「サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)」の版間の差分

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== 概要 ==
 
== 概要 ==
 
サムギョプサルは豚バラ肉を鉄板や網などで焼いて調理をする。焼けた豚バラ肉はサンチュ([[상추]])、エゴマの葉([[깻잎]])などの葉野菜で包み、サムジャン([[쌈장]])と呼ばれる合わせ味噌や、パジョリ([[파절이]]、白髪ネギの和え物)、スライスしたニンニク、刻んだ青唐辛子などを薬味として加えて味わう。キルムジャン([[기름장]])と呼ばれるゴマ油と塩を混ぜたタレにつけてもよい。豚焼肉店のメニューに並ぶほか、サムギョプサル専門の店も数多く存在し、店ごとに食べ方、焼き方、肉の切り方などに個性が見られ、そのバリエーションもたいへん豊富である([[サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)#種類|種類]]参照)。
 
サムギョプサルは豚バラ肉を鉄板や網などで焼いて調理をする。焼けた豚バラ肉はサンチュ([[상추]])、エゴマの葉([[깻잎]])などの葉野菜で包み、サムジャン([[쌈장]])と呼ばれる合わせ味噌や、パジョリ([[파절이]]、白髪ネギの和え物)、スライスしたニンニク、刻んだ青唐辛子などを薬味として加えて味わう。キルムジャン([[기름장]])と呼ばれるゴマ油と塩を混ぜたタレにつけてもよい。豚焼肉店のメニューに並ぶほか、サムギョプサル専門の店も数多く存在し、店ごとに食べ方、焼き方、肉の切り方などに個性が見られ、そのバリエーションもたいへん豊富である([[サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)#種類|種類]]参照)。
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=== 食べ方 ===
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*焼き方
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:サムギョプサルは脂の多い部位であり、焼いていると大量の溶けた脂が流れ出る。焼き板を傾斜させたり、最初からカーブのある焼き板を用いるなど、余分な脂を除く工夫が必要になる。また食パンを一緒に並べて吸わせるといった方法もある。脂の流れる先にキムチや大豆モヤシなどを置き、豚の脂で炒めるようにしても美味しい。焼けた肉は焼き板のへりに寄せ、火が通りすぎないようにする。焼き板の上にサンチュ([[상추]])を置き、焦げないよう避難場所にするといった裏技もある。
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*ハサミ
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:韓国の飲食店では店員が肉を焼いてくれる店と、自分で焼く店に分かれる。自分で焼く場合は肉の提供方法によって、自らハサミとトングで食べやすい大きさにカットする必要がある。生肉の状態だと切りにくいので、肉の両面に焼き目をつけてから切るのが望ましい。慣れた手さばきで食べやすい大きさにカットできるとカッコいい反面、ひと口が大きすぎる、小さすぎる場合は同席の仲間からおおいに苦情が出る。日本の飲食店ではほとんどの場合、店員が焼いてくれる。また、韓国であっても観光客慣れした店や、こちらが外国人だとわかると焼いてくれることが多い。
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*包み方
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:焼けた肉はサンチュ([[상추]])、エゴマの葉([[깻잎]])などに包んで食べる。このとき卓上に用意されたサムジャン(包み味噌、[[쌈장]])、スライスしたニンニク、小口切りにした青唐辛子、パジョリ(白髪ネギの和え物、[[파절이]])などを好みに応じて一緒に包む。こうして包んだものはそれを噛みちぎることなく、大きな口を開けてひと口に食べることが推奨される。従って、ひと口で食べられるようなサイズに包むという技術を伴わねばならず、外国人にとっては多少の慣れとコツが必要となる。
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*キルムジャン
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:キルムジャン([[기름장]])はゴマ油と塩を混ぜたつけダレ。焼けた肉をこれにつけて食べる。
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*ニンニク
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:飲食店でサムギョプサルを注文するとスライスをしたニンニクがついてくる。葉野菜で包む際に生で加えてもよいが、サムギョプサルと一緒に焼いてもよい。また、店によっては小さなアルミカップ、またはアルミホイル([[은박지]])にニンニクとゴマ油を入れ、揚げるように焼く場合もある。最初から出てこない場合でも、注文をすれば対応してくれる。
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*青唐辛子
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:サムギョプサルに青唐辛子([[붓고추]])は定番である。小口切りにしたものを葉野菜と一緒に包んでも食べるが、丸ごとをサムジャン(包み味噌、[[쌈장]])につけて食べたりもする。青唐辛子によってその辛さは異なるが、チョンヤンコチュ(激辛品種の青唐辛子、[[청양고추]])のように激辛なものに当たったときは、しばらく話もできないほどの苦痛を味わう。
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*酒
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:サムギョプサルには焼酎([[소주]])が定番である。ただし、2000年代中盤頃まではそれが不動の常識だったが、2009年のマッコリブームや、2010年頃からのクラフトビールブームによって多様化が進み、現在では好みに応じた酒を合わせるようになっている。
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*ポックムパプ
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:店によっては肉を焼いた後の鉄板で、ごはん、キムチ、海苔、ゴマ油などを入れ[[ポックムパプ(チャーハン/볶음밥)]]を作ってくれる。できあがったポックムパプをハート模様に形作るといった細かなサービスもあったりする。
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*テンジャンチゲ
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:韓国において焼肉の後は、[[テンジャンチゲ(味噌鍋/된장찌개)]]か、[[ネンミョン(冷麺/냉면)]]でシメるのが定番である。テンジャンチゲの場合は、鍋を焼き板に載せ、温めながら食べることも多い。また最初から焼き板の中央に、テンジャンチゲを置くスペースを用意しているものもある。
  
 
== 歴史 ==
 
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