「大邱市の料理」の版間の差分

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== 代表的な料理 ==
 
== 代表的な料理 ==
 
[[ファイル:23010242.JPG|300px|thumb|ナプチャクマンドゥ]]
 
[[ファイル:23010242.JPG|300px|thumb|ナプチャクマンドゥ]]
大邱地域を代表する料理は「大邱10味([[대구십미]])」として選定されている。2006年に大邱市が専門家らの意見を総合して作成したもので、[[タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥)]]([[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|大邱式ユッケジャン]])、マクチャングイ(ギアラ焼き、豚の直腸焼き、[[막창구이]])、ムンティギ(牛刺身、[[뭉티기]])、[[チムカルビ(牛カルビの辛い煮物/찜갈비)]]、ノンメギメウンタン(ナマズの辛口鍋、[[논메기매운탕]])、[[ポップルコギ(フグの炒め焼き/복불고기)|ポゴプルコギ(フグの炒め焼き/복어불고기)]]、[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)|ヌルングクス(韓国式の手打ちうどん、누른국수)]]、ムチムフェ(刺身和え、[[무침회]])、ヤキウドン(辛口焼きうどん、[[야끼우동]])、[[ナプチャクマンドゥ(平焼きの餃子/납작만두)]]の10種類である<ref>[https://tour.daegu.go.kr/index.do?menu_id=00002947 대구가 자랑하는 10가지 별미] 、大邱観光案内ウェブサイト、2025年4月25日閲覧</ref>。[[タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥)|タロクッパプ]]は、大邱式の[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)]]と説明される場合もあり、店によって微差はあるものの、基本的には同じ料理として考えられる。
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大邱地域を代表する料理は「大邱10味([[대구십미]])」として選定されている。2006年に大邱市が専門家らの意見を総合して作成したもので、[[タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥)]]([[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|大邱式ユッケジャン]])、[[テジマクチャン(豚の直腸焼き/돼지막창)|マクチャングイ(ギアラ焼き、豚の直腸焼き/막창구이)]][[ユクサシミ(牛刺身/육사시미)|ムンティギ(牛刺身/뭉티기)]][[チムカルビ(牛カルビの辛い煮物/찜갈비)]][[メギタン(ナマズ鍋/메기탕)|ノンメギメウンタン(ナマズの辛口鍋/논메기매운탕)]][[ポップルコギ(フグの炒め焼き/복불고기)|ポゴプルコギ(フグの炒め焼き/복어불고기)]]、[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)|ヌルングクス(韓国式の手打ちうどん、누른국수)]][[フェムチム(刺身和え/회무침)|ムチムフェ(刺身和え/무침회)]]、ヤキウドン(辛口焼きうどん、[[야끼우동]])、[[ナプチャクマンドゥ(平焼きの餃子/납작만두)]]の10種類である<ref>[https://tour.daegu.go.kr/index.do?menu_id=00002947 대구가 자랑하는 10가지 별미] 、大邱観光案内ウェブサイト、2025年4月25日閲覧</ref>。[[タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥)|タロクッパプ]]は、大邱式の[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)]]と説明される場合もあり、店によって微差はあるものの、基本的には同じ料理として考えられる。
  
 
=== ユッケジャン(牛肉の辛口スープ/육개장) ===
 
=== ユッケジャン(牛肉の辛口スープ/육개장) ===
[[ファイル:17081403.JPG|thumb|300px|大邱式ユッケジャン]]
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[[ファイル:17081403.JPG|300px|thumb|大邱式ユッケジャン]]
 
:ユッケジャン([[육개장]])は、牛肉の辛口スープ(「[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)]]」の項目も参照)。他地域の[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|ユッケジャン]]が細く裂いた牛肉にワラビ、豆モヤシ、溶き卵などの具を加えて作るのに対し、ごろんと大きく切った牛肉と、とろとろになるまで煮込んだ長ネギの2種だけで作る。少量の芋茎や大根を入れることもあるが、牛肉の旨味と長ネギから出る甘味が味の要となる。慶尚道(キョンサンド、경상도)式の[[ソゴギクッパプ(牛肉のスープごはん/소고기국밥)]]ともほぼ共通する。スープにごはんを添えて提供するのが一般的だが、かわりに麺を入れて食べるユッククス(牛肉の辛口スープ麺、[[육국수]])という派生メニューもある。
 
:ユッケジャン([[육개장]])は、牛肉の辛口スープ(「[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)]]」の項目も参照)。他地域の[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|ユッケジャン]]が細く裂いた牛肉にワラビ、豆モヤシ、溶き卵などの具を加えて作るのに対し、ごろんと大きく切った牛肉と、とろとろになるまで煮込んだ長ネギの2種だけで作る。少量の芋茎や大根を入れることもあるが、牛肉の旨味と長ネギから出る甘味が味の要となる。慶尚道(キョンサンド、경상도)式の[[ソゴギクッパプ(牛肉のスープごはん/소고기국밥)]]ともほぼ共通する。スープにごはんを添えて提供するのが一般的だが、かわりに麺を入れて食べるユッククス(牛肉の辛口スープ麺、[[육국수]])という派生メニューもある。
  
