「栄州市の料理」の版間の差分

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== 代表的な料理 ==
 
== 代表的な料理 ==
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=== カルビサル(牛カルビ焼き/갈비살) ===
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:小白山で飼育された牛肉は、栄州韓牛(ヨンジュハヌ、영주한우)と呼ばれ地元の名産品となっている。市の中心部である栄州洞には焼肉店が集まっており、そこでは他の部位よりも圧倒的にカルビサルが人気を集める。カルビサルとは牛カルビを焼いたものだが、骨から外した肉を食べやすい大きさに切って焼くスタイルを指す。
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=== テピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋/태평초) ===
 
=== テピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋/태평초) ===
 
[[ファイル:14112002.JPG|thumb|300px|テピョンチョ]]
 
[[ファイル:14112002.JPG|thumb|300px|テピョンチョ]]
 
:テピョンチョはそば粉のでんぷんを固めて作るメミルムク([[매밀묵]])を入れたキムチ鍋。ほかに豚肉や刻んだ白菜キムチなどが具として入り、海苔や錦糸卵を飾りとして散らす。栄州市順興面では古くからそばの栽培が盛んで、とれたそば粉をメミルムクにして、[[ムッパプ(そば寒天の冷製スープ、묵밥)]]や、テピョンチョを作って食べたという。栄州市下望洞に位置する「伝統ムッチプ食堂(전통묵집식당)」の朴勝昌社長によれば、このテピョンチョという料理は「宮中料理のタンピョンチェに由来し、それを庶民的に解釈したもの」だという。また70代の朴社長にとって「テピョンチョは子どもの頃のご馳走料理であり、家に来客があった際に母や祖母が作ってくれた」と語る(八田靖史の取材記録より、2014年5月4日)。市内にテピョンチョを出す飲食店は「伝統ムッチプ食堂」のほか、「元祖順興ムッチプ(원조순흥묵집)」「順興伝統ムッチプ(순흥전통묵집)」などがある。
 
:テピョンチョはそば粉のでんぷんを固めて作るメミルムク([[매밀묵]])を入れたキムチ鍋。ほかに豚肉や刻んだ白菜キムチなどが具として入り、海苔や錦糸卵を飾りとして散らす。栄州市順興面では古くからそばの栽培が盛んで、とれたそば粉をメミルムクにして、[[ムッパプ(そば寒天の冷製スープ、묵밥)]]や、テピョンチョを作って食べたという。栄州市下望洞に位置する「伝統ムッチプ食堂(전통묵집식당)」の朴勝昌社長によれば、このテピョンチョという料理は「宮中料理のタンピョンチェに由来し、それを庶民的に解釈したもの」だという。また70代の朴社長にとって「テピョンチョは子どもの頃のご馳走料理であり、家に来客があった際に母や祖母が作ってくれた」と語る(八田靖史の取材記録より、2014年5月4日)。市内にテピョンチョを出す飲食店は「伝統ムッチプ食堂」のほか、「元祖順興ムッチプ(원조순흥묵집)」「順興伝統ムッチプ(순흥전통묵집)」などがある。
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=== ムノスッケ(茹でタコ/문어숙회) ===
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1955年に嶺東線が開通し、栄州から江原道の東海岸地域への物流が盛んになった。さまざまな魚介類が鮮度を保ったまま内陸部の栄州まで運ばれることになり、その代表的なひとつが東海(동해)などでとれる[[왜문어]](マダコ)であった(マダコは[[참문어]]、[[피문어]]などとも呼ばれる)<ref>[http://www.yeongju.go.kr/open_content/tour/page.do?mnu_uid=2068& 영주문어] 、栄州市文化観光、2016年12月13日閲覧</ref>。栄州ではこの頃から祭祀膳に捧げる定番として[[참문어]]が使われるようになり、これを食べやすくスライスしたものが[[ムノスッケ(茹でタコ/문어숙회)]]である。なお、ムノ([[문어]])は本来ミズダコを指すが、マダコの意味で使われることも多い。スッケ([[숙회]])とは主に茹でることで熱を通した刺身のことを総称する。また、栄州の名産になったことから、地域名を冠して「栄州ムノ(영주문어)」と呼ぶこともある。
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=== タッパル(鶏足焼き/닭발) ===
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:タッパルは鶏の足を焼いたもの。栄州市ではピョオムヌンタッパル(骨なしの鶏足焼き、뼈없는 닭발)を主流とし、ピリ辛のタレで味付けをしたものを炭火で網焼きにする。市内にはタッパルの専門店が各地に点在するが、その背景には養鶏業が盛んであることがあげられる。2014年現在、栄州市によれば260万羽の鶏が飼育されており、特産品のひとつである鶏卵の生産量は全国2位を誇る(八田靖史の取材記録より、2014年11月25日)。
  
