清州市の料理

提供: 韓食ペディア
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この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。

清州市(チョンジュシ、청주시)は忠清北道に位置する地域。本ページでは清州市の料理、特産品について解説する。

地域概要

清州市は忠清北道の道庁所在地。道の中西部に位置し、北部は忠清北道鎮川郡曽坪郡、東部は忠清北道槐山郡報恩郡、南部は広域市の大田市、西部は特別自治市の世宗市忠清南道天安市接する。人口は83万5373人(2018年6月)で忠清北道の自治体としてはもっとも多く、道全体の人口の52.3%を占める[1]。市内は4つの行政区に分かれており、北部が清原区(チョンウォング、청원구)、東部から南部にかけてが上党区(サンダング、상당구)、南西部が西原区(ソウォング、서원구)、西部が興徳区(フンドック、흥덕구)と呼ばれる。市の東部が山岳地域であるのに対し、中央部から西部にかけては平野部であり、北部から南西部に向けて錦江(クムガン、금강)の上流域である美湖川(ミホチョン、미호천)が流れる。市の中央部にはかつて清州邑城(チョンジュウプソン、천주읍성)があり、城壁などは日本によって1910年代に撤去されたものの、現在その一帯が市の中心部として栄える。忠清北道庁、清州市庁などの行政機能に加え、繁華街のソンアンキル(성안길)や、ユッコリ総合市場(ユッコリチョンハプシジャン、육거리종합시장)、清州中央公園(チョンジュチュンアンゴンウォン、청주중앙공원)などの代表的な観光地がある。ソウルから清州市までは、ソウル駅、龍山駅から五松駅までKTXで4~50分の距離。東ソウル総合ターミナル、ソウル高速バスターミナルなどから清州高速ターミナル、清州市外バスターミナルまで高速バスで約1時間40分。市内にある清州国際空港は日本の関西国際空港から直行便が出ており、市街地までは市内バスで約30分の距離である。

  • 旧・清原郡
清原郡(チョンウォングン、청원군)はかつて忠清北道にあった地域。旧・清州市をドーナツ状に囲んでいた。2014年7月に清州市と合併し、名称はそのまま清州市として吸収された。
  • 忠清道の由来
韓国の中西部を占める地域を広く忠清道と呼び、これは忠州市、清州市の頭文字をとったものである。高麗時代の1106年に一帯を「楊広忠清州道(양광충청주도)」と名付けたのが始まりで、これがのちに忠清道となった。
  • 直指~世界最古とされる金属活字本
興徳区雲泉洞には清州古印刷博物館(チョンジュ コインスェ パンムルグァン、청주고인쇄박물관)と並んで敷地内に興徳寺(フンドクサ、흥덕사)跡が残る。興徳寺は統一新羅時代から高麗時代にかけて栄えた寺社で、ここでは1377年に世界最古とされる金属活字本『白雲和尚抄録仏祖直指心体要節』が印刷された。これを通称、直指(チクチ、직지)と呼ぶ。現物はフランス国立図書館に所蔵されているが、清州古印刷博物館ではそれにまつわる展示資料が見られる。直指は2001年に「仏祖直指心体要節(下巻)」として、ユネスコの世界記録遺産に登録された(上巻は見つかっておらず下巻のみの登録である)[2]
  • ユッコリ総合市場
ユッコリ総合市場(ユッコリ チョンハプシジャン、육거리종합시장)は、上党区石橋洞に位置する在来市場。ユッコリとは六差路のことで、市場の入口前にある六差路がその由来である。1200軒以上の店舗が集まる巨大な市場であり、市内屈指の繁華街であるソンアンキルと直結することから観光客も多く訪れる。豚足の足先部分だけを煮込んだコマチョッパル(豚足の煮物、꼬마족발)や、コプチャンジョンゴル(豚ホルモン鍋、곱창전골)ポリパプ(麦飯の定食/보리밥)などの名物がある。

食文化の背景

現在の清州市は地域全体をドーナツ状に囲んでいた旧・清原郡と2014年7月に合併している。旧・清州市に相当する市の中心部に官公庁や大学、繁華街などが集まっており、たくさんの飲食店が営業している。地域的な特徴としては豚肉料理が充実しており、サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)をはじめとする豚焼肉や、チャグリチゲ(豚キムチ鍋、짜글이찌개)といった料理が親しまれる。市の南部には人口湖の大清湖(テチョンホ、대청호)があり、ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋/민물고기매운탕)をはじめとした川魚料理が名物となっている。

代表的な料理

清州市における代表的な料理としては、サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)ハンジョンシク(韓定食/한정식)オルゲンイクッ(カワニナのスープ/올갱이국)などがあげられる。市の中心部では20世紀半ば以降に粉食文化が発達し、老舗の粉食店、ベーカリーが多くあるほか、麺料理とパンを一緒に提供するスタイルの店も多く、独自のB級グルメとして注目を集める。

