「慶州市の料理」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
1,219 バイト追加 、 2023年11月1日 (水) 12:11
編集の要約なし
1行目: 1行目:
 
{{Notice}}
 
{{Notice}}
[[ファイル:18112903.JPG|thumb|400px|仏国寺]]
+
[[ファイル:23110101.JPG|thumb|400px|仏国寺]]
 
'''慶州市'''(キョンジュシ、경주시)は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の南東部に位置する地域。本ページでは慶州市の料理、特産品について解説する。
 
'''慶州市'''(キョンジュシ、경주시)は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の南東部に位置する地域。本ページでは慶州市の料理、特産品について解説する。
  
 
== 地域概要 ==
 
== 地域概要 ==
 +
[[ファイル:23110102.JPG|thumb|300px|瞻星台]]
 
慶州市は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の南東部に位置する地域。市の北部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[浦項市の料理|浦項市]]、東部は東海岸、南部は広域市の[[蔚山市の料理|蔚山市]]、西部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[清道郡の料理|清道郡]]、[[永川市の料理|永川市]]と接する。人口は24万8058人(2018年7月)<ref>[https://jumin.mois.go.kr/ 주민등록 인구 및 세대현황] 、行政安全部ウェブサイト、2023年11月1日閲覧</ref>。市の東部は東海岸に面し、南北に海水浴場が連なるも、内陸に入るとすぐに傾斜がきつく山がちになる。全体として市の東部と西部には山が多く、中央部を南から北へと兄山江(ヒョンサンガン、형산강)が流れて、その周辺に平野部が広がる。この地域は紀元前から10世紀まで新羅の都として栄えたことから、市内各地には王宮跡、寺社跡、石仏、石塔などが数多く残り、文化財の豊富さを指して「屋根のない博物館」とも称される。代表的な観光地には、6世紀に創建された仏国寺(プルグクサ、불국사)や、釈迦如来を本尊仏としてまつった石窟寺院の石窟庵(ソックラム、석굴암)、新羅時代の古墳が多数集まる古墳公園(コブンゴンウォン、고분공원)などがある。[[ソウル市の料理|ソウル市]]から慶州市までは、ソウル駅から新慶州駅までKTXで約2時間10分の距離。またはソウル高速バスターミナル、東ソウル総合ターミナルから慶州市外バスターミナルまで高速バスで約3時間30分~4時間の距離である。
 
慶州市は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の南東部に位置する地域。市の北部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[浦項市の料理|浦項市]]、東部は東海岸、南部は広域市の[[蔚山市の料理|蔚山市]]、西部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[清道郡の料理|清道郡]]、[[永川市の料理|永川市]]と接する。人口は24万8058人(2018年7月)<ref>[https://jumin.mois.go.kr/ 주민등록 인구 및 세대현황] 、行政安全部ウェブサイト、2023年11月1日閲覧</ref>。市の東部は東海岸に面し、南北に海水浴場が連なるも、内陸に入るとすぐに傾斜がきつく山がちになる。全体として市の東部と西部には山が多く、中央部を南から北へと兄山江(ヒョンサンガン、형산강)が流れて、その周辺に平野部が広がる。この地域は紀元前から10世紀まで新羅の都として栄えたことから、市内各地には王宮跡、寺社跡、石仏、石塔などが数多く残り、文化財の豊富さを指して「屋根のない博物館」とも称される。代表的な観光地には、6世紀に創建された仏国寺(プルグクサ、불국사)や、釈迦如来を本尊仏としてまつった石窟寺院の石窟庵(ソックラム、석굴암)、新羅時代の古墳が多数集まる古墳公園(コブンゴンウォン、고분공원)などがある。[[ソウル市の料理|ソウル市]]から慶州市までは、ソウル駅から新慶州駅までKTXで約2時間10分の距離。またはソウル高速バスターミナル、東ソウル総合ターミナルから慶州市外バスターミナルまで高速バスで約3時間30分~4時間の距離である。
  
10行目: 11行目:
  
 
== 食文化の背景 ==
 
== 食文化の背景 ==
 +
[[ファイル:23110103.JPG|thumb|300px|チョムソンデラテ(瞻星台ラテ)]]
 
