「トックッ(韓国式の雑煮/떡국)」の版間の差分

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*『東国歳時記』(1849年)の記述
 
*『東国歳時記』(1849年)の記述
:洪錫謨によって1849年に書かれた『東国歳時記(동국세시기)』には、当時の歳時風俗が月ごとにまとめられており、1月の項目にはトックッに関する記述がある。「粳米の粉を蒸して大きな板のうえに置き、杵をもって無数に搗いてのち、長く引きのばしてつくった餅を白餅([[흰떡]])という。これを銭型に薄く輪切りにし、すまし汁に牛肉または雉肉を入れて炊き、とうがらし粉をふりかけたものを餅湯([[떡국]])という。これは祭祀の供え物として、お客の接待用としてつかわれるので、歳饌として無ければならないものである。お汁に入れてたいたものだから、昔の湿麺がこれに似たものである。店では時食としてこれを売る。俗に年齢をたずねるとき、餅湯を幾椀食べたか、といわれる所以である。」と説明されている。文末にあるように、トックッは正月に必ず食べる料理であることから、「トックッを何杯食べたか」との問いは年齢を尋ねる意味で使われる。<ref>洪錫謨・他、姜在彦(訳注),  1971,  『朝鮮歳時記』平凡社,  P20</ref>。
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:洪錫謨によって1849年に書かれた『東国歳時記([[동국세시기]])』には、当時の歳時風俗が月ごとにまとめられており、1月の項目にはトックッに関する記述がある。「粳米の粉を蒸して大きな板のうえに置き、杵をもって無数に搗いてのち、長く引きのばしてつくった餅を白餅([[흰떡]])という。これを銭型に薄く輪切りにし、すまし汁に牛肉または雉肉を入れて炊き、とうがらし粉をふりかけたものを餅湯([[떡국]])という。これは祭祀の供え物として、お客の接待用としてつかわれるので、歳饌として無ければならないものである。お汁に入れてたいたものだから、昔の湿麺がこれに似たものである。店では時食としてこれを売る。俗に年齢をたずねるとき、餅湯を幾椀食べたか、といわれる所以である。」と説明されている。文末にあるように、トックッは正月に必ず食べる料理であることから、「トックッを何杯食べたか」との問いは年齢を尋ねる意味で使われる。<ref>洪錫謨・他、姜在彦(訳注),  1971,  『朝鮮歳時記』平凡社,  P20</ref>。
  
 
*ソルラル(설날)
 
*ソルラル(설날)
:ソルラルは旧正月(陰暦1月1日)。旧正(クジョン、구정)とも呼ぶ。その前後を含めて連休となり、多くの人が帰省をしたり、家族や親族らと集まって過ごす。ソルラルの行事には、新年の挨拶である「歳拝(セベ、세배)」や、祖先祭祀の「茶礼(チャレ、차례)」、祖先の墓参りを指す「省墓(ソンミョ、성묘)」などがある。茶礼の際に祖先へ捧げる食膳を「茶礼床(チャレサン、차례상)」と呼び、供えられた料理の数々は、茶礼の後に参加者で分け合って食べる。これを祖先の徳にあやかるとの意味から「飲福(ウムボク/음복)」と呼び、トックッなどとともに正月料理となる。なお、陽暦の1月1日は新正(シンジョン、신정)と呼ばれる祝日ではあるが、その前後は連休ではなく、新年の行事はほぼ陰暦で行われる。2024年以降のソルラルは以下の通りである。
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:ソルラル([[설날]])は、旧正月(陰暦1月1日)。旧正(クジョン、구정)とも呼ぶ。その前後を含めて連休となり、多くの人が帰省をしたり、家族や親族らと集まって過ごす。ソルラルの行事には、新年の挨拶である「歳拝(セベ、세배)」や、祖先祭祀の「茶礼(チャレ、[[차례]])」、祖先の墓参りを指す「省墓(ソンミョ、성묘)」などがある。茶礼の際に祖先へ捧げる食膳を「茶礼床(チャレサン、[[차례상]])」と呼び、供えられた料理の数々は、茶礼の後に参加者で分け合って食べる。これを祖先の徳にあやかるとの意味から「飲福(ウムボク/음복)」と呼び、トックッなどとともに正月料理となる。なお、陽暦の1月1日は新正(シンジョン、신정)と呼ばれる祝日ではあるが、その前後は連休ではなく、新年の行事はほぼ陰暦で行われる。2024年以降のソルラルは以下の通りである。
 
:*2024年2月10日(土)
 
:*2024年2月10日(土)
 
:*2025年1月29日(水)
 
:*2025年1月29日(水)
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