「洪城郡の料理」の版間の差分

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2015年1月17日 (土) 13:16時点における版

この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。

洪城郡(ホンソングン、홍성군)は忠清南道に位置する地域。本ページでは洪城郡の料理、特産品について解説する。

金佐鎮将軍像

地域概要

洪城郡は忠清南道の西部に位置し、忠清南道の瑞山市、礼山郡、青陽郡、保寧市と接する。道庁所在地であり、人口は9万1692人(2014年11月)[1]。郡の西部は西海岸に面する一方で、内陸部は山岳や丘陵地域が多く、車嶺山脈の支脈に当たる標高791mの烏棲山(オソサン、오서산)がある。代表的な観光地に西海岸の重要な拠点として機能した洪州城(ホンジュソン、홍주성)と、それに付帯する朝陽門(チョヤンムン、조양문)、洪州衙門(ホンジュアムン、홍주아문)、安懐堂(アヌェダン、안회당)、余何亭(ヨハジョン、여하정)といった建築物がある。また、烏棲山、龍鳳山(ヨンボンサン、용봉산)は登山客を集め、浅水湾の南塘港(ナムダンハン、남당항)は海産物を楽しめるグルメスポットとして人気がある。ソウル(ソウル高速バスターミナル、南部ターミナル)からは高速バスで約1時間50分の距離。

食文化の背景

南塘港

西海岸に面した浅水湾はコウライエビ(대하)や、トリガイ(새조게)の名産地として知られる。中でも南塘港にはコウライエビやトリガイ料理を提供する海鮮料理の専門店が集まっており、旬の時期には大勢の観光客を集める。郡南部の広川(クァンチョン、광천)地区は海苔の産地であり、広川海苔(광천김)の名前は全国に轟いている。また、山の中腹にある洞窟でセウジョッ(アミの塩辛、새우젓)を貯蔵発酵させた広川洞窟セウジョッも名産品のひとつである。内陸部では古くから畜産業が栄えており、中でも牛肉の評価が高く、洪城韓牛(ホンソンハヌ、홍성한우)として名高い。

代表的な料理

セジョゲシャブシャブ(トリガイのしゃぶしゃぶ/새조개샤브샤브)

セジョゲシャブシャブはトリガイのしゃぶしゃぶ。生のトリガイを野菜とともに海鮮ダシでさっとゆがき、醤油ダレや、チョコチュジャン(唐辛子酢味噌、초고추장)などで味わう。西海岸に面した浅水湾、特に南塘港の名物として知られ、韓国でトリガイといえばこの地域がもっとも有名である。旬は真冬であり、12~3月頃まで提供されるが、その中でも1~2月を最盛期とする。また、春に旬を迎えるイイダコ(주꾸미)をトリガイと一緒にゆがいて味わうことも多い。最後残ったスープにインスタントの袋ラーメンを入れて食べるのも定番である。毎年1~3月には南塘港、浅水湾一帯で「洪城南塘港トリガイ祭り」が開催される。
  • 韓国観光公社の記述
韓国観光公社が配布する『韓国の味紀行』という冊子(WEBでも閲覧可)では以下のように紹介されている。
「1980年代初盤には浅水湾にトリガイはいませんでした。トリガイは、沿岸5~30メートルの深さの泥底に生息していますが、1984年の干拓事業で浅水湾北端に砂が生じ、自然とトリガイが生息できる環境ができました。浅水湾の防潮堤工事が終わり、ある漁夫が干潟で偶然にトリガイを見つけましたが、初めは何か分からずに全て捨ててしまいました。しかしそれが日本で最高の寿司の材料として使われるという噂が立ってからは、ほとんどが日本に輸出されるようになりました。韓国でこの珍しい貝を食べ始めたのは、1990年代後半に一部の美食家によりその味が知られるようになってからのことです。さっと煮て食べると、やわらかい身はほのかに甘く、初めて味わう人も感嘆せざるをえないほどでした。その後、毎年12月になるとトリガイを味わうために南塘港を訪ねる人が増え始め、最近ではトリガイが無くなり販売できなくなるほどになりました。 」[2]

テハグイ(コウライエビ焼き/대하구이)

テハグイ
テハグイはコウライエビ焼き。コウライエビは日本で大正エビとの別名もある。活きたままのコウライエビを塩焼きにし、殻を剥いてそのまま味わう。トリガイと同じく南塘港の名物として知られ、9~10月頃を最盛期とする。界隈の飲食店ではテハグイのほか、コウライエビを薬味醤油に漬け込んだテハジャン(コウライエビの薬味醤油漬け、대하장)も提供する。

ソモリクッパプ(牛頭肉のスープごはん/소머리국밥)

ソモリクッパプ
ソモリクッパプは牛頭肉のスープごはん。牛の頭部をじっくり煮込んでスープをとり、ごはんとともに細かく切った頭部の肉を具として加える。味付けは薄い塩味で、アミの塩辛を加えてもよい。郡の中心部にある洪城伝統市場に専門店が立ち並んでおり、市場の名物としても知られる。

代表的な特産品

内陸部では牛肉を中心とした畜産業が盛んで、西部の海岸地域ではトリガイ、コウライエビなどが名産である。広川地区は海苔の生産や、洞窟を利用したアミの塩辛作りでも有名。

海苔

豊基高麗人参市場
洪城郡の広川地区は海苔の産地として有名である。全国的に広川海苔はブランドとして名を轟かせている。

アミの塩辛

広川地区では1960年代にアミの塩辛を洞窟内で熟成させる技術を確立した。洞窟内は年間を通して温度が一定であり、品質を保つのにも適している。

韓牛

洪城韓牛はブランド牛のひとつとして名高い。

代表的な酒類・飲料

洪城郡のマッコリ

主要な銘柄に結城醸造場の「結城マッコリ(결성막걸리)」、ホンドン酒造の「内浦マッコリ(내포막걸리)」がある。

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • 内浦フェッチプ(내포횟집)
住所:忠清南道洪城郡西部面南塘港路210-1(南塘里452-1)
住所:충청남도 홍성군 서부면 남당항로 210-1(남당리 452-1)
電話:041-633-9480
料理:セジョゲシャブシャブ、テハグイ
  • スンドゥネワンマンドゥ(순두네 왕만두)
住所:忠清南道洪城郡洪城邑朝陽路188(古厳里532-3)
住所:충청남도 홍성군 홍성읍 조양로 188(고암리 532-3)
電話:041-631-1333
料理:ワンマンドゥ
  • ホンソンチプ(홍성집)
住所:忠清南道洪城郡洪城邑義士路43番キル27-3(大校里400-14)
住所:충청남도 홍성군 홍성읍 의사로43번길 27-3(대교리 400-14)
電話:041-632-0723
料理:ソモリクッパプ

エピソード

  • 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2014年11月に初めて洪城郡を訪れた。翌年2月に行うグルメツアーの下見が目的であったが、残念ながらルートから外れ、ツアーに組み込むことはできなかった。
  • 2014年11月の初訪問時、八田靖史は郡中心部の古厳里において、路線バスの運転手がワンマンドゥ(肉まん、왕만두)店の前で突如停止し、運転席から大声でテイクアウトを注文する姿を見て衝撃を受けた。思わず自分も購入してみたところ、1個W1000のワンマンドゥは刻んだキャベツなどの野菜がたっぷりで確かに美味しかった。

脚注

  1. 인구/세대 、洪城郡ウェブサイト、2015年1月17日閲覧
  2. 忠清南道の味紀行 、韓国観光公社ウェブサイト、2015年1月17日閲覧

外部リンク

関連項目