 
*テグタンバン(大邱湯飯)
 
*テグタンバン(大邱湯飯)
:大邱式の[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|ユッケジャン]]は20世紀初めにテグタン(大邱湯、[[대구탕]])、またはテグタンバン(大邱湯飯、[[대구탕반]])という名前でも親しまれた。[[ソウル市の料理|ソウル市]]にもテグタンを出す店ができて流行料理となったが、現在はほぼ名称としては残っていない。日本の焼肉店で牛肉の辛いスープをテグタンと呼ぶのはテグタンバンがルーツである(詳細は[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)#1920年代(テグタンバンの流行)]]の項目を参照)。
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:大邱式の[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|ユッケジャン]]は20世紀初めにテグタン(大邱湯、[[대구탕]])、またはテグタンバン(大邱湯飯、[[대구탕반]])の名前でも親しまれた。[[ソウル市の料理|ソウル市]]にもテグタンを出す店ができて流行料理となったが、現在はほぼ名称としては残っていない。日本の焼肉店で牛肉の辛いスープをテグタンと呼ぶのはテグタンバンがルーツである(詳細は[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)#1920年代(テグタンバンの流行)]]の項目を参照)。
  
 
=== タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥) ===
 
=== タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥) ===
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=== マクチャングイ(豚の直腸焼き/막창구이) ===
 
=== マクチャングイ(豚の直腸焼き/막창구이) ===
[[ファイル:17081404.JPG|thumb|300px|マクチャングイ]]
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[[ファイル:17081404.JPG|300px|thumb|マクチャングイ]]
:マクチャングイはギアラ(牛の第4胃)焼き、または豚の直腸焼き。マクチャン([[막창]])とはマジマクチャン(最後の腸、마지막창)という意味で、牛の場合はギアラ、豚の場合は直腸を表す。いずれも練炭や炭火で網焼きにして味わう。
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:マクチャングイ([[막창구이]])は、ギアラ(牛の第4胃、[[소막창]])、または豚の直腸([[돼지막창]])を焼いたもの(「[[テジマクチャン(豚の直腸焼き/돼지막창)]]」の項目も参照)。マクチャン([[막창]])とはマジマクチャン(最後の腸、[[마지막창]])を意味し、牛の場合はギアラ、豚の場合は直腸を表す。いずれも練炭や炭火で網焼きにして味わう。
  
 
*アンジランコプチャン通り
 
*アンジランコプチャン通り
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=== ムンティギ(牛刺身/뭉티기) ===
 
=== ムンティギ(牛刺身/뭉티기) ===
[[ファイル:17081405.JPG|thumb|300px|ムンティギ]]
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[[ファイル:17081405.JPG|300px|thumb|ムンティギ]]
:ムンティギは牛肉の刺身。[[ユッケ(牛刺身/육회)]]のように味付けはせず、鮮度のよい赤身肉をひと口大に切り、コチュジャン([[고추장]])や、タデギ(唐辛子ペースト、[[다대기]])などの辛味ダレにつけて味わう。地方によってはセンゴギ([[생고기]])、[[ユクサシミ(牛刺身/육사시미)]]とも呼ばれるが、ムンティギははざくざくと切ることを表す擬音語のムントンムントン([[뭉텅뭉텅]])から来ている<ref>[http://tour.daegu.go.kr/PageLink.do?ret=home/kor/sleepneat/sleepneat03 뭉티기] 、大邱観光案内ウェブサイト、2017年8月8日閲覧</ref>。もともとはチョジゲサル([[처지개살]])と呼ばれるモモ肉の内側にある希少部位を用いたが、現在はモモの赤身部位全般を扱う。
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:ムンティギ([[뭉티기]])は、牛刺身(「[[ユクサシミ(牛刺身/육사시미)]]」の項目も参照)。[[ユッケ(牛刺身/육회)]]のように味付けはせず、鮮度のよい赤身肉をひと口大に切り、コチュジャン([[고추장]])や、タデギ(唐辛子ペースト、[[다대기]])などの辛味ダレにつけて味わう。同様の料理をセンゴギ([[생고기]])、[[ユクサシミ(牛刺身/육사시미)|ユクサシミ]]とも呼ぶが、ムンティギははざくざくと切ることを表す擬音語のムントンムントン([[뭉텅뭉텅]])から来ている<ref>[http://tour.daegu.go.kr/PageLink.do?ret=home/kor/sleepneat/sleepneat03 뭉티기] 、大邱観光案内ウェブサイト、2017年8月8日閲覧</ref>。もともとはチョジゲサル([[처지개살]])と呼ばれるモモ肉の内側にある希少部位を用いたが、現在はモモの赤身部位全般を用いる。
  
 
*その他の希少部位
 
*その他の希少部位
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=== チムカルビ(牛カルビの辛い煮物/찜갈비) ===
 
