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;『別乾坤』(1927、29年)の記述 | ;『別乾坤』(1927、29年)の記述 | ||
:1927年7月1日発行の第7号には「雑同散異 臨時大清潔」という飲食店の衛生状況について述べたコラムにテグタンバンの店が出てくるほか<ref>[http://db.history.go.kr/item/level.do?setId=3&itemId=ma&synonym=off&chinessChar=on&position=0&levelId=ma_015_0070_0140 별건곤 제7호 雜同散異 臨時大淸潔] 、韓国史データベース、2017年7月5日閲覧</ref>、1929年9月27日発行の第23号には「2日間ソウルをひとしきり観光する法、田舎の友人を案内する路順……」という記事があり、当時ソウルの鍾路にあった「典洞食堂」を紹介しつつ、テグタンバンが20銭であることも記されている<ref>[http://db.history.go.kr/item/level.do?setId=3&itemId=ma&synonym=off&chinessChar=on&position=1&levelId=ma_015_0210_0210 별건곤 제23호 2일 동안에 서울 구경 골고로 하는 法, 시골親舊 案內할 路順......] 、韓国史データベース、2017年7月5日閲覧</ref>。 | :1927年7月1日発行の第7号には「雑同散異 臨時大清潔」という飲食店の衛生状況について述べたコラムにテグタンバンの店が出てくるほか<ref>[http://db.history.go.kr/item/level.do?setId=3&itemId=ma&synonym=off&chinessChar=on&position=0&levelId=ma_015_0070_0140 별건곤 제7호 雜同散異 臨時大淸潔] 、韓国史データベース、2017年7月5日閲覧</ref>、1929年9月27日発行の第23号には「2日間ソウルをひとしきり観光する法、田舎の友人を案内する路順……」という記事があり、当時ソウルの鍾路にあった「典洞食堂」を紹介しつつ、テグタンバンが20銭であることも記されている<ref>[http://db.history.go.kr/item/level.do?setId=3&itemId=ma&synonym=off&chinessChar=on&position=1&levelId=ma_015_0210_0210 별건곤 제23호 2일 동안에 서울 구경 골고로 하는 法, 시골親舊 案內할 路順......] 、韓国史データベース、2017年7月5日閲覧</ref>。 | ||
| − | :1929年12月1日発行の第24号には「珍品・名品・天下名食八道名食礼賛」という企画があり、全国の名物料理から9種類がそれぞれ独自のコラムとして紹介されている。そのひとつが[[大邱市の料理|大邱]]のテグタンバンであり、執筆者の達城人([[大邱市の料理|大邱]]の地名である[[達城郡の料理|達城郡]]から取ったと推測される)が「大邱の自慢 大邱の大邱湯飯」というタイトルで、約800字に渡ってテグタンバンの魅力を紹介している。このコラムでは「テグタンバンの本名はユッケジャンである」との記述があって、両者が同じ料理であることや、ユッケジャンのルーツが犬肉料理のケジャンにあるということ、その料理が[[大邱市の料理|大邱]]で発達し[[ソウル市の料理|ソウル]]まで進出してきたことなど、ユッケジャンにまつわる当時の逸話が詳細に記録されている<ref>[http://db.history.go.kr/item/level.do?setId=3&itemId=ma&synonym=off&chinessChar=on&position=2&levelId=ma_015_0220_0360 별건곤 제24호 大邱의 자랑 大邱의 大邱湯飯, 珍品·名品·天下名食 八道名食物禮讚] 、韓国史データベース、2017年7月5日閲覧</ref>。 | + | |
| + | :1929年12月1日発行の第24号には「珍品・名品・天下名食八道名食礼賛」という企画があり、全国の名物料理から9種類がそれぞれ独自のコラムとして紹介されている。そのひとつが[[大邱市の料理|大邱]]のテグタンバンであり、執筆者の達城人([[大邱市の料理|大邱]]の地名である[[達城郡の料理|達城郡]]から取ったと推測される)が「大邱の自慢 大邱の大邱湯飯」というタイトルで、約800字に渡ってテグタンバンの魅力を紹介している。このコラムでは「テグタンバンの本名はユッケジャンである」との記述があって、両者が同じ料理であることや、ユッケジャンのルーツが犬肉料理のケジャンにあるということ、その料理が[[大邱市の料理|大邱]]で発達し[[ソウル市の料理|ソウル]]まで進出してきたことなど、ユッケジャンにまつわる当時の逸話が詳細に記録されている<ref>[http://db.history.go.kr/item/level.do?setId=3&itemId=ma&synonym=off&chinessChar=on&position=2&levelId=ma_015_0220_0360 별건곤 제24호 大邱의 자랑 大邱의 大邱湯飯, 珍品·名品·天下名食 八道名食物禮讚] 、韓国史データベース、2017年7月5日閲覧</ref><ref>イ・サン編, 八田靖史訳, 2025, 『書かずにいられない味がある: 100年前の韓食文学』, CUON, P214-215</ref>。 | ||
