報恩郡の料理

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報恩郡(ポウングン、단양군)は忠清北道に位置する地域。本ページでは報恩郡の料理、特産品について解説する。

法住寺

地域概要

報恩郡は忠清北道の南部に位置し、北部は忠清北道槐山郡、東部は慶尚北道尚州市、南部は忠清北道沃川郡、西部は広域市の大田市忠清北道清州市と接する。人口は3万3876人(2018年6月)[1]。郡の東部は小白山脈(ソベクサンメク、소백산맥)が南北に伸びており、俗離山国立公園(ソンニサンクンニプコンウォン、속리산국립공원)の一角を成す。小白山脈が伸びる一帯は三国時代に新羅と百済の境界となった地域でもあり、新羅が470年に築城した三年山城(サムニョンサンソン、삼년상성)跡や、同じく新羅によって553年に創建された法住寺(ポプチュサ、법주사)などが残る。これらは報恩郡の主要な観光地でもあり、また法住寺は2018年7月に「山寺、韓国の山地僧院」としてユネスコの世界文化遺産に登録された。ソウルから報恩郡までは、東ソウル総合ターミナル、ソウル南部ターミナルから報恩市外バス共用停留所まで高速バスで約3時間の距離。

食文化の背景

韓国を代表するナツメの名産地であり、ナツメを使った料理が豊富である。俗離山一帯では山菜やキノコがとれるため、法住寺の参道に並ぶ飲食店では山菜定食や、高級食材であるコウタケを利用した料理を名物としている。

代表的な料理

 
テチュヨンヤンバプ。ごはんは山菜のナムルと混ぜて味わう

テチュヨンヤンバプ(ナツメ釜飯/)

テチュヨンヤンバプ(대추영양밥)は、ナツメ釜飯。テチュ(대추)はナツメ、ヨンヤンバプ(영양밥)は雑穀や豆の炊き込みごはんを意味する。店によっては、味付け用のコチュジャンにもナツメを混ぜたり、ごはんのおこげにナツメ湯を注ぎ、スンニュン(おこげ湯、숭늉)としても味わう。

ヤクチョサンチェジョンシク(薬草山菜定食/약초산채정식)

ヤクチョサンチェジョンシク(약초산채정식)は、薬草山菜定食。ヤクチョ(약초)は漢字で「薬草」と書いて韓方材のこと、サンチェ(산채)は山菜、ジョンシク(=チョンシク、정식)は定食を意味する。俗離山一帯は山菜が豊富にとれるため、ナムル(ナムル、나물)や、チャンアチ(漬物、장아찌)などを作り定食に仕立てる。

代表的な特産品

 
報恩ナツメ

報恩郡の特産品である報恩ナツメ(보은대추)は、山林庁が地域の名産品を認証する地理的表示林産物の第27号として登録されている[2]。乾燥ナツメ、ナツメチップ、ナツメジュースなど加工品の生産が盛んであるほか、近年は秋の収穫時期にのみ味わえる生ナツメの人気も高い。毎年10月中旬には報恩ナツメ祭り(보은대추축제)が開催される。2016年の生産量は1410トン(全国の13.1%)であり、慶尚北道慶山市軍威郡清道郡に次いで4位である[3]

  • ヌンイボソッ(コウタケ/능이버섯)
  • テチュ(ナツメ/대추)

代表的な酒類・飲料

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • ペヨンスク山野草パプサン(배영숙산야초밥상)
住所:忠清北道報恩郡俗離山面法住寺路251(舍乃里280-1)
住所:충청북도 보은군 속리산면 법주사로 251(사내리 280-1)
電話:043-543-1136
料理:テチュトルソッパプ(ナツメ釜飯)

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2018年5月に初めて報恩郡を訪れた。名産であるナツメ農園に立ち寄ったところ、これまでに食べたことのない大粒なナツメに出合い、その大きさのみならず、甘味の豊かさにたいへん驚いた。

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2018年7月10日閲覧
  2. 지리적표시 등록 현황/보은대추 、韓国地理的表示特産品連合会ウェブサイト、2024年2月21日閲覧
  3. 2017년 12월호 임업관측(대추) 결과 、韓国農村経済研究院(PDF)、2018年11月30日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目