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| − | [[ファイル:24052701.jpg|400px|thumb| | + | [[ファイル:24052701.jpg|400px|thumb|小鹿島の中央公園内に置かれた救癩塔(구라탑)。「現代医学は充分にハンセン病を打ち破り征服する」との意味を込め、天使(聖ミカエル)が悪魔(ハンセン病)を槍でやっつけている。台座下部にはハングルで「ハンセン病は治る(한센병은 낫는다)」と書かれている]] |
'''高興郡'''(コフングン、고흥군)は[[全羅南道の料理|全羅南道]]の南東部に位置する地域。本ページでは高興郡の料理、特産品について解説する。 | '''高興郡'''(コフングン、고흥군)は[[全羅南道の料理|全羅南道]]の南東部に位置する地域。本ページでは高興郡の料理、特産品について解説する。 | ||
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*小鹿島 | *小鹿島 | ||
| − | : | + | :郡南西部の小鹿島(ソロクト、소록도)では、日本統治時代の1916年に「小鹿島慈恵医院(소록도자혜의원)」が設立され、ハンセン病患者の診療を専門的に行った。当時は病気に対する知識が不十分であり、ハンセン病が感染症の一種であることから患者は差別や偏見にさらされ、強制的な移住を強いられたうえで過酷な労働を課せられた。島の管理は小鹿島慈恵医院の院長が担い、2代目の花井善吉が現地式の文化を尊重しつつ生活環境を改めて患者らから慕われた一方、院長によっては患者への体罰や、強制的な精管切除手術、人工中絶手術など深刻な人権侵害が繰り返された。4代目の周防正季は患者からの恨みを買って刺殺されている。 |
| + | :現在の小鹿島には1960年に改称された「国立小鹿島病院(국립소록도병원)」があり、ハンセン病に対する診療、療養、福祉、患者の自活支援、研究業務などを行う。島内には完治した患者が400名弱、医療関係者が約200名が暮らしている。患者を死後に解剖した検屍室や、処罰を行った監禁室は当時の建物が残されており、いずれも国家登録文化遺産に指定されている。 | ||
== 食文化の背景 == | == 食文化の背景 == | ||
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=== ピグル(牡蠣の冷や汁/피굴) === | === ピグル(牡蠣の冷や汁/피굴) === | ||
:ピグル([[피굴]])は、牡蠣の冷や汁。新鮮な牡蠣を殻ごと茹で、殻から身を取り出したのち、冷蔵庫で冷やした茹で汁に入れて味わう。味は塩で調え、刻みネギやすりゴマなどを加える。素麺を入れて食べることもある。冬の季節料理として家庭で作られることが多いが、シーズンになると[[ハンジョンシク(韓定食/한정식)]]の専門店でも扱う。 | :ピグル([[피굴]])は、牡蠣の冷や汁。新鮮な牡蠣を殻ごと茹で、殻から身を取り出したのち、冷蔵庫で冷やした茹で汁に入れて味わう。味は塩で調え、刻みネギやすりゴマなどを加える。素麺を入れて食べることもある。冬の季節料理として家庭で作られることが多いが、シーズンになると[[ハンジョンシク(韓定食/한정식)]]の専門店でも扱う。 | ||
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| + | === チンソックァジョッ(牡蠣の熟成塩辛/진석화젓) === | ||
| + | :チンソックァジョッ([[진석화젓]])は、牡蠣の熟成塩辛。チン(陳、[[진]])は古い、ソックァ(石花、[[석화]])は牡蠣、ジョッ([[젓]])は塩辛を意味する。塩を多めにして保存性を高め、1年以上寝かせた牡蠣の塩辛を指す。家庭料理として作られるほか、一部の飲食店で副菜として提供される。 | ||
=== チッケン(アサリのスープ/짓갱) === | === チッケン(アサリのスープ/짓갱) === | ||