歴史ある古都として、伝統的な食文化を現代に伝えており、慶州崔氏の一族に伝わる料理を取り入れた[[ハンジョンシク(韓定食/한정식)]]や、地元銘酒のキョドンポプチュ(校洞法酒、[[교동법주]])が代表的である。韓国有数の観光地であるため、見どころの多い慶州歴史地域や、普門(ポムン、보문)観光団地一帯には飲食店が多く、ハヌムルフェ(韓牛の水刺身、[[한우물회]])、メットルスンドゥブ(石臼豆腐の辛口鍋、[[맷돌순두부]])などの名物料理がある。地元銘菓の[[ファンナムパン(慶州名物の饅頭/황남빵)]]は土産物としての需要も高く、ほかにも種類豊富な焼き菓子が売られている。
 
歴史ある古都として、伝統的な食文化を現代に伝えており、慶州崔氏の一族に伝わる料理を取り入れた[[ハンジョンシク(韓定食/한정식)]]や、地元銘酒のキョドンポプチュ(校洞法酒、[[교동법주]])が代表的である。韓国有数の観光地であるため、見どころの多い慶州歴史地域や、普門(ポムン、보문)観光団地一帯には飲食店が多く、ハヌムルフェ(韓牛の水刺身、[[한우물회]])、メットルスンドゥブ(石臼豆腐の辛口鍋、[[맷돌순두부]])などの名物料理がある。地元銘菓の[[ファンナムパン(慶州名物の饅頭/황남빵)]]は土産物としての需要も高く、ほかにも種類豊富な焼き菓子が売られている。
  
 
*文化財の利用
 
*文化財の利用
:慶州市にはさまざまな文化財があり、これらをモチーフとして菓子類などのデザインに使用する例が多々見られる。
+
:慶州市にはさまざまな文化財があり、これらをモチーフとして菓子類などのデザインに使用する例が多々見られる。一例として、東洋最古の天文台として知られる瞻星台(チョムソンデ、첨성대)の形に凍らせたアイスコーヒーに牛乳を注いで味わうチョムソンデラテ(瞻星台ラテ、[[첨성대라떼]])や、瞻星台の形状を模した焼き菓子のチョムソンホドゥパン(瞻星クルミパン、[[첨성호두빵]])などがある。
  
 
== 代表的な料理 ==
 
== 代表的な料理 ==
 +
[[ファイル:23110104.JPG|thumb|300px|ハンジョンシク]]
 
=== ハンジョンシク(韓定食/한정식) ===
 
=== ハンジョンシク(韓定食/한정식) ===
 
:ハンジョンシク([[한정식]])は、韓定食(「[[ハンジョンシク(韓定食/한정식)]]」の項目も参照)。かつて新羅の都であった慶州市は古くから慶尚道の中心地域として栄え、中央との関係も深かったことから、朝鮮王朝の[[Category:宮中料理の一覧|宮中料理]]と旧家の家庭料理を組み合わせた[[ハンジョンシク(韓定食/한정식|ハンジョンシク)]]が名物となっている。校洞(キョドン、교동)地区に店を構える「瑤石宮1779(요석궁 1779)」が代表的で、慶州崔氏の一族が継承してきた家庭料理を提供する。また、内南面伊助里(ネナムミョン イジョリ、내남면 이조리)では、[[Category:宮中料理の一覧|朝鮮王朝宮中飲食]]の技能履修者(人間国宝に相当する技能保有者と同等の技術や知識を修めた者)である朴美淑(パク・ミスク)氏が[[Category:宮中料理の一覧|宮中料理]]を中心としたハンジョンシクを提供する「スリメ(수리뫼)」を運営している。
 
