「ムルフェ(水刺身/물회)」の版間の差分

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== 歴史 ==
 
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時期的なことは定かでないが、古くから漁師料理として、船上での簡易的な食事として親しまれていたとされる。
 
時期的なことは定かでないが、古くから漁師料理として、船上での簡易的な食事として親しまれていたとされる。
:具体的な記録としては、1958年11月4日の東亜日報に掲載された[[済州道の料理|済州道]]料理のコラムがあり、名称こそ「チャリフェネンクッ(スズメダイの刺身の冷製スープ、[[자리회냉국]])」となっているが、調理法を見るに現在で言う「チャリムルフェ(スズメダイの水刺身、[[자리물회]])」と共通する。飲食店の店主が記者に対し、「先生、『チャリフェネンクッ』お召し上がりになりますか?」<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1958110400209103006 八道江山 발 가는대로 붓 가는대로(15)] 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1958年11月4日記事)、2023年8月13日閲覧</ref>(【原文1】参照)と声をかけていることから考えるに、当時の[[済州道の料理|済州道]]ではチャリフェネンクッと呼ばれていた可能性がある。
 
  
:1950年代から60年代にかけて[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[浦項市の料理|浦項市]]では、ムルフェを看板料理とする「浦項ムルフェ(포항물회)」(1951年創業?)、「嶺南ムルフェ(영남물회)」(1961年創業?)などの専門店が登場し、[[浦項市の料理|浦項市]]における元祖格として親しまれた(いずれも現在は閉店)<ref>[https://www.yeongnam.com/web/view.php?key=20060905.010220813000001 [경상도 맛길기행 .76] 日食 이야기- (10) 물회] 、嶺南日報2006年9月5日付記事、2023年8月13日閲覧</ref>。1973年8月4日の朝鮮日報には、「松島海水浴場(송도해수욕장)内、80ヶ所の飲食店で販売されるこの地方の特味、ムルフェは最高の人気」とあることから、この時期には郷土料理として広く定着していたと考えられる<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1973080400239106001 [「비키니 群像」…原色의 파노라마] 、NAVERニュースライブラリー(朝鮮日報1973年8月4日記事)、2023年8月13日閲覧</ref>
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具体的な記録としては、1958年11月4日の東亜日報に掲載された[[済州道の料理|済州道]]料理のコラムがあり、名称こそ「チャリフェネンクッ(スズメダイの刺身の冷製スープ、[[자리회냉국]])」となっているが、調理法を見るに現在で言う「チャリムルフェ(スズメダイの水刺身、[[자리물회]])」と共通する。飲食店の店主が記者に対し、「先生、『チャリフェネンクッ』お召し上がりになりますか?」<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1958110400209103006 八道江山 발 가는대로 붓 가는대로(15)] 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1958年11月4日記事)、2023年8月13日閲覧</ref>(【原文1】参照)と声をかけていることから考えるに、当時の[[済州道の料理|済州道]]ではチャリフェネンクッと呼ばれていた可能性がある。
  
:[[江原道の料理|江原道]][[束草市の料理|束草市]]は、1980年代に入って観光地として注目されるようになった。そのため[[束草市の料理|束草市]]は1981年に、[[オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)]]や、[[サンチェピビムパプ(山菜ビビンバ/산채비빔밥)]]などとともに、ムルフェを含む10種類の料理を郷土料理([[토산음식]])に指定した<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1981092200209210005 [都市의 鼓動 港口는 적적…観光은 북적] 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1981年9月22日記事)、2023年8月13日閲覧</ref>。
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1950年代から60年代にかけて[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[浦項市の料理|浦項市]]では、ムルフェを看板料理とする「浦項ムルフェ(포항물회)」(1951年創業?)、「嶺南ムルフェ(영남물회)」(1961年創業?)などの専門店が登場し、[[浦項市の料理|浦項市]]における元祖格として親しまれた(いずれも現在は閉店)<ref>[https://www.yeongnam.com/web/view.php?key=20060905.010220813000001 [경상도 맛길기행 .76] 日食 이야기- (10) 물회] 、嶺南日報2006年9月5日付記事、2023年8月13日閲覧</ref>。1973年8月4日の朝鮮日報には、「松島海水浴場(송도해수욕장)内、80ヶ所の飲食店で販売されるこの地方の特味、ムルフェは最高の人気」とあることから、この時期には郷土料理として広く定着していたと考えられる<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1973080400239106001 [「비키니 群像」…原色의 파노라마] 、NAVERニュースライブラリー(朝鮮日報1973年8月4日記事)、2023年8月13日閲覧</ref>。
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[[江原道の料理|江原道]][[束草市の料理|束草市]]は、1980年代に入って観光地として注目されるようになった。そのため[[束草市の料理|束草市]]は1981年に、[[オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)]]や、[[サンチェピビムパプ(山菜ビビンバ/산채비빔밥)]]などとともに、ムルフェを含む10種類の料理を郷土料理([[토산음식]])に指定した<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1981092200209210005 [都市의 鼓動 港口는 적적…観光은 북적] 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1981年9月22日記事)、2023年8月13日閲覧</ref>。
  
 
:【原文1】『선생님ー「자리회냉국」 자셔보시렵니까?』
 
:【原文1】『선생님ー「자리회냉국」 자셔보시렵니까?』
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