32,549
回編集
(→概要) |
|||
| 5行目: | 5行目: | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
チョンボッ([[전복]])は漢字で「全鰒」と書きアワビのこと。チュク([[죽]])は粥の意。薄切りにしたアワビを肝ごとゴマ油で炒め、米を足してさらに炒めた後、水を加えて煮詰めて作る。味付けは塩、または醤油で薄く仕上げる。最後に卵黄を乗せて混ぜて食べる場合もある。粥専門店や、海鮮料理の専門店、または日式料理店などのメニューに並ぶ。アワビは[[済州道の料理|済州道]]の特産品であることから、[[済州道の料理|済州道]]料理の店でも扱うほか、現地の郷土料理店でも定番のメニューである。アワビは粥にして食べるほか、刺身([[전복회]])、焼き物([[전복구이]])、蒸し物([[전복찜]])などでも味わう。また貝を利用した粥としては、[[パジラッチュク(アサリ粥/바지락죽)]]、ペカプチュク(ハマグリ粥、[[백합죽]])などがある。 | チョンボッ([[전복]])は漢字で「全鰒」と書きアワビのこと。チュク([[죽]])は粥の意。薄切りにしたアワビを肝ごとゴマ油で炒め、米を足してさらに炒めた後、水を加えて煮詰めて作る。味付けは塩、または醤油で薄く仕上げる。最後に卵黄を乗せて混ぜて食べる場合もある。粥専門店や、海鮮料理の専門店、または日式料理店などのメニューに並ぶ。アワビは[[済州道の料理|済州道]]の特産品であることから、[[済州道の料理|済州道]]料理の店でも扱うほか、現地の郷土料理店でも定番のメニューである。アワビは粥にして食べるほか、刺身([[전복회]])、焼き物([[전복구이]])、蒸し物([[전복찜]])などでも味わう。また貝を利用した粥としては、[[パジラッチュク(アサリ粥/바지락죽)]]、ペカプチュク(ハマグリ粥、[[백합죽]])などがある。 | ||
| − | |||
| − | |||
| − | |||
| − | |||
*アワビの産地 | *アワビの産地 | ||
| 14行目: | 10行目: | ||
== 地域 == | == 地域 == | ||
| − | *[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[浦項市の料理|浦項市]] | + | [[ファイル:23093003.JPG|300px|thumb|浦項市産の天然アワビを用いたチョンボッチュク]] |
| − | *[[済州道の料理|済州道]] | + | *慶尚北道浦項市 |
| + | :[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[浦項市の料理|浦項市]]の南区九龍浦邑(ナムグ クリョンポウプ、남구 구룡포읍)には、チョンボッチュクの専門店が集まる地域がある。九龍浦邑の近海では海女([[해녀]])による天然アワビ漁が行われている。 | ||
| + | |||
| + | *全羅南道莞島郡 | ||
| + | :[[全羅南道の料理|全羅南道]][[莞島郡の料理|莞島郡]]は、養殖アワビの主産地であり、地域にはアワビ料理を提供する飲食店が多い。チョンボッチュクのみならず、チョンボクフェ(アワビの刺身、[[전복회]])、チョンボックイ(アワビ焼き、[[전복구이]])、チョンボッチャン(アワビの醤油煮、[[전복장]])などのアワビ料理をコース形式で提供する店もある。 | ||
| + | |||
| + | *済州道 | ||
| + | :[[済州道の料理|済州道]]は古くからアワビの名産地であり、現在は天然物の減少により生産量を減らしているが、郷土料理としてたくさんのアワビ料理が根付く。チョンボッチュクのほか、チョンボクフェ(アワビの刺身、[[전복회]])、チョンボクトゥッペギ(アワビ入りの海鮮味噌鍋、[[전복뚝배기]])、チョンボクトルソッパプ(アワビ釜飯、[[전복돌솥밥]])など多岐に渡る。飲食店では[[ヘムルタン(海鮮鍋/해물탕)]]、[[ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)]]、[[サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)]]、[[サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉/삼겹살)]]といった料理にアワビをトッピングすることも多い。アワビの肝は済州道の方言でケウ([[게우]])と呼ばれ、これを塩辛にしたケウジョッ([[게우젓]])も郷土料理として有名である。近年はアワビの肝をごはんに混ぜ、[[キムパプ(海苔巻き/김밥)]]や、[[チュモッパプ(おにぎり/주먹밥)]]に利用する例もある。 | ||
== 脚注 == | == 脚注 == | ||