「サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)」の版間の差分

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== 日本における定着 ==
 
== 日本における定着 ==
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日本にサムギョプサルが入ってきた時代は明確ではないが、本格的に広まっていったのは1990年代後半頃からと推測される。韓食ペディアの執筆者である八田靖史の個人的な体験では、2001年には東京の新大久保や三河島などでサムギョプサルを食べていた。この時期のサムギョプサルは薄切りの豚バラ肉を焼いて食べるだけのシンプルなものであった。
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=== 2002年 ===
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*「とんちゃん」の開店
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:2002年6月に東京、歌舞伎町でサムギョプサル専門店の「とんちゃん」がオープンした。とんちゃんでは「元祖日本初サムギョプサル専門店」を掲げており、2017年8月現在他業態も含めて16店舗を展開する<ref>[http://www.tonchang.com/branch.html ご挨拶] 、とんちゃんウェブサイト、2017年8月19日閲覧</ref>。
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=== 2003年 ===
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*ドラマ『冬のソナタ』の影響
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:2003年にドラマ『冬のソナタ』が日本で放映されると、日本でも韓国料理への関心が高まっていった。『冬のソナタ』の第6話にはミニョン(ペ・ヨンジュン)とユジン(チェ・ジウ)が会食をするシーンがあり、そのときのメニューがサムギョプサルであった。
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=== 2004年 ===
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東京、新大久保では韓流の影響により爆発的に韓国料理店が増えていった。新大久保では2004年末頃から、当時韓国で流行していた新しいサムギョプサルを導入する店が増えていった。
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*「オムニ食堂大久保店」の事例
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:2004年10月にスコップで焼く「3秒炭窯焼きサムギョプサル」の提供を開始。店舗前に掲げられた横断幕には、[[江原道の料理|江原道]]の炭焼き場で作業が終わった後の職人らが食べていたものと説明されている。「ついに日本上陸」とも大きく書かれており、韓国から本場の流行を持ち込んだことをアピールしている。
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*「鐘路本家」の開店
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:2004年12月にスコップで焼くサプサムギョプサルの専門店としてオープン。店頭にはスコップに載せた豚肉を窯に入れて焼く、巨大な豚のオブジェを設置して目を引いた。
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=== 2005年 ===
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東京、新大久保では2005年に入ってバラエティに富んだサムギョプサルの専門店が乱立。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は著書『韓国料理にはご用心!』にて、主要なサムギョプサル専門店の開店年月をまとめたうえで、「2005年というのは新大久保でサムギョプサルが定番料理となる決定的な年だった」と結論づけている<ref>八田靖史, 2013, 『韓国料理にはご用心!』, 三五館, P55</ref>。また、新大久保のみならず全国的にサムギョプサルという料理が知名度を得て、日本で広まっていったのがこの時期である。
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*「カントンの思い出」の開店
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:2005年1月にオープン。1960~70年代をイメージしたレトロな雰囲気の店内がコンセプト。ハーブ豚を使ったサムギョプサルや、分厚い極サムギョプサルを提供。
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*「ヘラン」の開店
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:2005年4月にオープン。水晶板で焼くスジョンパンサムギョプサルを提供。
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*「とん豚テジ」の開店
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:2005年5月にオープン。極薄切りのテペサムギョプサルを提供。
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*「Teji Tokyo」の開店
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:2005年8月にオープン。スペイン産のイベリコ豚など、世界のブランド豚をサムギョプサルとして提供。
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*「コリアンキッチン味ちゃん」
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:2005年9月にオープン。厚切りサムギョプサルの草分け。オープン当初は13mmサムギョプサルとして始め、後に18mm以上の分厚さで人気を集める。
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=== 2006年 ===
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*「ベジテジや」の開店
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:2006年8月に京都市伏見区深草にてオープン。「包まぬ豚は、ただの豚」というキャッチコピーを掲げ、自家栽培のサンチュに加え、玄米クレープ、あぶりトルティーヤ、京風包みもちなど個性的な包み素材を種類豊富に提供。
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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