  • コチュマンドゥクッ(唐辛子餃子のスープ/고추만두국)
  • キムタックポリパン(キムタック麦パン/김탁구보리빵)上党区寿洞
  • トリベンベンイ(オイカワの薬味ダレ焼き/도리뱅뱅이)旧、清原郡
  • モドゥムジョン(チヂミの盛り合わせ/모듬전)西原区社稷洞
  • ミンムルコギメウンタン(淡水魚の辛い鍋/민물고기매운탕)大清湖付近
  • ポリパプ(麦飯の定食/보리밥)西原区石橋洞
  • サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)上党区西門洞
  • シオヤキ(味付け豚焼肉/시오야끼)
  • オルゲンイクッ(カワニナのスープ/올갱이국)
  • チャグリチゲ(豚キムチ鍋/짜글이찌개)
  • ハンジョンシク(韓定食/한정식)

代表的な特産品

  • チョンジュサル(清州米/청주쌀)

代表的な酒類・飲料

  • イド(有機米焼酎/이도)清原区斜川洞
  • チョニョンサイダ(泉淵サイダー/천연사이다)
  • チョジョンタンサンス(椒井炭酸水/초정탄산수)

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • リジョン食堂(리정식당)
住所:忠清北道清州市清原区牛岩路71-1(内徳洞297-12)
住所:충청북도 청주시 청원구 우암로 71-1(내덕동 297-12)
電話:043-254-8947
料理:ユッケジャン(牛肉の辛いスープ)ソルロンタン(牛スープ)
  • マジュン(마중)
住所:忠清北道清州市上党区文義面大清湖畔路845-5(米川里114-52)
住所:충청북도 청주시 상당구 문의면 대청호반로 845-5(미천리 114-52)
電話:043-288-1259
料理:ハンジョンシク(韓定食)
  • ポンヨンプルコギ(봉용불고기)
住所:忠清北道清州市清原区上党路203番キル14(牛岩洞131-4)
住所:충청북도 청주시 청원구 상당로203번길 14(우암동 131-4)
電話:043-259-8124
料理:サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)
  • 尚州チプ(상주집)
住所:忠清北道清州市上党区南社路93番キル17(西門洞181-1)
住所:충청북도 청주시 상당구 남사로93번길 17(서문동 181-1)
電話:043-256-7928
料理:オルゲンイクッ(カワニナのスープ)
  • 西門ウドン(서문우동)
住所:忠清北道清州市上党区無心東路392番キル8(西門洞166-3)
住所:충청북도 청주시 상당구 무심동로392번길 8(서문동 166-3)
電話:043-256-3334
料理:ウドン(うどん)、パン
  • オガリ食堂(오가리식당)
住所:忠清北道清州市西原区賢都面大清湖畔路4(下石里22-3)
住所:충청북도 청주시 서원구 현도면 대청호반로 4(하석리 22-3)
電話:042-932-2885
料理:ソガリメウンタン(コウライケツギョ鍋)
  • 元祖コチュマンドゥクッチプ(원조고추만두국집)
住所:忠清北道清州市上党区社稷大路350番キル61(西門洞80-5)
住所:충청북도 청주시 상당구 사직대로350번길 61(서문동 80-5)
電話:043-253-4260
料理:マンドゥクッ(餃子スープ)
  • 忠州トルグイ(충주돌구이)
住所:忠清北道清州市上党区南社路89番キル37(西門洞174-1)
住所:충청북도 청주시 상당구 남사로89번길 37(서문동 174-1)
電話:043-253-0531
料理:サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)
  • Fullmoon(풀문)
住所:忠清北道清州市上党区寿岩路36番キル21-4(寿洞81-194)
住所:충청북도 청주시 상당구 수암로36번길 21-4(수동 81-194)
電話:043-224-5152
料理:チーズピンス(チーズカキ氷)
  • ヘランガン(해란강)
住所:忠清北道清州市西原区護国路94(社稷洞267-6)
住所:충청북도 청주시 서원구 호국로 94(사직동 267-6)
電話:043-267-6788
料理:モドゥムジョン(チヂミ盛り合わせ)マッコリ(韓国式の濁酒)
  • HILL TOP(힐탑)
住所:忠清北道清州市上党区寿岩路36番キル10(寿洞81-24)
住所:충청북도 청주시 상당구 수암로36번길 10(수동 81-24)
電話:010-2544-0420
料理:ココナッツピンス(ココナッツカキ氷)

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2018年3月に初めて清州市を訪れた。直前まで済州道にいたため、初めて降り立ったのは国内線を利用しての清州国際空港であった。その秋に行うグルメツアーの下見が目的であり、当初は1~2泊を予定していたが、街の大きさとあまりに豊富な食文化に圧倒されて、結局帰国予定のギリギリである3泊まで延長することになった。

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2018年7月25日閲覧
  2. 『불조직지심체요절』 하권-佛祖直指心體要節 (下卷) 、ユネスコ韓国委員会ウェブサイト、2018年7月27日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目