り食い/산낙지)]]、[[ナクチボックム(テナガダコ炒め/낙지볶음)]]、[[ヨンポタン(テナガダコのスープ/연포탕)]]、[[プルラクジョンゴル(牛肉とテナガダコの鍋/불낙전골)]]、ナクチスッケ(茹でテナガダコ、[[낙지숙회]] | + | テナガダコを用いた料理としては、ほかに[[サンナクチ(テナガダコの踊り食い/산낙지)]]、[[ナクチボックム(テナガダコ炒め/낙지볶음)]]、[[ヨンポタン(テナガダコのスープ/연포탕)]]、[[プルラクジョンゴル(牛肉とテナガダコの鍋/불낙전골)]]、ナクチスッケ(茹でテナガダコ、[[낙지숙회]])、ナクチチム(テナガダコの蒸し煮、[[낙지찜]])、ナクチチョムチム(テナガダコの酢和え、[[낙지초무침]])、ナクチホロン(テナガダコの串巻き焼き、[[낙지호롱]])などがある。 |
== 歴史 == | == 歴史 == | ||
=== 文献上の記録 === | === 文献上の記録 === | ||
;『茲山魚譜』(1814年)の記述 | ;『茲山魚譜』(1814年)の記述 | ||
− | : | + | :丁若銓の書いた魚類学書『茲山魚譜(자산어보)』には、テナガダコについての記述があり、名称を「石距([[석거]])」、俗称を「[[낙제어]](絡蹄魚)」と紹介している。その項目内では、テナガダコについて「色は白く甘味があり、刺身やチゲ、干物によく、人に元気を与える」(原文1)とあり、また「疲れた牛にテナガダコを4~5匹食べさせるとすこぶる健康になる」(原文2)とも書かれている<ref>[https://library.korea.ac.kr/detail/?cid=CAT000000733434&ctype=o 玆山魚譜 / 筆寫本(P60-62)] 、高麗大学校図書館、2023年2月20日閲覧</ref>。 |
:【原文1】色白甘美宣鱠及羹腊人元気 | :【原文1】色白甘美宣鱠及羹腊人元気 | ||
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=== 1970년대 === | === 1970년대 === | ||
− | :カルラクタンは1970年代後半に、[[全羅南道の料理|全羅南道]][[霊岩郡の料理|霊岩郡]] | + | [[ファイル:23022401.JPG|300px|thumb|犢川テナガダコ料理名所通りに置かれたカルラクタンの由来を示す案内板]] |
+ | :カルラクタンは1970年代後半に、[[全羅南道の料理|全羅南道]][[霊岩郡の料理|霊岩郡]]で生まれたとされる。韓国では1976年より外国産牛肉の輸入を開始したことなどを理由として国内産の牛肉価格が暴落し、多くの畜産関係者が打撃を受けた。[[霊岩郡の料理|霊岩郡]]鶴山面犢川里(ハクサンミョン トクチョンニ、학산리 독천리)の牛市場も例外でなく、活気を失ってしまうことに危機感を覚えたある飲食店が、新メニューとして地元の名産であるテナガダコと牛肉を掛け合わせた料理を思いついた<ref>[http://yeongam.grandculture.net/yeongam/toc/GC04400023 낙지와 한우의 찰떡궁합, 독천 갈낙탕] 、デジタル霊岩文化大典、2023年2月24日閲覧</ref><ref>[https://ncms.nculture.org/food/story/1759 갈비탕과 연포탕의 환상적인 결합, 영암 갈낙탕] 、知識N文化ポータル、2023年2月24日閲覧</ref>。これがカルラクタンであり、好評を博したことから他の飲食店にも波及し、地域の名物料理となった。現在も犢川里には「犢川テナガダコ料理名所通り(독천 낙지음식 명소거리)」があって、多くの専門店でカルラクタンをはじめとしたテナガダコ料理を提供している。なお、犢川里の「犢」は「子牛」を意味し、古くから牛の飼育で有名だったことが窺われる。 | ||
== 種類 == | == 種類 == | ||
*カルラクジョンゴル(牛カルビとテナガダコの鍋、[[갈낙전골]]) | *カルラクジョンゴル(牛カルビとテナガダコの鍋、[[갈낙전골]]) | ||
− | *チョンボクカルラクタン(アワビと牛カルビとテナガダコのスープ、[[ | + | *チョンボクカルラクタン(アワビと牛カルビとテナガダコのスープ、[[전복갈낙탕]]) |
== 地域 == | == 地域 == | ||
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== エピソード == | == エピソード == | ||
韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、2016年1月に初めて[[全羅南道の料理|全羅南道]][[霊岩郡の料理|霊岩郡]]を訪れて本場のカルラクタンを食べた。そのときの感動を「カルビから出る濃厚な脂のコクと、淡くも存在感あるテナガダコのうま味が重なって、なんとも絶妙なスープに仕上がって」いると表現している<ref>[https://www.kansyoku-life.com/2016/01/8018.html 出張報告(6) ~予定外の大移動で霊岩名物のカルラクタンを食す] 、韓食生活、2023年2月18日閲覧</ref>。 | 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、2016年1月に初めて[[全羅南道の料理|全羅南道]][[霊岩郡の料理|霊岩郡]]を訪れて本場のカルラクタンを食べた。そのときの感動を「カルビから出る濃厚な脂のコクと、淡くも存在感あるテナガダコのうま味が重なって、なんとも絶妙なスープに仕上がって」いると表現している<ref>[https://www.kansyoku-life.com/2016/01/8018.html 出張報告(6) ~予定外の大移動で霊岩名物のカルラクタンを食す] 、韓食生活、2023年2月18日閲覧</ref>。 | ||
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== 脚注 == | == 脚注 == |