「奉化郡の料理」の版間の差分

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=== ハングァ(伝統菓子/한과) ===
 
=== ハングァ(伝統菓子/한과) ===
[[ファイル:16041204br.JPG|thumb|300px|タルシル村のハングァ]]
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[[ファイル:23080902.JPG|thumb|300px|タルシル村のハングァ]]
 
:郡内の酉谷里(ユゴンニ、유곡리)地区には安東権氏(안동권씨)の同族村であるタルシル村があり、朝鮮時代中期の官僚である権橃が開いた。山に囲まれたこの地域は金の鶏が村全体を抱いているようだと表現され、鶏谷との意味でタルシル、またそれを漢字で酉谷と表現する。この村には現在も安東権氏の末裔30余戸が暮らしており、先祖を祀った共同祭祀を行う。このとき祭祀膳に捧げられるのが伝統菓子のハングァ(韓菓、[[한과]])であり、現在は地域の特産品として販売もされている。その製法は安東権氏の家門に代々受け継がれた門外不出のものであり、嫁いできた女性以外は実の娘であっても教わることができない。実際の製造は村の女性たちが農作業の合間に集まってすべて手作業で行っている。購入する場合は10日前までに予約が必要。また夏の暑い時期は水飴が溶けてしまうことから製造を休止する。
 
:郡内の酉谷里(ユゴンニ、유곡리)地区には安東権氏(안동권씨)の同族村であるタルシル村があり、朝鮮時代中期の官僚である権橃が開いた。山に囲まれたこの地域は金の鶏が村全体を抱いているようだと表現され、鶏谷との意味でタルシル、またそれを漢字で酉谷と表現する。この村には現在も安東権氏の末裔30余戸が暮らしており、先祖を祀った共同祭祀を行う。このとき祭祀膳に捧げられるのが伝統菓子のハングァ(韓菓、[[한과]])であり、現在は地域の特産品として販売もされている。その製法は安東権氏の家門に代々受け継がれた門外不出のものであり、嫁いできた女性以外は実の娘であっても教わることができない。実際の製造は村の女性たちが農作業の合間に集まってすべて手作業で行っている。購入する場合は10日前までに予約が必要。また夏の暑い時期は水飴が溶けてしまうことから製造を休止する。
  
 
*ユグァ(油菓)
 
*ユグァ(油菓)
:現在は大きく分けて3種類のハングァを作っている。もち米の生地を油で揚げて蜜と炒り米([[튀밥]])をまぶしたものをユグァ(油菓、[[유과]])と呼び、板状に作ったイムニュグァ(입유과)と、楕円型に作ったチャンニュグァ(잔유과)の2種類がある。このうちチャンニュグァには全体に黒ゴマをまぶした黒いものと、植物のムラサキ([[지치]])で色をつけた赤いものがあり、プレーンな白を含めて3つの色がある。かつては陰陽五行思想に照らし合わせて5色を作ったそうだが、現在は簡略化されている。また、チャンニュグァには炒り米と干しブドウを用いて、梅の花に見立てた飾りが加わる。
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:現在は大きく分けて3種類のハングァを作っている。もち米の生地を油で揚げて蜜と炒り米([[튀밥]])をまぶしたものをユグァ(油菓、[[유과]])と呼び、板状に作ったイムニュグァ([[입유과]])と、楕円型に作ったチャンニュグァ([[잔유과]])の2種類がある。このうちチャンニュグァには全体に黒ゴマをまぶした黒いものと、植物のムラサキ([[지치]])で色をつけた赤いものがあり、プレーンな白を含めて3つの色がある。かつては陰陽五行思想に照らし合わせて5色を作ったそうだが、現在は簡略化されている。また、チャンニュグァには炒り米と干しブドウを用いて、梅の花に見立てた飾りが加わる。
  
 
*ヤックァ(薬果)
 
*ヤックァ(薬果)
:ハングァのもう1種類はもち米の生地にショウガなどを加えて揚げた[[ヤックァ(小麦粉生地の揚げ菓子/약과)]]である。一般的な[[ヤックァ(小麦粉生地の揚げ菓子/약과)|ヤックァ]]とは異なって油っぽさがほとんどなく、層状になった生地はクッキーのような食感でサクサクしている。
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:ハングァのもう1種類はもち米の生地にショウガなどを加えて揚げた[[ヤックァ(蜜入りの揚げ菓子/약과)]]である。一般的な[[ヤックァ(蜜入りの揚げ菓子/약과)|ヤックァ]]とは異なって油っぽさがほとんどなく、層状になった生地はクッキーのような食感でサクサクしている。
  
 
*タルシル宗家伝統油菓(달실종가 전통유과)
 
*タルシル宗家伝統油菓(달실종가 전통유과)
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