「タッカルビ(鶏肉の鉄板焼き/닭갈비)」の版間の差分

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[[ファイル:17032303.JPG|thumb|300px|タッカルビの後に作ったポックムパプ]]
 
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タッカルビはぶつ切りにした鶏肉と、キャベツ、ニンジン、サツマイモなどの野菜を甘辛いタレと絡めて炒めた料理。鶏肉は主をにモモ肉が使われる。店によって一緒に炒める具材はさまざまであり、タマネギ、長ネギ、エゴマの葉といった野菜に始まり、タンミョン(春雨、[[당면]])、チョルミョン(でんぷん麺、[[쫄면]])、うどん、餅、スライスチーズ、テナガダコなどの魚介類まで多岐に渡る。またこれらをサリ([[사리]])と呼ばれるトッピングとして選べる専門店も多い。専門店では円形の平たく大きな鉄板を用意し、注文を受けて客席で調理をするスタイルが多いが、店や地域によって鉄鍋を用いる場合もある。タッカルビをひとしきり味わった後は、少量残したところへごはんやうどんなどを投入し、炒めて食べるのも定番である。韓国では専門店で味わう料理だが、日本では韓国家庭料理店などでも提供される。
 
タッカルビはぶつ切りにした鶏肉と、キャベツ、ニンジン、サツマイモなどの野菜を甘辛いタレと絡めて炒めた料理。鶏肉は主をにモモ肉が使われる。店によって一緒に炒める具材はさまざまであり、タマネギ、長ネギ、エゴマの葉といった野菜に始まり、タンミョン(春雨、[[당면]])、チョルミョン(でんぷん麺、[[쫄면]])、うどん、餅、スライスチーズ、テナガダコなどの魚介類まで多岐に渡る。またこれらをサリ([[사리]])と呼ばれるトッピングとして選べる専門店も多い。専門店では円形の平たく大きな鉄板を用意し、注文を受けて客席で調理をするスタイルが多いが、店や地域によって鉄鍋を用いる場合もある。タッカルビをひとしきり味わった後は、少量残したところへごはんやうどんなどを投入し、炒めて食べるのも定番である。韓国では専門店で味わう料理だが、日本では韓国家庭料理店などでも提供される。
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*シメの食事メニュー
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:タッカルビの専門店では、シメの食事メニューとして[[マッククス(冷やしそば/막국수)]]を提供することが多い。[[マッククス(冷やしそば/막국수)|マッククス]]は、タッカルビと同じく[[江原道の料理|江原道]][[春川市の料理|春川市]]の郷土料理であり、その歴史はタッカルビよりも古い。
  
 
== 歴史 ==
 
== 歴史 ==
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=== 1970~80年代 ===
 
=== 1970~80年代 ===
;ファン・ギョイクの報告
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;朝鮮日報(1971年)の記事
:前掲書の中で、タッカルビの歴史についても時代ごとの考察をしており、1960年代については前述した内容とほぼ共通する。1970年代以降について、以下に引用する。
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:1971年1月14日付の『朝鮮日報(조선일보)』には「カラー風土巡覧 冬の旅人(칼러風土巡覧 겨울 나그네)」という記事が掲載されており、[[江原道の料理|江原道]][[春川市の料理|春川市]]の観光情報がまとめられている。記事内では昭陽湖(ソヤンホ、소양호)の周辺で味わえる料理として、夏のオジュク(魚粥、[[어죽]])が有名だと紹介したうえで、「川風が強い最近は冬の味覚を楽しむほどのものがなく、ただ市内の「タッカルビ店」が盛んに賑わうのみである。朝鮮日報のコラムでだけ大手を振っていると思われた「肋鶏」が、5、6年以来、40~50ヶ所の居酒屋で名前を鳴り響かせるという。 だが、同じ肋鶏でも春川のタッカルビには鶏自体がほぼ丸ごとついてくる。下に練炭の火がついたドラム缶の上に、いくつかにぶつ切りにされたカルビについた鶏(1台60ウォン)のかたまりを炒めても食べ、また炭火で焼いても食べる」(原文4)と述べている<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1973101700239105026&editNo=1&printCount=1&publishDate=1973-10-17&officeId=00023&pageNo=5&printNo=16164&publishType=00010 別味珍味 春川「닭갈비」] 、NAVERニュースライブラリー、2023年1月29日閲覧</ref>。この記述から、当時すでにタッカルビが昭陽湖一帯の名物として定着するとともに、炒める調理法のタッカルビが登場していたと推測できる。
[[ファイル:17032306.JPG|thumb|300px|網焼きのタッカルビ(タップルコギ)]]
 
  
:「70年代初めまでのタップルコギは、今のタッカルビとは違ってドラム缶の中に練炭を入れ、その上に焼き網を載せて味付けをした鶏肉を焼いて食べた」「70年代の中盤を過ぎ、ドラム缶の上から焼き網が消え鉄板が上がった。 それと共に野菜と餅が入り始め、肉を食べた後にごはんや麺を加えて食べるようになった」「80年代に入ると、タッカルビの人気はまさに爆発的だった。 特にテレビの『味に沿って道に沿って』のような番組に紹介されてからは、春川における古くからの郷土料理である[[マッククス(冷やしそば/막국수)|マッククス(冷やしそば)]]に次ぐ名声を得始めた」(原文4)<ref name="kyakucyu03" />
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:【原文4】「강바람이 세찬 요즘에는 겨울의 味覚을 즐길만한 것이 없고 다만 시내의 「닭갈비집」이 한창 흥청거릴 뿐이다. 朝鮮日報 칼럼에서만 활개를 치는 줄 알았던「鶏肋」이 5, 6년이래 40~50군데의 대폿집에서 마구 이름을 떨친다고 한다. 하지만 같은 鶏肋이라도 春川의 닭갈비에는 닭자체가 거의 통째로 붙어 나온다. 밑으로 연탄불이 피워진 드럼통 바닥에 몇 갠가로 토막쳐져 갈비에 붙은 닭(한대에 60원)덩이를 볶아도 먹고, 또 숯불에 구워도 먹는다.」
 
