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{{Notice}} | {{Notice}} | ||
| + | [[ファイル:16041201br.JPG|400px|thumb|奉化マツタケ祭り]] | ||
| + | '''奉化郡'''(ポンファグン、봉화군)は慶尚北道に位置する地域。本ページでは奉化郡の料理、特産品について解説する。 | ||
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| + | == 地域概要 == | ||
| + | 奉化郡は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の北部に位置する地域。郡の北部は[[江原道の料理|江原道]]の[[太白市の料理|太白市]]、北東部は[[江原道の料理|江原道]]の[[三陟市の料理|三陟市]]、東部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[蔚珍郡の料理|蔚珍郡]]、南東部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[英陽郡の料理|英陽郡]]、南部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[安東市の料理|安東市]]、西部は[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の[[栄州市の料理|栄州市]]、北西部は[[江原道の料理|江原道]]の[[寧越郡の料理|寧越郡]]と接する。人口は2万8076人(2026年7月)<ref>[https://jumin.mois.go.kr/ 행정동별 주민등록 인구 및 세대현황] 、行政安全部ウェブサイト、2026年8月5日閲覧</ref>。 | ||
| − | + | ;地理 | |
| + | 郡の北東部は太白山脈(テベクサンメク、태백산맥)と小白山脈(ソベクサンメク、소백산맥)が分岐する位置にあり、北東部から西部へ、また北東部から南部へと1000m以上の山々が連なる。全体で見ても面積の81.5%が山林<ref>[https://kfss.forest.go.kr/stat/ptl/article/articleList.do?curMenu=9795&bbsId=ptlPdsBase 산림청, 2021, 『2020 산림기본통계(개정판)』「행정구역별 산림면적・임목축적」(자료갱신일2024-07-04), 산림청, P190] 、山林庁 山林林業統計プラットホーム、2026年8月5日閲覧</ref>という山の深い地形であり、その中を東部から南部にかけて洛東江(ナクトンガン、낙동강)が、北部から南西部にかけて乃城川(ネソンチョン、내성천)が蛇行する。 | ||
| − | + | ;観光 | |
| + | 一帯が道立公園に指定される清涼山(チョンニャンサン、청량산)をはじめ、青玉山(チョンオクサン、청옥산)、国立白頭大幹樹木園(クンニプ ペクトゥデガン スモグォン、국립백두대간수목원)、春陽木山林体験館(チュニャン ヤンモク サルリム チェホムグァン、춘양목산림체험관)など自然を活かした観光地が多い。 | ||
| − | + | ;アクセス | |
| − | + | [[ソウル市の料理|ソウル市]]からのアクセスは、東ソウル総合ターミナルから奉化共用バス停留所まで高速バスで約2時間40分の距離である。 | |
== 食文化の背景 == | == 食文化の背景 == | ||
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=== ハングァ(伝統菓子/한과) === | === ハングァ(伝統菓子/한과) === | ||
[[ファイル:23080902.JPG|thumb|300px|タルシル村のハングァ]] | [[ファイル:23080902.JPG|thumb|300px|タルシル村のハングァ]] | ||
| − | : | + | :酉谷里(ユゴンニ、유곡리)には安東権氏(안동권씨)の一族が集住するタルシル村があり、朝鮮時代中期の官僚である権橃(クォン・ボル、권벌)が開いた。山に囲まれたこの地域は金の鶏が村全体を抱いているようだと表現され、鶏谷との意味でタルシル、または漢字で酉谷と表現する。現在も安東権氏の末裔30余戸が暮らしており、先祖を祀った共同祭祀を行う。このとき祭祀膳に捧げられるのが伝統菓子のハングァ(韓菓、[[한과]])であり、現在は地域の特産品として販売もされている。その製法は安東権氏の家門に代々受け継がれた門外不出のものであり、嫁いできた女性以外は実の娘であっても教わることができない。実際の製造は村の女性たちが農作業の合間に集まってすべて手作業で行っている。購入する場合は10日前までに予約が必要。また夏の暑い時期は水飴が溶けてしまうことから製造を休止する。 |
*ユグァ(油菓) | *ユグァ(油菓) | ||
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*ヤックァ(薬果) | *ヤックァ(薬果) | ||
:ハングァのもう1種類はもち米の生地にショウガなどを加えて揚げた[[ヤックァ(蜜入りの揚げ菓子/약과)]]である。一般的な[[ヤックァ(蜜入りの揚げ菓子/약과)|ヤックァ]]とは異なって油っぽさがほとんどなく、層状になった生地はクッキーのような食感でサクサクしている。 | :ハングァのもう1種類はもち米の生地にショウガなどを加えて揚げた[[ヤックァ(蜜入りの揚げ菓子/약과)]]である。一般的な[[ヤックァ(蜜入りの揚げ菓子/약과)|ヤックァ]]とは異なって油っぽさがほとんどなく、層状になった生地はクッキーのような食感でサクサクしている。 | ||
