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== 地域概要 == | == 地域概要 == | ||
[[ファイル:17081412.JPG|thumb|300px|大邱国際空港]] | [[ファイル:17081412.JPG|thumb|300px|大邱国際空港]] | ||
− | 大邱市(テグシ、대구시)は韓国の中東部に位置する広域市(韓国に6ヶ所ある上級地方自治体)。北部、東部、西部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]と接し、南部は[[慶尚南道の料理|慶尚南道]] | + | 大邱市(テグシ、대구시)は韓国の中東部に位置する広域市(韓国に6ヶ所ある上級地方自治体)。北部、東部、西部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]と接し、南部は[[慶尚南道の料理|慶尚南道]]と接する。人口は237万9086人(2023年7月)で、韓国の市としては[[ソウル市の料理|ソウル市]]、[[釜山市の料理|釜山市]]、[[仁川市の料理|仁川市]]に次いで4番目に多い<ref>[https://jumin.mois.go.kr/ 주민등록 인구통계] 、行政安全部ウェブサイト、2023年8月25日閲覧</ref>。面積は1498平方キロ(2023年7月)で、特別市、広域市の中ではもっとも広い<ref>[https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/1070787.html 군위군, 내년 7월부터 대구시로 편입…법안 본회의 통과] 、ハンギョレ新聞(2022年12月8日記事)、2023年8月25日閲覧</ref>。1981年に直轄市(その後、1995年に広域市)として独立するまでは[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]に属し、は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]庁も2016年2月までは大邱市に置かれていた(現在は[[安東市の料理|安東市]]に位置)。慶尚道全体の中間的な位置にあって交通の利便性に富むことから、1601年に慶尚監営(当時の道庁)が置かれるなど、地域の要衝として発展した。地理的には太白山脈(テベクサンメク、태백산맥)、小白山脈(ソベクサンメク、소백산맥)に東西を挟まれた位置にあり、北部に八公山(パルゴンサン、팔공산)、南部に最頂山(チェジョンサン、최정산)、琵瑟山(ピスルサン、비슬산)がそびえる盆地型の地形である。一帯を大邱盆地(テグブンジ、대구분지)とも呼び、大邱市の西部には洛東江(ナクトンガン、낙동강)が北から南へと流れる。20世紀初頭からは綿花の栽培が盛んであったことから近代的な繊維産業で栄え、1905年に京釜線が全線開通したことで[[ソウル市の料理|ソウル市]]、[[釜山市の料理|釜山市]]と結ばれると、経済や物流の中心としても大きな役割を担うに至った。人口こそ1999年7月以降、[[仁川市の料理|仁川市]]へ抜かれて4番手ではあるものの、大邱市を指して「韓国第3の都市」と表現することは珍しくない。主要な観光地には、韓方市場の大邱薬令市(대구약령시)、繊維製品の販売で大きく発展した西門市場(서문시장)、20世紀初頭の歴史を現代に残す大邱近代通り(대구근대골목)、代表的な繁華街の東城路(동성로)、北部にそびえる八公山などがある。ソウルから大邱市までのアクセスは、ソウル駅から高速鉄道のKTXで東大邱駅まで1時間40分前後。ソウル高速バスターミナル、東ソウル総合ターミナルから高速バスで東大邱まで3時間30分程度。大邱国際空港から中心部の東大邱駅までは4kmほどの距離と近く、また東大邱駅に隣接する東大邱複合乗換センター(동대구 복합환승센터)からは慶尚道地域を中心とした各地域への市外バスが集まるため、地方都市への新たな玄関口といった役割も注目されている。 |
*大邱薬令市 | *大邱薬令市 | ||
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[[ファイル:17081402.JPG|thumb|300px|西門市場]] | [[ファイル:17081402.JPG|thumb|300px|西門市場]] | ||
:西門市場(ソムンシジャン、서문시장)は中区大新洞に位置する常設市場。1601年に慶尚道の監営が大邱に置かれると人々の往来が盛んになり、1669年頃にそれまで大邱邑城の北門にあった機能を西門の外に移すと、これが西門市場の前身となった<ref name="market">[http://terms.naver.com/entry.nhn?docId=1285441&cid=40942&categoryId=32164 서문시장] 、斗山百科、2017年8月14日閲覧</ref>。その規模は慶尚道地域最大であり、朝鮮時代には平安道の平壌場(평양장)、忠清道の江景場(강경장)と並んで、大邱場(대구장)は朝鮮3大市場と称された<ref name="market"></ref>。1924年に朝鮮総督府が編纂した『朝鮮の市場』という書籍にも「古来平壌、大邱、江景の市場は朝鮮の三大市場と称せられ」との記述があり、同書内ではこれら3ヶ所の市場が主要市場として章立てて紹介されている<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/983970/91?viewMode= 朝鮮の市場] 、国立国会図書館デジタルコレクション(コマ番号91、P129)、2017年10月27日閲覧</ref>。その後、1920年代に入って市街地が拡大したことで現在の中区大新洞へと再度移り、1922年に公設市場としての許可を受けた。綿花の栽培が盛んだった大邱では繊維産業が栄えたため、西門市場においても衣類、寝具などの扱いが多く、現在もこれらの店が多く営業している。また、後述するように西門市場は麺([[국수]])の生産でも中心的な役割を担い、現在も市場内には[[チャンチグクス(にゅうめん/잔치국수)]]や、[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]]といった麺料理を提供する屋台、飲食店が多い([[大邱市の料理#麺(국수)|代表的な特産品/麺(국수)]]参照)。