:ハンジョンシク([[한정식]])は、韓定食(「[[ハンジョンシク(韓定食/한정식)]]」の項目も参照)。かつて新羅の都であった慶州市は古くから慶尚道の中心地域として栄え、中央との関係も深かったことから、朝鮮王朝の[[Category:宮中料理の一覧|宮中料理]]と旧家の家庭料理を組み合わせた[[ハンジョンシク(韓定食/한정식|ハンジョンシク)]]が名物となっている。校洞(キョドン、교동)地区に店を構える「瑤石宮1779(요석궁 1779)」が代表的で、慶州崔氏の一族が継承してきた家庭料理を提供する。また、内南面伊助里(ネナムミョン イジョリ、내남면 이조리)では、[[Category:宮中料理の一覧|朝鮮王朝宮中飲食]]の技能履修者(人間国宝に相当する技能保有者と同等の技術や知識を修めた者)である朴美淑(パク・ミスク)氏が[[Category:宮中料理の一覧|宮中料理]]を中心としたハンジョンシクを提供する「スリメ(수리뫼)」を運営している。
  
 
;瑤石宮1779(요석궁 1779)
 
;瑤石宮1779(요석궁 1779)
 +
[[ファイル:23110105.JPG|thumb|300px|慶州崔氏の家庭料理。ミョルチャン(上)、ユクチャン(右下)、チプチャン(左下)]]
 
:瑤石宮1779(ヨソックン、요석궁)は、校洞地区に位置する韓定食店。新羅の第29代王、武烈王(ムヨルワン、무열왕)の娘である瑤石公主(ヨソッコンジュ、요석공주)が住んでいた土地に店を構えており、店名の「瑤石宮」は「瑤石公主の宮殿」を意味し、「1779」は慶州崔氏の一族が校洞地区に住み始めた年を表す。同店では慶州崔氏一族が継承してきた家庭料理を、[[Category:宮中料理の一覧|宮中料理]]などと組み合わせながら提供しており、主菜格の料理よりも平凡な副菜に見えるものが実は歴史的な価値が高い。主要な家庭料理には以下がある。後述する[[慶州市の料理#校洞法酒(교동법주)|校洞法酒(교동법주)]]の醸造元とは親戚の関係である。
 
:瑤石宮1779(ヨソックン、요석궁)は、校洞地区に位置する韓定食店。新羅の第29代王、武烈王(ムヨルワン、무열왕)の娘である瑤石公主(ヨソッコンジュ、요석공주)が住んでいた土地に店を構えており、店名の「瑤石宮」は「瑤石公主の宮殿」を意味し、「1779」は慶州崔氏の一族が校洞地区に住み始めた年を表す。同店では慶州崔氏一族が継承してきた家庭料理を、[[Category:宮中料理の一覧|宮中料理]]などと組み合わせながら提供しており、主菜格の料理よりも平凡な副菜に見えるものが実は歴史的な価値が高い。主要な家庭料理には以下がある。後述する[[慶州市の料理#校洞法酒(교동법주)|校洞法酒(교동법주)]]の醸造元とは親戚の関係である。
  
33行目: 37行目:
  
 
=== メットルスンドゥブ(石臼豆腐の辛口鍋/맷돌순두부) ===
 
=== メットルスンドゥブ(石臼豆腐の辛口鍋/맷돌순두부) ===
 +
[[ファイル:23110106.JPG|thumb|300px|メットルスンドゥブ]]
 
:メットルスンドゥブ([[맷돌순두부]])は、石臼で大豆をひいて豆腐を作る[[スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋/순두부찌개)]]。メットル([[맷돌]])は石臼、スンドゥブは([[순두부]])は押し固める前の柔らかな状態の豆腐を表す。北軍洞(プックンドン、북군동)の普門湖(ポムノ、보문호)近くに専門店が集まっており、一帯は高級ホテルの立ち並ぶ地域であることから観光客からの人気が高い。
 
:メットルスンドゥブ([[맷돌순두부]])は、石臼で大豆をひいて豆腐を作る[[スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋/순두부찌개)]]。メットル([[맷돌]])は石臼、スンドゥブは([[순두부]])は押し固める前の柔らかな状態の豆腐を表す。北軍洞(プックンドン、북군동)の普門湖(ポムノ、보문호)近くに専門店が集まっており、一帯は高級ホテルの立ち並ぶ地域であることから観光客からの人気が高い。
  
39行目: 44行目:
  
 
=== ヘジャンクッ(慶州式のスープごはん/해장국) ===
 
=== ヘジャンクッ(慶州式のスープごはん/해장국) ===
 +
[[ファイル:23110107.JPG|thumb|300px|慶州式のヘジャンクッ]]
 