 
:【原文4】「70년대 초까지의 닭불고기는 지금의 닭갈비와는 달리 드럼통 안에 연탄을 넣고 그 위에 석쇠를 올려 양념한 닭고기를 구워 먹었다.」「70년대 중반을 넘기면서 드럼통 위에 석쇠가 퇴장하고 철판이 올랐다. 그러면서 야채와 가래떡이 들어가기 시작하고 고기를 먹고 난 다음 밥이나 국수를 비벼 주게 되었다.」「80년대 들어 닭갈비의 인기는 가히 폭발적이었다. 특히 텔레비전의 '맛따라 길따라' 류의 프로그램에 소개되고 난 후부터는 춘천의 오랜 향토 음식인 막국수에 버금가는 명성을 얻기 시작했다.」
 
  
 
;朝鮮日報(1973年)の記事
 
;朝鮮日報(1973年)の記事
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:【原文5】「닭을 통째로 뼈째, 간장 설탕 후춧가루등 갖은 양념에 재워 냉장고에 넣어서 하루저녁을 묵혀 두었다가 철판으로 만든 두레반을 드럼깡 위에 놓고 굽는다. 닭갈비 한대에 70원씩, 3, 4명이 둘러앉아 10대를 청하고 소주를 마신다.」
 
:【原文5】「닭을 통째로 뼈째, 간장 설탕 후춧가루등 갖은 양념에 재워 냉장고에 넣어서 하루저녁을 묵혀 두었다가 철판으로 만든 두레반을 드럼깡 위에 놓고 굽는다. 닭갈비 한대에 70원씩, 3, 4명이 둘러앉아 10대를 청하고 소주를 마신다.」
  
=== 1990年代以降 ===
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;ファン・ギョイクの報告
90年代に入ってからは[[ソウル市の料理|ソウル市]]を中心として全国に専門店が拡大していった。
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:ファン・ギョイクは著書『味について行ってみる(맛따라 갈까 보다)』の中で、タッカルビの歴史について時代ごとの考察をしており、1970年代以降について以下のように述べている。
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[[ファイル:17032306.JPG|thumb|300px|網焼きのタッカルビ(タップルコギ)]]
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:「70年代初めまでのタップルコギは、今のタッカルビとは違ってドラム缶の中に練炭を入れ、その上に焼き網を載せて味付けをした鶏肉を焼いて食べた」「70年代の中盤を過ぎ、ドラム缶の上から焼き網が消え鉄板が上がった。 それと共に野菜と餅が入り始め、肉を食べた後にごはんや麺を加えて食べるようになった」「80年代に入ると、タッカルビの人気はまさに爆発的だった。 特にテレビの『味に沿って道に沿って』のような番組に紹介されてからは、春川における古くからの郷土料理である[[マッククス(冷やしそば/막국수)|マッククス(冷やしそば)]]に次ぐ名声を得始めた」(原文6)<ref name="kyakucyu03" />
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:【原文6】「70년대 초까지의 닭불고기는 지금의 닭갈비와는 달리 드럼통 안에 연탄을 넣고 그 위에 석쇠를 올려 양념한 닭고기를 구워 먹었다.」「70년대 중반을 넘기면서 드럼통 위에 석쇠가 퇴장하고 철판이 올랐다. 그러면서 야채와 가래떡이 들어가기 시작하고 고기를 먹고 난 다음 밥이나 국수를 비벼 주게 되었다.」「80년대 들어 닭갈비의 인기는 가히 폭발적이었다. 특히 텔레비전의 '맛따라 길따라' 류의 프로그램에 소개되고 난 후부터는 춘천의 오랜 향토 음식인 막국수에 버금가는 명성을 얻기 시작했다.」
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=== 1990年代 ===
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1990年代に入ってからは[[ソウル市の料理|ソウル市]]を中心として全国に専門店が拡大していった。
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=== 2000年代 ===
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;春川タッカルビ祭りの開催
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:2004年4月に[[江原道の料理|江原道]][[春川市の料理|春川市]]にて、第1回「春川タッカルビ祭り(춘천닭갈비축제)」が開催された。その後、2008年からは、1996年8月に第1回を行った「春川マッククス祭り(춘천막국수축제)」と合同になり、現在まで「春川マッククスタッカルビ祭り(춘천막국수 닭갈비축제)」として開催されている<ref>[https://www.mdfestival.com/ 춘천막국수 닭갈비축제] 、春川マッククスタッカルビ祭りウェブサイト、2023年6月25日閲覧</ref>。
  
 
=== 2010年代以降 ===
 
=== 2010年代以降 ===
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*[[タッパル(鶏足焼き/닭발)]]
 
*[[タッパル(鶏足焼き/닭발)]]
 
*[[トゥンカルビ(豚バックリブの焼肉/등갈비)]]
 
*[[トゥンカルビ(豚バックリブの焼肉/등갈비)]]
*[[マッククス(冷やしそば/막국수)]]
 
 
*[[マッククス(冷やしそば/막국수)]]
 
*[[マッククス(冷やしそば/막국수)]]
 
*[[ポックムパプ(チャーハン/볶음밥)]]
 
*[[ポックムパプ(チャーハン/볶음밥)]]
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