ドノッ(ドーナツ/도넛)
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| この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
ドノッ(도넛)は、ドーナツ。
概要
ドノッは英語の「Doughnut」を韓国語読みしたもの。ドノチュ(도너츠)とも呼ばれる。身近な間食として根付いており、「クリスピー・クリーム・ドーナツ(크리스피 크림 도넛)」、「ダンキンドーナツ(던킨도너츠)」といったフランチャイズのドーナツ専門店が各地にあるほか、2010年代後半以降は「Knotted(노티드)」などのドーナツカフェが人気を集めている。町中のベーカリーやコンビニなどでも購入できるほか、市場にはドノッや、生地にもち粉を加えたチャプサルドノッ(もち米ドーナツ、찹쌀도넛)、クァベギ(ねじり揚げパン/꽈배기)、ハットグ(アメリカンドッグ/핫도그)などの揚げ物を専門とする店がある。
地域
- 大田市
- 大田市には、有名ベーカリーの「聖心堂(ソンシムダン、성심당)」があり、あんこ入りのソボロパン(ソボロパン/소보로빵)を揚げたティギムソボロ(튀김소보로)を看板商品としている。1980年5月25日に、当時「聖心堂」の主力商品であったタンパッパン(あんパン/단팥빵)、ソボロパン、ドノッを同時に味わえる商品として考案、発売された[1]。サクサクとしたソボロ生地の食感が揚げることでよりクリスピーになり、中に詰まったあんことも相まって濃厚な味わいに仕上がる。クッキー生地をコーティングしたあんドーナツのようなパンである。
- 慶尚北道・大邱市
- 慶尚北道や大邱市には、温めた豆乳にチャプサルドノッ(もち米ドーナツ、찹쌀도넛)などを入れて食べるコンクッ(콩국)という料理がある。中国料理の油条を豆乳につけて食べるのに似ており、大邱市に住む華僑が伝えたとの話もある。
- 慶尚北道栄州市
- 慶尚北道栄州市では、もち米の生地で作ったドーナツにすりおろしたショウガや砕いたピーナッツをまぶしたセンガンドノッが郷土菓子として人気を集める。これをセンガンドノッ(ショウガドーナツ、생강도넛)と呼ぶ。センガン(생강)はショウガを意味する。豊基邑山法里(プンギウプ サンボムニ、풍기읍 산법리)に本店を置く「情ドーナツ(정도너츠)」の看板商品で、現在はフランチャイズ化し、大邱市などにも店舗を構える。なお、ドーナツの正式な韓国語表記は「도넛」であるが、「情ドーナツ」では「도너츠」を採用している。店舗におけるメニュー名も、正しくは「センガンドノチュ(생강도너츠)」である。
- 慶尚南道統営市
- 慶尚南道統営市では、球状のあんドーナツに水飴を絡めたクルパン(蜜ドーナツ、꿀빵)が郷土菓子になっている。濃厚な甘さと重厚なボリューム感が持ち味で、表面にはゴマをまぶしてある。港南洞(ハンナムドン、항남동)に本店のある1963年創業の「オミサクルパン(오미사꿀빵)」が元祖店として知られる。アズキあんがレギュラーだが、サツマイモあんや、カボチャあんを入れたもの、全体にナッツをまぶしたものなどもある。
- 全羅北道完州郡
- 全羅北道完州郡では、郷土料理のスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋/순두부찌개)専門店で、豆腐を作るときの副産物であるおからを用いてドーナツを作る。これをピジドノッ(おからドーナツ、비지도넛)と呼ぶ。ピジ(비지)はおからを意味する。専門店ではピジドノッの店頭販売も行う。
脚注
- ↑ 김태훈, 2016, 『우리가 사랑한 빵집 성심당』, 남해의봄날, P82-83
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)