「ソウル市の料理」の版間の差分

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=== モッコルベ(モッコル梨/먹골배) ===
 
=== モッコルベ(モッコル梨/먹골배) ===
中浪区(チュンナング、중랑구)の墨洞(ムクトン、묵동)一帯で栽培されている梨。ファンシルベ(黄実梨、[[황실배]])とも呼ぶ。モッコルは地域名を指し、直訳すると「墨の谷」を意味し、かつてこの地域で墨を生産していたことにちなむ。日本統治時代に栽培が始まり、宮中へも進上された歴史を持つが、近年は都市化が進んだことで生産量は減少している。現在、モッコルベは[[京畿道の料理|京畿道]][[南楊州市の料理|南楊州市]]での生産が盛んである。
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:中浪区(チュンナング、중랑구)の墨洞(ムクトン、묵동)一帯で栽培されている梨。ファンシルベ(黄実梨、[[황실배]])とも呼ぶ。モッコルは地域名を指し、直訳すると「墨の谷」を意味し、かつてこの地域で墨を生産していたことにちなむ。下記の伝承によれば朝鮮時代の15世紀まで歴史はさかのぼり、宮中へも進上されたとされるが、本格的には日本統治時代に栽培が盛んになった。近年は都市化が進んだことで墨洞一帯での栽培は減少しており、現在は[[京畿道の料理|京畿道]][[南楊州市の料理|南楊州市]]での生産が盛んである。
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*王邦衍の逸話
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:王邦衍(ワン・バンヨン、왕방연)は朝鮮時代前期の文臣。第6代王の端宗が[[江原道の料理|江原道]][[寧越郡の料理|寧越郡]]に流配された際、護送の役割を担った。このとき端宗が喉の渇きを訴えて水を求めたが、国法に則ってそれに応じることができなかった。これを後悔した王邦衍は、のちに官職を持してモッコル(墨洞)に居を定め、ここで梨を栽培して端宗の命日に捧げたとされる。この逸話を、モッコルベの発祥と考えることが多い。
  
 
== 代表的な酒類・飲料 ==
 
== 代表的な酒類・飲料 ==
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