=== チムカルビ(牛カルビの辛い煮物/찜갈비) ===
[[ファイル:22122827.JPG|thumb|300px|チムカルビ]]
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[[ファイル:22122827.JPG|300px|thumb|チムカルビ]]
:チムカルビは辛い牛カルビの辛い煮物(「[[チムカルビ(牛カルビの辛い煮物/찜갈비)]]」の項目も参照)。ぶつ切りにした牛カルビを甘辛く煮込んだもので、調理法としては[[カルビチム(牛カルビの煮物/갈비찜)]]ともほぼ共通するが、みじん切りのニンニクや粉唐辛子のたくさん入る刺激的な味付けが特徴的である。1972年創業の元祖店「鳳山チムカルビ(봉산찜갈비)」によれば、1970年代の初めに地下鉄工事が行われた際、近隣で働いていた労働者のリクエストに応える形で、辛く濃厚な味付けに仕上がっていったという(八田靖史の取材記録より、2011年12月11日)。アルマイトのチゲ用鍋([[양은 냄비]])で調理、提供され、残ったタレにはごはんを入れて混ぜて食べるのも定番である。
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:チムカルビ([[찜갈비]])は、カルビの辛い煮物(「[[チムカルビ(牛カルビの辛い煮物/찜갈비)]]」の項目も参照)。ぶつ切りにした牛カルビ([[소갈비]])を甘辛く煮込んだもので、調理法は[[カルビチム(牛カルビの煮物/갈비찜)]]ともほぼ共通するが、みじん切りのニンニクや粉唐辛子をたっぷりと加えた刺激的な味付けが特徴的である。1972年創業の元祖店「鳳山チムカルビ(봉산찜갈비)」によれば、1970年代の初めに地下鉄工事が行われた際、近隣で働いていた労働者のリクエストに応える形で、辛く濃厚な味付けに仕上がっていったという(八田靖史の取材記録より、2011年12月11日)。アルマイトのチゲ用鍋([[양은 냄비]])で調理、提供され、残ったタレにはごはんを入れて混ぜて食べるのも定番である。
  
 
*東仁洞チムカルビ通り
 
*東仁洞チムカルビ通り
:大邱市中区東仁洞の東仁洞チムカルビ通り(동인동 찜갈비골목)には2017年6月現在、12軒のチムカルビ専門店が営業する。
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:中区東仁洞(チュング トンインドン、중구 동인동)の東仁洞チムカルビ通り(동인동 찜갈비골목)には2017年6月現在、12軒のチムカルビ専門店が営業する。
  
 
*西門市場のテジチムカルビ
 
*西門市場のテジチムカルビ
:西門市場(서문시장)内には豚カルビを使用したテジチムカルビ(豚カルビの辛い煮物、[[돼지찜갈비]])を提供する飲食店の集まる一角がある。
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:西門市場(ソムンシジャン、서문시장)内には豚カルビ([[돼지갈비]])を使用したテジチムカルビ(豚カルビの辛い煮物、[[돼지찜갈비]])を提供する飲食店の集まる一角がある。
  
 
=== ヤキウドン(辛口焼きうどん/야끼우동) ===
 
=== ヤキウドン(辛口焼きうどん/야끼우동) ===
[[ファイル:17081407.JPG|thumb|300px|ヤキウドン]]
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[[ファイル:17081407.JPG|300px|thumb|ヤキウドン]]
:ヤキウドンは辛口の海鮮焼きうどん。韓国式の[[チャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)]]を汁なしに仕立てたアレンジ料理で、大邱を発祥とする中華料理として位置付けられる。名称こそ日本料理の「焼きうどん」と共通するが、もともと韓国の中華料理店には日本語が多く浸透しており、例えば焼き餃子のことはヤキマンドゥとも表現する(「[[マンドゥ(餃子/만두)]]」の項目も参照)。また、野菜や魚介を具とした温かいスープの麺料理を、日本式の麺料理とは別途、ウドン([[우동]])と称するため、この両者を総合してヤキウドンという名称に至った。中区南一洞に位置する「中和飯店(중화반점)」にて、1970年代に新メニューとして開発されたとされる。
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:ヤキウドン([[야끼우동]])は、辛口の海鮮焼きうどん。韓国式の[[チャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)]]を汁なしに仕立てたアレンジ料理で、大邱市を発祥とする中国料理として位置付けられる。名称こそ日本料理の「焼きうどん」と共通するが、もともと韓国の中国料理店には日本語が多く浸透しており、焼き餃子をヤキマンドゥ([[야끼만두]])、ダールー麺をウドン([[우동2|우동]])と呼ぶことから、両者を総合してヤキウドンという名称に至った。中区南一洞(チュング ナミルトン、중구 남일동)に位置する「中和飯店(중화반점)」にて、1970年代に新メニューとして開発されたとされる。
  
 
=== 大邱10味以外の料理 ===
 
=== 大邱10味以外の料理 ===
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