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=== 文献上の記録 === | === 文献上の記録 === | ||
;『東国李相国集』(1241年)の記述 | ;『東国李相国集』(1241年)の記述 | ||
| − | : | + | :高麗時代の文人である李奎報(イ・ギュボ、이규보)の作品をまとめた『東国李相国集』の後集、「南軒偶吟」という四行詩にフェ(膾)が登場する【原文1】<ref>[http://db.itkc.or.kr/inLink?DCI=ITKC_MO_0004A_0460_010_0080_2003_A002_XML 東國李相國後集卷第二 / 古律詩 一百五首 / 南軒偶吟] 、韓国古典総合DB、2025年8月25日閲覧</ref>。3行目の部分が「赤い魚を刺身(膾)にして酒の肴にして」という意味である。 |
:【原文1】 | :【原文1】 | ||
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;朝鮮無双新式料理製法(1924年)の記述 | ;朝鮮無双新式料理製法(1924年)の記述 | ||
| − | :李用基(イ・ヨンギ、이용기)によって1924年に書かれた『朝鮮無双新式料理製法([[조선무쌍신식요리제법]])』には、センソンフェ(項目名は「オフェ([[어회]])」)の調理法が掲載されている<ref>李用基, 1924, 『朝鮮無双新式料理製法』, 永昌書館, P176</ref><ref>지은이:이용기, 자문:황혜성, 옮긴이:옛음식연구회, 2001, 『다시 보고 배우는 조선무쌍 신식요리제법』, 도서출판 궁중음식연구원, P219</ref> | + | :李用基(イ・ヨンギ、이용기)によって1924年に書かれた『朝鮮無双新式料理製法([[조선무쌍신식요리제법]])』には、センソンフェ(項目名は「オフェ([[어회]])」)の調理法が掲載されている<ref>李用基, 1924, 『朝鮮無双新式料理製法』, 永昌書館, P176</ref><ref>지은이:이용기, 자문:황혜성, 옮긴이:옛음식연구회, 2001, 『다시 보고 배우는 조선무쌍 신식요리제법』, 도서출판 궁중음식연구원, P219</ref>(1930年の再版本で確認)。文中には醤油につけて食べる方法や、大根おろし、ワサビを薬味として加える食べ方が見られ、関連して「刺身は日本人が知っているというのも嘘ではない」と紹介されていることから、それまでカラシやチョゴチュジャンで食べていたところに、醤油を用いる新しい食べ方が日本から入っていったようにも推測できる。 |
:「刺身の造り方はいろいろで、どの魚であれスジを探して切るが、細かく切って油で和えて松の実の粉を振ったり、皿に氷を載せて布巾で覆い半寸ほどの幅に切った刺身を載せたりもする。マッコリで洗って用いることもあるが、つけダレにはチュゴチュジャン(唐辛子酢味噌、[[초고추장]])や、カラシ、またはコショウを加えた塩ゴマ油につける。食べ方はいろいろあってどれもよいが、濃すぎないチンジャン(古漬けの伝統醤油、[[진장])や、甘く雑味のないムルグンジャン(水気を多めにして作った薄い伝統醤油、[[묽은장]])につけることで刺身の味も、魚の香りもわかる。刺身は日本人が知っているというのも嘘ではない。醤油につけて食べるときには、醤油に大根おろしや、カラシと味の似たワサビをすって入れて食べると味がいっそう美味しくなる。刺身を盛り付けるときは、花を模したり、山のように盛り、刺身の横にも香りのよい葉を添える。どんな魚であれあまりに大きいものはスジがあって刺身には向かず、中ぐらいのサイズがよい。昔の刺身は、皮と骨を除いて身だけを薄切りにし、紙の上に広げてしばらく置いたのち、糸造りにして皿の上に薄く広げ、ショウガとネギを半寸ほどに切って細切りにして刺身の皿の中央に載せる。炒めたコチュジャン(焦吐醤、[[초토장]])をナツメの大きさにまとめてショウガとネギの隣に置き、小皿にカラシを盛って出した。大根のつまをショウガとネギの横に添えたりもする。どんな魚であれ、少しでも傷んだ様子があれば、刺身に用いることはできない。」【原文4】 | :「刺身の造り方はいろいろで、どの魚であれスジを探して切るが、細かく切って油で和えて松の実の粉を振ったり、皿に氷を載せて布巾で覆い半寸ほどの幅に切った刺身を載せたりもする。マッコリで洗って用いることもあるが、つけダレにはチュゴチュジャン(唐辛子酢味噌、[[초고추장]])や、カラシ、またはコショウを加えた塩ゴマ油につける。食べ方はいろいろあってどれもよいが、濃すぎないチンジャン(古漬けの伝統醤油、[[진장])や、甘く雑味のないムルグンジャン(水気を多めにして作った薄い伝統醤油、[[묽은장]])につけることで刺身の味も、魚の香りもわかる。刺身は日本人が知っているというのも嘘ではない。醤油につけて食べるときには、醤油に大根おろしや、カラシと味の似たワサビをすって入れて食べると味がいっそう美味しくなる。刺身を盛り付けるときは、花を模したり、山のように盛り、刺身の横にも香りのよい葉を添える。どんな魚であれあまりに大きいものはスジがあって刺身には向かず、中ぐらいのサイズがよい。昔の刺身は、皮と骨を除いて身だけを薄切りにし、紙の上に広げてしばらく置いたのち、糸造りにして皿の上に薄く広げ、ショウガとネギを半寸ほどに切って細切りにして刺身の皿の中央に載せる。炒めたコチュジャン(焦吐醤、[[초토장]])をナツメの大きさにまとめてショウガとネギの隣に置き、小皿にカラシを盛って出した。大根のつまをショウガとネギの横に添えたりもする。どんな魚であれ、少しでも傷んだ様子があれば、刺身に用いることはできない。」【原文4】 | ||