 
=== センガンドノッ(ショウガドーナツ/생강도넛) ===
 
=== センガンドノッ(ショウガドーナツ/생강도넛) ===
 
:センガンドノッはもち米で作った揚げ菓子にショウガやピーナッツをまぶしたもの。栄州市豊基邑山法里に本店を置く「情ドーナツ(정도너츠)」の看板商品で、原材料のもち米やショウガは栄州産のものを使用している。同店はもともと1982年に「チョンア粉食(정아분식)」として創業し、一般的な食堂として営業をしていたが、メニューのひとつであったセンガンドノッが評判を集め、2008年に現在の「情ドーナツ」へと店名を変更した<ref>[http://www.jungdonuts.com/intro/comp_history.html 회사연역] 、情ドーナツウェブサイト、2014年11月20日閲覧</ref>。現在はフランチャイズ化し、ソウルや、釜山などにも店舗を構える。なお、ドーナツの正式な韓国語表記は「도넛」であるが、「情ドーナツ」では「도너츠」を採用している。店舗におけるメニュー名も、正しくは「センガンドノチュ(생강도너츠)」である。
 
:センガンドノッはもち米で作った揚げ菓子にショウガやピーナッツをまぶしたもの。栄州市豊基邑山法里に本店を置く「情ドーナツ(정도너츠)」の看板商品で、原材料のもち米やショウガは栄州産のものを使用している。同店はもともと1982年に「チョンア粉食(정아분식)」として創業し、一般的な食堂として営業をしていたが、メニューのひとつであったセンガンドノッが評判を集め、2008年に現在の「情ドーナツ」へと店名を変更した<ref>[http://www.jungdonuts.com/intro/comp_history.html 회사연역] 、情ドーナツウェブサイト、2014年11月20日閲覧</ref>。現在はフランチャイズ化し、ソウルや、釜山などにも店舗を構える。なお、ドーナツの正式な韓国語表記は「도넛」であるが、「情ドーナツ」では「도너츠」を採用している。店舗におけるメニュー名も、正しくは「センガンドノチュ(생강도너츠)」である。
 
=== カルビサル(牛カルビ焼き/갈비살) ===
 
:小白山で飼育された牛肉は、栄州韓牛(ヨンジュハヌ、영주한우)と呼ばれ地元の名産品となっている。市の中心部である栄州洞には焼肉店が集まっており、そこでは他の部位よりも圧倒的にカルビサルが人気を集める。カルビサルとは牛カルビを焼いたものだが、骨から外した肉を食べやすい大きさに切って焼くスタイルを指す。
 
  
 
=== コグマパン(サツマイモ饅頭/고구마빵) ===
 
=== コグマパン(サツマイモ饅頭/고구마빵) ===
 
:コグマパンはサツマイモあんを中に詰めた焼き菓子。栄州市鳳峴面大村里に本店を置く「ミソモグムゴ(미소머금고)」が2006年に開発し、栄州の新たな名物として広まった。栄州産のサツマイモを使ったパイや、ガレットなどの商品も販売している。また、2010年に創業した「コグマム(고구맘)」はサツマイモのパイを中心としつつ、コグマパンも扱っている。
 
:コグマパンはサツマイモあんを中に詰めた焼き菓子。栄州市鳳峴面大村里に本店を置く「ミソモグムゴ(미소머금고)」が2006年に開発し、栄州の新たな名物として広まった。栄州産のサツマイモを使ったパイや、ガレットなどの商品も販売している。また、2010年に創業した「コグマム(고구맘)」はサツマイモのパイを中心としつつ、コグマパンも扱っている。
 
=== タッパル(鶏足焼き/닭발) ===
 
:タッパルは鶏の足を焼いたもの。栄州市ではピョオムヌンタッパル(骨なしの鶏足焼き、뼈없는 닭발)を主流とし、ピリ辛のタレで味付けをしたものを炭火で網焼きにする。市内にはタッパルの専門店が各地に点在するが、その背景には養鶏業が盛んであることがあげられる。2014年現在、栄州市によれば260万羽の鶏が飼育されており、特産品のひとつである鶏卵の生産量は全国2位を誇る(八田靖史の取材記録より、2014年11月25日)。
 
  
 
== 代表的な特産品 ==
 
== 代表的な特産品 ==
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