:ヘジャンクッ([[해장국]])は、慶州式のスープごはん(「[[ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)]]」の項目も参照)。本来、[[ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)|ヘジャンクッ]]は酔い覚ましのスープを総称し、地域や家庭ごとにさまざまな種類がある。慶州市においては、器に盛ったごはんに、煮干しや干しダラでダシを取ったスープを注ぎ、豆モヤシ([[콩나물]])、海藻のホンダワラ([[모자반]])、刻んだ古漬けキムチ、メミルムク(そば寒天、[[메밀묵]])を具として加えるのが特徴である。皇吾洞(ファンオドン、황오동)の八友亭三差路(パルジョン サムゴリ、팔우정 삼거리)近くに専門店が並んでおり、一画は「八友亭ヘジャンクッ通り(팔우정해장국거리)」と呼ばれる。
 
:ヘジャンクッ([[해장국]])は、慶州式のスープごはん(「[[ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)]]」の項目も参照)。本来、[[ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)|ヘジャンクッ]]は酔い覚ましのスープを総称し、地域や家庭ごとにさまざまな種類がある。慶州市においては、器に盛ったごはんに、煮干しや干しダラでダシを取ったスープを注ぎ、豆モヤシ([[콩나물]])、海藻のホンダワラ([[모자반]])、刻んだ古漬けキムチ、メミルムク(そば寒天、[[메밀묵]])を具として加えるのが特徴である。皇吾洞(ファンオドン、황오동)の八友亭三差路(パルジョン サムゴリ、팔우정 삼거리)近くに専門店が並んでおり、一画は「八友亭ヘジャンクッ通り(팔우정해장국거리)」と呼ばれる。
  
 
=== キムパプ(海苔巻き/김밥) ===
 
=== キムパプ(海苔巻き/김밥) ===
 +
[[ファイル:23110108.JPG|thumb|300px|キョリキムパプ]]
 
:キムパプ([[김밥]])は、海苔巻き(「[[キムパプ(海苔巻き/김밥)]]」の項目も参照)。慶州市には個性的な[[キムパプ(海苔巻き/김밥)|キムパプ]]を提供する以下の有名店がある。
 
:キムパプ([[김밥]])は、海苔巻き(「[[キムパプ(海苔巻き/김밥)]]」の項目も参照)。慶州市には個性的な[[キムパプ(海苔巻き/김밥)|キムパプ]]を提供する以下の有名店がある。
  
48行目: 55行目:
  
 
:;ウオンキムパプ(우엉김밥)
 
:;ウオンキムパプ(우엉김밥)
 +
[[ファイル:23110109.JPG|thumb|300px|キョリキムパプ]]
 
::ウオンキムパプ(우엉김밥)は、ウオンジョリム(ゴボウの煮物、[[우엉김밥]])を大量に載せた海苔巻き。城東市場(ソンドンシジャン、성동시장)にある「ポベキムパプ(보배김밥)」の看板メニューである。もともとは普通の[[キムパプ(海苔巻き/김밥)|キムパプ]]を販売していたが、あるとき付け合わせのたくあんをウオンジョリム(ゴボウの煮物、[[우엉조림]])に変えたところ評判がよく、見た目にも映えたことから定着し、現在は[[キムパプ(海苔巻き/김밥)|キムパプ]]の上にどさっと大量に載せている。醤油と水飴で甘く煮付けられたゴボウの味付けは日本式で、幼少期に福岡県朝倉郡で暮らしていた頃に、店主の母がよく作ってくれたものを再現している。
 
::ウオンキムパプ(우엉김밥)は、ウオンジョリム(ゴボウの煮物、[[우엉김밥]])を大量に載せた海苔巻き。城東市場(ソンドンシジャン、성동시장)にある「ポベキムパプ(보배김밥)」の看板メニューである。もともとは普通の[[キムパプ(海苔巻き/김밥)|キムパプ]]を販売していたが、あるとき付け合わせのたくあんをウオンジョリム(ゴボウの煮物、[[우엉조림]])に変えたところ評判がよく、見た目にも映えたことから定着し、現在は[[キムパプ(海苔巻き/김밥)|キムパプ]]の上にどさっと大量に載せている。醤油と水飴で甘く煮付けられたゴボウの味付けは日本式で、幼少期に福岡県朝倉郡で暮らしていた頃に、店主の母がよく作ってくれたものを再現している。
  
