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:料理の発祥は諸説ある。ひとつは文禄・慶長の役で籠城中に食糧が乏しくなり、城内の牛を食用として利用する中で生まれたとされる。また、別の説では、妓房料理(妓生の接待とともに味わう宴会料理)を発祥と考える。論介のエピソードもあるように、古くから北は平壌(ピョンヤン、평양)、南は晋州の妓生がもっとも評判を取った。 | :料理の発祥は諸説ある。ひとつは文禄・慶長の役で籠城中に食糧が乏しくなり、城内の牛を食用として利用する中で生まれたとされる。また、別の説では、妓房料理(妓生の接待とともに味わう宴会料理)を発祥と考える。論介のエピソードもあるように、古くから北は平壌(ピョンヤン、평양)、南は晋州の妓生がもっとも評判を取った。 | ||
| − | :[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]] | + | :[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]]の具体的な史料は、19世紀末に書かれた料理書『是議全書(시의전서)』(原著者不詳)が初出とされる。チンジュピビムパプに限ると、1929年12月1日発行の『別乾坤(第24号)』に「慶尚道名物 晋州ピビムパプ」という短いコラムが掲載されている(下記参照)<ref name="bibongsanin">[https://db.history.go.kr/id/ma_015_0220_0330 別乾坤(第24号) / 珍品·名品·天下名食 八道名食物禮讚 / 嶺南珍味 晋州비빔밥 飛鳳山人 ] 、韓国史データベース、2026年7月16日閲覧</ref>。 |
:飲食店としては1927年創業の「天鳳食堂(천황식당)」が現在も営業中である。もともとは一般の家庭だったが、市場の入口にあって庭が広かったため、薪を売りにきた商人たちが一時保管の場所として立ち寄るようになった。その商人らに初代のカン・ムンスク(강문숙)が食事を提供したところ、評判を得て飲食店を開くようになったと伝わる。そこで名物となったのが、短時間でパッと食べられて栄養価の高いチンジュピビムパプであった<ref>(재)한식재단, 2012, 『한국인이 사랑하는 오래된 한식당』, 한국외식정보, P38-39</ref>。 | :飲食店としては1927年創業の「天鳳食堂(천황식당)」が現在も営業中である。もともとは一般の家庭だったが、市場の入口にあって庭が広かったため、薪を売りにきた商人たちが一時保管の場所として立ち寄るようになった。その商人らに初代のカン・ムンスク(강문숙)が食事を提供したところ、評判を得て飲食店を開くようになったと伝わる。そこで名物となったのが、短時間でパッと食べられて栄養価の高いチンジュピビムパプであった<ref>(재)한식재단, 2012, 『한국인이 사랑하는 오래된 한식당』, 한국외식정보, P38-39</ref>。 | ||
;『別乾坤』(1929年)の記述 | ;『別乾坤』(1929年)の記述 | ||
| − | : | + | :1929年12月1日発行の『別乾坤(第24号)』に全国の名物料理を紹介する「珍品・名品・天下名食八道名食礼賛」という企画があり、晋州市の出身と見られる飛鳳山人なる人物が「慶尚道名物 晋州ピビムパプ」という短いコラムを書いている。飛鳳山(ピボンサン、비봉산)は晋州市の市街地近くにある低山である。文中では以下のように作り方を紹介したうえで、万人受けするのはもちろん、胃袋へのどっしりとした満足感も格別」と述べている。当時の価格は10銭であった。 |
:「まず、真っ白いごはんの上に、色合いの調和を考えながら、いろいろな具材をぐるりと配していきます。青々とした野菜の横に[[コサリナムル(ワラビのナムル/고사리나물)|ワラビのナムル]]、その隣には淡い黄色をした[[スクチュナムルムチム(緑豆モヤシのナムル/숙주나물무침)|緑豆モヤシのナムル]]といった具合。次に、肉を細かく叩いて煮込んだ醬油味のスープを少量、食べるときに混ぜやすくなる程度にほどよく注ぎます。その上にガラス片のようなチョンポムク(緑豆寒天、[[청포묵]])と、ファンポムク〈クチナシで色付けした黄色い緑豆寒天〉を三、四個のせて、細かく刻んだ[[ユッケ(牛刺身/육회)|ユッケ]]〈牛刺身〉を添え、後を引く味わいのコチュジャンを少量添えればできあがり」<ref name="bibongsanin"></ref><ref>イ・サン編, 八田靖史訳, 2025, 『書かずにいられない味がある: 100年前の韓食文学』, CUON, P202-203</ref>(丸カッコ内は訳注) | :「まず、真っ白いごはんの上に、色合いの調和を考えながら、いろいろな具材をぐるりと配していきます。青々とした野菜の横に[[コサリナムル(ワラビのナムル/고사리나물)|ワラビのナムル]]、その隣には淡い黄色をした[[スクチュナムルムチム(緑豆モヤシのナムル/숙주나물무침)|緑豆モヤシのナムル]]といった具合。次に、肉を細かく叩いて煮込んだ醬油味のスープを少量、食べるときに混ぜやすくなる程度にほどよく注ぎます。その上にガラス片のようなチョンポムク(緑豆寒天、[[청포묵]])と、ファンポムク〈クチナシで色付けした黄色い緑豆寒天〉を三、四個のせて、細かく刻んだ[[ユッケ(牛刺身/육회)|ユッケ]]〈牛刺身〉を添え、後を引く味わいのコチュジャンを少量添えればできあがり」<ref name="bibongsanin"></ref><ref>イ・サン編, 八田靖史訳, 2025, 『書かずにいられない味がある: 100年前の韓食文学』, CUON, P202-203</ref>(丸カッコ内は訳注) | ||