シレギクッ(菜っ葉のスープ/시래기국)

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シレギクッ시래기국)は、菜っ葉のスープ。

慶尚南道統営市のシラックッ

概要

 
シレギ作りの様子

シレギ(시래기)は干した大根の葉。クッ()はスープ料理。水で戻したシレギを、煮干し、コンブなどのダシで煮込み、テンジャン(味噌、된장)で味付けをして作る。青唐辛子を刻んで加えることもある。家庭料理として作られるほか、食堂、定食店のメニューにも並ぶ。専門店もある。類似の料理に、白菜の外葉を味噌仕立てのスープにしたウゴジタン(菜っ葉のスープ/우거지탕)がある。

  • キムジャンとシレギ
韓国では11月下旬から12月にかけて大量にキムチを漬ける習慣があり、これをキムジャン(김장)と呼ぶ。キムジャンではペチュキムチ(白菜キムチ/배추김치)のほか、カクトゥギ(大根の角切りキムチ/깍두기)などの大根キムチも作るが、このときに余った大根の葉を乾燥させてシレギとする。キムジャンの季節になると、各地でシレギ作りの様子を多く見かける。
  • 干せばシレギ
シレギ作りは余った葉の有効活用であり、食材を捨てず大切にする意味合いがある。これを俗に「버리면 쓰레기, 말리면 시래기(捨てればゴミ、干せばシレギ)」と表現し、語感のよく似た「쓰레기(スレギ、ゴミ)」とシレギをかけている。

地域

  • 江原道楊口郡のパンチボウルシレギ
 
パンチボウルシレギ
江原道楊口郡のパンチボウル(펀치볼)村はシレギの名産地として知られ、この地域で生産されるシレギは、パンチボウルシレギ(펀치볼시래기の)としてブランド化している。もともとシレギとは大根の葉を保存食として利用するもので、多くはキムジャン(冬場に越冬用のキムチを漬ける作業、김장)でカクトゥギ(大根の角切りキムチ/깍두기)を作る際、大量に余ったものを利用して作った。パンチボウルシレギは副産物であったシレギを、シレギとして美味しく味わえるよう、身の部分が育つ前に柔らかな状態で収穫するのが特徴である。パンチボウル村には、シレギ料理の専門店もある。
  • 慶尚南道統営市のシラックッ
慶尚南道ではシレギクッを、シラックッ(시락국)という方言で呼ぶ。慶尚南道統営市にある西湖市場(ソホシジャン、서호시장)の名物として有名である。

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目