58行目: 66行目:
  
 
=== 慶州市の焼き菓子 ===
 
=== 慶州市の焼き菓子 ===
 +
[[ファイル:23110110.JPG|thumb|300px|シブォンパン]]
 
:慶州市には上述のファンナムパンをはじめ、種類豊富な焼き菓子が売られており、観光客からの人気も高い。代表的なものとして、以下のような種類がある。いずれの商品もパン([[빵]])は焼き菓子を総称する。
 
:慶州市には上述のファンナムパンをはじめ、種類豊富な焼き菓子が売られており、観光客からの人気も高い。代表的なものとして、以下のような種類がある。いずれの商品もパン([[빵]])は焼き菓子を総称する。
  
72行目: 81行目:
  
 
:;チョムソンホドゥパン(瞻星クルミパン/첨성호두빵)
 
:;チョムソンホドゥパン(瞻星クルミパン/첨성호두빵)
 +
[[ファイル:23110111.JPG|thumb|300px|チョムソンホドゥパン]]
 
::チョムソンホドゥパン(첨성호두빵)は、瞻星台(チョムソンデ、첨성대)の形を模した焼き菓子。瞻星台は新羅時代に建てられた天文台と推測され、慶州市の象徴としてさまざまなモチーフに使用されている。もち粉を使用した生地に、「ホドゥ=クルミ([[호두]])」と甘く煮たエンドウ豆([[왕두콩]])を具として加えている。
 
::チョムソンホドゥパン(첨성호두빵)は、瞻星台(チョムソンデ、첨성대)の形を模した焼き菓子。瞻星台は新羅時代に建てられた天文台と推測され、慶州市の象徴としてさまざまなモチーフに使用されている。もち粉を使用した生地に、「ホドゥ=クルミ([[호두]])」と甘く煮たエンドウ豆([[왕두콩]])を具として加えている。
  
92行目: 102行目:
  
 
== 代表的な酒類・飲料 ==
 
== 代表的な酒類・飲料 ==
 +
[[ファイル:23110112.JPG|thumb|300px|校洞法酒]]
 
=== 校洞法酒(교동법주) ===
 
=== 校洞法酒(교동법주) ===
 
:校洞法酒(キョドンポプチュ、[[교동법주]])は、慶州市の校洞(キョドン、교동)地区に代々住む崔(チェ、최)氏一族に伝わる醸造酒。ポプチュ([[법주]])は、清酒([[청주]])の一種であり、決められた方法で醸造された酒を意味する。もち米と麦麹を原料とした生酒であり、要冷蔵での保管が必要である。アルコール度数は17度。朝鮮王朝の第19代王、粛宗(スクチョン、숙종)の時代に、宮中の司饔院(飲食担当の部署)で酒の醸造にかかわった崔國璿(チェ・グクソン、최국선)を初代とする。現在の技能保有者である崔梗(チェ・ギョン、최경)は崔國璿から数えて10代孫となる。上述した韓定食店「[[慶州市の料理#ハンジョンシク(韓定食/한정식)|瑤石宮1779]]」とは親戚の関係である。
 
:校洞法酒(キョドンポプチュ、[[교동법주]])は、慶州市の校洞(キョドン、교동)地区に代々住む崔(チェ、최)氏一族に伝わる醸造酒。ポプチュ([[법주]])は、清酒([[청주]])の一種であり、決められた方法で醸造された酒を意味する。もち米と麦麹を原料とした生酒であり、要冷蔵での保管が必要である。アルコール度数は17度。朝鮮王朝の第19代王、粛宗(スクチョン、숙종)の時代に、宮中の司饔院(飲食担当の部署)で酒の醸造にかかわった崔國璿(チェ・グクソン、최국선)を初代とする。現在の技能保有者である崔梗(チェ・ギョン、최경)は崔國璿から数えて10代孫となる。上述した韓定食店「[[慶州市の料理#ハンジョンシク(韓定食/한정식)|瑤石宮1779]]」とは親戚の関係である。
29,477

回編集

案内メニュー