;「朝鮮屋」の事例 | ;「朝鮮屋」の事例 | ||
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== 種類 == | == 種類 == | ||
| − | [[ファイル:25120301.jpg| | + | [[ファイル:25120301.jpg|300px|thumb|タッケジャン]] |
ユッケジャンには次のような種類がある。 | ユッケジャンには次のような種類がある。 | ||
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*ユッケジャンカルグクス | *ユッケジャンカルグクス | ||
| − | [[ファイル:24121805.JPG|thumb | + | [[ファイル:24121805.JPG|300px|thumb|ユッケジャンカルグクス]] |
:ユッケジャンカルグクス([[육개장칼국수]])は、ユッケジャンのスープに[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]]の麺を入れた料理。略称としてユッカル([[육칼]])とも呼ばれる。食べ方としては以前からあったものの、2000年代後半から2010年頃にかけて話題となって広範な知名度を獲得した。2016年2月には大手食品会社のプルムウォンがインスタントの袋麺「ユッケジャンカルグクス」を販売した。大邱(テグ)にはユッケジャンのスープに素麺を入れたユッククス([[육국수]])が郷土料理として存在する。 | :ユッケジャンカルグクス([[육개장칼국수]])は、ユッケジャンのスープに[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]]の麺を入れた料理。略称としてユッカル([[육칼]])とも呼ばれる。食べ方としては以前からあったものの、2000年代後半から2010年頃にかけて話題となって広範な知名度を獲得した。2016年2月には大手食品会社のプルムウォンがインスタントの袋麺「ユッケジャンカルグクス」を販売した。大邱(テグ)にはユッケジャンのスープに素麺を入れたユッククス([[육국수]])が郷土料理として存在する。 | ||
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日本では戦前に朝鮮半島から渡ってきた人たちがユッケジャンを伝えた。焼肉店にテグタンという名称が受け継がれているのは、在日コリアンに慶尚道出身者が多いことも影響していると考えられる。飲食店ではユッケジャンとテグタンを別に扱っているところもあり、ユッケジャンとテグタンの定義は作り手によってさまざまある。現在はユッケジャンに麺を入れたユッケジャンうどんや、ユッケジャンラーメンといったアレンジメニューを提供する店もあり、また家庭用としてレトルトや、カップスープスタイルのユッケジャンも販売されている。 | 日本では戦前に朝鮮半島から渡ってきた人たちがユッケジャンを伝えた。焼肉店にテグタンという名称が受け継がれているのは、在日コリアンに慶尚道出身者が多いことも影響していると考えられる。飲食店ではユッケジャンとテグタンを別に扱っているところもあり、ユッケジャンとテグタンの定義は作り手によってさまざまある。現在はユッケジャンに麺を入れたユッケジャンうどんや、ユッケジャンラーメンといったアレンジメニューを提供する店もあり、また家庭用としてレトルトや、カップスープスタイルのユッケジャンも販売されている。 | ||
| + | === 文献上の記録 === | ||
| + | ;『朝鮮料理』(1940年)の記述 | ||
| + | :1940年に家政学者の孫貞圭(ソン・ジョンギュ、손정규)が、日本名の伊原圭(いはら・けい)名義で出版した日本語の料理書『朝鮮料理』には、ユッケジャンの作り方が以下のように紹介されている<ref>[https://snu.alma.exlibrisgroup.com/view/UniversalViewer/82SNU_INST/12767348480002591?c=&cv=163 孫貞圭(伊原圭)著, 1940, 『朝鮮料理』, 京城書房, P142、174] 、ソウル大学中央図書館、2026年7月30日閲覧</ref>。 | ||
| + | |||
| + | :「牛肉は下腿、大楪等の油目の少ないのを、塊のまま水からよく煮込み、肉を取り出して、繊維に沿ふて裂いてから、微塵葱其他の調味料を入れて交ぜ合せて、熱い汁の中に入れていただきます。葱はわけぎか、黄葱の切らないままを、肉汁の煮え上る頃入れて、中味にします」 | ||
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| + | :文中の「大楪」はテジョプサル(牛モモ肉、[[대접살]])を指すものと見られる。また、ユッケジャンについては年中行事を取り上げた項目で、七夕の料理として紹介されている。どちらかというと伏日のイメージが強い料理ではあるが、陰暦7月7日も盛夏であり、ユッケジャンを季節料理として紹介する資料はほかにもある。同書の項目では伏日は記述に含まれていない。 | ||
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| + | === 2000年代 === | ||
*モスバーガーの事例 | *モスバーガーの事例 | ||
[[ファイル:17071010.jpg|thumb|300px|「モスバーガー」のユッケジャン]] | [[ファイル:17071010.jpg|thumb|300px|「モスバーガー」のユッケジャン]] | ||