2016年6月には夜市場が始まり、大勢の観光客で賑わっている<ref>[http://www.nightseomun.com/html/base.php?url=html_04 야시장소개] 、西門市場夜市場ウェブサイト、2017年8月14日閲覧</ref>。 | :西門市場(ソムンシジャン、서문시장)は中区大新洞に位置する常設市場。1601年に慶尚道の監営が大邱に置かれると人々の往来が盛んになり、1669年頃にそれまで大邱邑城の北門にあった機能を西門の外に移すと、これが西門市場の前身となった<ref name="market">[http://terms.naver.com/entry.nhn?docId=1285441&cid=40942&categoryId=32164 서문시장] 、斗山百科、2017年8月14日閲覧</ref>。その規模は慶尚道地域最大であり、朝鮮時代には平安道の平壌場(평양장)、忠清道の江景場(강경장)と並んで、大邱場(대구장)は朝鮮3大市場と称された<ref name="market"></ref>。1924年に朝鮮総督府が編纂した『朝鮮の市場』という書籍にも「古来平壌、大邱、江景の市場は朝鮮の三大市場と称せられ」との記述があり、同書内ではこれら3ヶ所の市場が主要市場として章立てて紹介されている<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/983970/91?viewMode= 朝鮮の市場] 、国立国会図書館デジタルコレクション(コマ番号91、P129)、2017年10月27日閲覧</ref>。その後、1920年代に入って市街地が拡大したことで現在の中区大新洞へと再度移り、1922年に公設市場としての許可を受けた。綿花の栽培が盛んだった大邱では繊維産業が栄えたため、西門市場においても衣類、寝具などの扱いが多く、現在もこれらの店が多く営業している。また、後述するように西門市場は麺([[국수]])の生産でも中心的な役割を担い、現在も市場内には[[チャンチグクス(にゅうめん/잔치국수)]]や、[[カルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)]]といった麺料理を提供する屋台、飲食店が多い([[大邱市の料理#麺(국수)|代表的な特産品/麺(국수)]]参照)。2016年6月には夜市場が始まり、大勢の観光客で賑わっている<ref>[http://www.nightseomun.com/html/base.php?url=html_04 야시장소개] 、西門市場夜市場ウェブサイト、2017年8月14日閲覧</ref>。 | ||
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+ | === 達城郡の料理 === | ||
+ | 達城郡(タルソングン、달성군)は、大邱市の南西部に位置する地域。達城郡の料理、特産品については本ページに含むとともに、「[[達城郡の料理]]」でもまとめる。 | ||
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+ | === 軍威郡の料理 === | ||
+ | 軍威郡(クヌィグン、군위군)は、大邱市の北部に位置する地域。2023年7月1日に[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]から大邱市に編入された。軍威郡の料理、特産品については本ページに含むとともに、「[[軍威郡の料理]]」でもまとめる。 | ||
== 食文化の背景 == | == 食文化の背景 == | ||
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== 各地域の料理 == | == 各地域の料理 == | ||
+ | ;軍威郡(군위군) | ||
+ | *ヌングム(東洋種のリンゴ/능금)缶渓面 | ||
+ | *メギメウンタン(ナマズの辛い鍋/메기매운탕)孝令面巨梅里 | ||
;南区(남구) | ;南区(남구) | ||
*ヌルングクス(韓国式の手打ちウドン/누른국수)大明洞 | *ヌルングクス(韓国式の手打ちウドン/누른국수)大明洞 | ||
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*[http://kansyoku-life.com/ 韓食生活](韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト) | *[http://kansyoku-life.com/ 韓食生活](韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト) | ||
*[http://www.kansyoku-life.com/profile 八田靖史プロフィール](八田靖史のプロフィール) | *[http://www.kansyoku-life.com/profile 八田靖史プロフィール](八田靖史のプロフィール) | ||
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== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
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*[[カルビチム(牛カルビの煮物/갈비찜)]] | *[[カルビチム(牛カルビの煮物/갈비찜)]] | ||
+ | *[[ナプチャクマンドゥ(平焼きの餃子/납작만두)]] | ||
*[[タットンチプ(砂肝炒め/닭똥집)]] | *[[タットンチプ(砂肝炒め/닭똥집)]] | ||
*[[テジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)]] | *[[テジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)]] |