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== 代表的な特産品 == | == 代表的な特産品 == | ||
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=== アユ(은어) === | === アユ(은어) === | ||
| − | : | + | :奉化郡を流れる乃城川は洛東江の上流域にあり、1960年代まではたくさんのアユがとれた。現在はダムの建設など自然環境に変化が大きく、天然のアユはほとんど見られなくなってしまったが、地域の名産品として養殖や稚魚の放流などに力を入れている。毎年、7、8月には「奉化アユ祭り(봉화은어축제)」が開催され、つかみどりなどを行う。アユは主に[[ウノグイ(アユの焼き魚/은어구이)]]、ウノジョリム(アユの煮付け、[[은어조림]])、ウノティギム(アユの天ぷら、[[은어튀김]])といった調理法で味わう。 |
== 代表的な酒類・飲料 == | == 代表的な酒類・飲料 == | ||
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以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。 | 以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。 | ||
| − | * | + | *;タルシル宗家伝統油菓(달실종가 전통유과)★ |
| + | :安東権氏の集姓村であるタルシル村内で、共同祭祀用の伝統韓菓を製造、販売している。韓菓の製造は不定期だが、要予約で販売は常時可能(夏季を除く)。 | ||
| + | :住所:慶尚北道奉化郡奉化邑沖斎キル6-1(酉谷里1016) | ||
| + | :住所:경상북도 봉화군 봉화읍 충재길 6-1(유곡리 1016) | ||
| + | :電話:054-674-0788 | ||
| + | :最終訪問日:2018年6月30日 | ||
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| + | *;奉化韓薬牛プラザ(봉화한약우프라자)★ | ||
| + | :名産の[[奉化郡の料理#ハニャググイ(韓薬牛の焼肉/한약우구이)|韓薬牛(ハニャグ/한약우)]]を専門とする畜産協会経営の焼肉店。精肉店兼飲食店のスタイルで好みの肉を買って店内に持ち込む。秋のシーズンにはマツタケを持ち込む人も多い。 | ||
:住所:慶尚北道奉化郡鳳城面農業人キル47(金峰里916) | :住所:慶尚北道奉化郡鳳城面農業人キル47(金峰里916) | ||
:住所:경상북도 봉화군 봉성면 농업인길 47(금봉리 916) | :住所:경상북도 봉화군 봉성면 농업인길 47(금봉리 916) | ||
:電話:054-674-3400 | :電話:054-674-3400 | ||
| − | : | + | :最終訪問日:2016年10月3日 |
| − | *銀河スップル会館(은하숯불회관) | + | *;銀河スップル会館(은하숯불회관) |
| + | :[[奉化郡の料理#ハニャググイ(韓薬牛の焼肉/한약우구이)|韓薬牛(ハニャグ/한약우)]]を専門とする焼肉店。中でも[[カルビサル(骨なしの牛カルビ焼き/갈비살)]]の人気が高い。マツタケのシーズンには焼肉とともに提供する。 | ||
:住所:慶尚北道奉化郡奉化邑乃城路129(乃城里352-2) | :住所:慶尚北道奉化郡奉化邑乃城路129(乃城里352-2) | ||
:住所:경상북도 봉화군 봉화읍 내성로 129(내성리 352-2) | :住所:경상북도 봉화군 봉화읍 내성로 129(내성리 352-2) | ||
:電話:054-673-1303 | :電話:054-673-1303 | ||
| − | : | + | :最終訪問日:2016年10月3日 |
| + | ;【閉店】 | ||
*仁廈院(인하원) | *仁廈院(인하원) | ||
:住所:慶尚北道奉化郡奉化邑幼鹿キル20(石坪里713) | :住所:慶尚北道奉化郡奉化邑幼鹿キル20(石坪里713) | ||
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== エピソード == | == エピソード == | ||
*韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2015年10月に初めて奉化郡を訪れた。ちょうどマツタケのシーズンであったため、ソンイトルソッパプ(マツタケ釜飯、송이돌솥밥)を食べに行き、たっぷり載ったマツタケを味わった。店員の「副菜の[[ナムル(ナムル/나물)]]などと混ぜてコチュジャン([[고추장]])を加え、[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]]にして食べてください」とのセリフに衝撃を受けつつも、恐る恐る試してみたところ、旬のマツタケはまったく負けずに香りが活きているのに感服した。 | *韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2015年10月に初めて奉化郡を訪れた。ちょうどマツタケのシーズンであったため、ソンイトルソッパプ(マツタケ釜飯、송이돌솥밥)を食べに行き、たっぷり載ったマツタケを味わった。店員の「副菜の[[ナムル(ナムル/나물)]]などと混ぜてコチュジャン([[고추장]])を加え、[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]]にして食べてください」とのセリフに衝撃を受けつつも、恐る恐る試してみたところ、旬のマツタケはまったく負けずに香りが活きているのに感服した。 | ||
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*慶尚北道広報大使が取材、執筆する観光冊子『[http://www.kansyoku-life.com/15120501gb.zip GB-Story Vol.1](zipファイル)』<ref>[http://www.kansyoku-life.com/2015/12/7537.html ダウンロード版「GB-Story」配布~慶尚北道広報大使による最新取材報告会後記] 、韓食生活、2016年4月12日閲覧</ref>にはタルシル村の韓菓とマツタケ料理の話が掲載されている。 | *慶尚北道広報大使が取材、執筆する観光冊子『[http://www.kansyoku-life.com/15120501gb.zip GB-Story Vol.1](zipファイル)』<ref>[http://www.kansyoku-life.com/2015/12/7537.html ダウンロード版「GB-Story」配布~慶尚北道広報大使による最新取材報告会後記] 、韓食生活、2016年4月12日閲覧</ref>にはタルシル村の韓菓とマツタケ料理の話が掲載されている。 | ||
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*韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2016年9月に奉化郡を訪れ、マツタケ山の取材をした<ref>[http://tabiisara.com/column/eating/Asia/Korea,_Republic_of/18_409914_1475444020.html 韓国のマツタケ山に潜入 ~2016年は大豊作で価格もぐっとお手頃に] 、旅いさら、2016年12月13日閲覧</ref>。また翌10月にもテレビ番組のロケでマツタケ採り体験に参加をしたが、残念なことに1本も見つけることができなかった<ref>[http://www.bs-asahi.co.jp/kankoku_tabi/ BS朝日 - 韓国・悠久の歴史と美食の旅~慶尚北道をめぐる~] 、BS朝日、2016年12月13日閲覧</ref>。 | *韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2016年9月に奉化郡を訪れ、マツタケ山の取材をした<ref>[http://tabiisara.com/column/eating/Asia/Korea,_Republic_of/18_409914_1475444020.html 韓国のマツタケ山に潜入 ~2016年は大豊作で価格もぐっとお手頃に] 、旅いさら、2016年12月13日閲覧</ref>。また翌10月にもテレビ番組のロケでマツタケ採り体験に参加をしたが、残念なことに1本も見つけることができなかった<ref>[http://www.bs-asahi.co.jp/kankoku_tabi/ BS朝日 - 韓国・悠久の歴史と美食の旅~慶尚北道をめぐる~] 、BS朝日、2016年12月13日閲覧</ref>。 | ||
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*BYC | *BYC | ||
:[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の奉化郡(Bonghwa-gun)、[[英陽郡の料理|英陽郡(Yeongyang-gun)]]、[[青松郡の料理|青松郡(Cheongsong-gun)]]の頭文字を取って「BYC」と総称することがある。隣接する3地域を韓国の有名な下着メーカーにちなんでまとめた語呂合わせだが、韓国を代表する「奥地」のまとめとして揶揄を含むことが多い。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、その「奥地」度を認めたうえで、それでも「わざわざ目掛けて行くべき美味しい3地域」と勝手な再定義を提唱している<ref>八田靖史, 2022, 『ラジオ まいにちハングル講座 2022年9月号(韓国おいしい町めぐり)』, NHK出版, P96</ref>。 | :[[慶尚北道の料理|慶尚北道]]の奉化郡(Bonghwa-gun)、[[英陽郡の料理|英陽郡(Yeongyang-gun)]]、[[青松郡の料理|青松郡(Cheongsong-gun)]]の頭文字を取って「BYC」と総称することがある。隣接する3地域を韓国の有名な下着メーカーにちなんでまとめた語呂合わせだが、韓国を代表する「奥地」のまとめとして揶揄を含むことが多い。韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、その「奥地」度を認めたうえで、それでも「わざわざ目掛けて行くべき美味しい3地域」と勝手な再定義を提唱している<ref>八田靖史, 2022, 『ラジオ まいにちハングル講座 2022年9月号(韓国おいしい町めぐり)』, NHK出版, P96</ref>。 | ||