神保町「KACCI(カッチ)」 ~熟成肉と発酵料理にこだわる韓国創作バルがオープン

15011301

 年明けにめでたいことがありまして、なにやら忙しい年明けを過ごしています。これまでも仕事で忙しいことは多々ありましたが、今回は主として家庭内の雑務に追われる日々。当面、夜のお付き合いも控えつつと言い訳しながらも、やれ韓国からお客さんだと池袋で日本酒を飲んだり、やれ義理のあるパーティだと神保町でワインを飲んだり。外部への言い訳が、内部への弁解に化ける暮らしをしています。

 いや、ホントに大半のお誘いはお断りしているんですけどね。

 当面は自宅でおとなしくしている日々ですが、せっかくオープン直後の店にお邪魔しましたので、その報告ぐらいはきちんとしたいと思います。

 本来であればメインのパーティを語るべきなのでしょうが、2次会で酔っ払って迂闊にも主役を褒めすぎるほど褒めたような気がするので、ここはザクッと割愛し、お店の話題に集中してみようと思います。

 会場となったのは、昨年11月末にオープンしたばかりの神保町「KACCI(カッチ)」。

 看板を見るまで気付かなかったのですが、「KACCI」は韓国語の「까치(カササギ)」なんですね。トレンドの熟成肉というキーワードに、韓国料理の発酵を加え、創作要素を多分に盛り込んだバル風の店、といった感じでざっくりとした説明になるかと思います。

 冒頭の写真は……。

・キムチ盛り合わせ
・ナムル盛り合わせ

 という至ってオーソドックスな前菜ですが、そこでキラリと光ったのが手前の皿左の熟成豆腐。豆腐にキムチのヤンニョム(薬味ダレ、양념)を絡めただけかと思いきや、食感がねっとりと滑らかでチーズを思わせる熟成具合でした。

 手前の皿右にある切り干し大根のキムチ(무말랭이김치)もよかったですが、座の口開けはほぼすべてこの熟成豆腐が持っていった印象。すかさずビールからワインに切り替える人も多かったです。

15011302

 続いての2品目が……。

・生ハムのサラダチャプチェ

 といったあたりで、僕らも店の方向性を飲み込みます。

 日本だとチャプチェ(春雨炒め、잡채)を冷たくして食べることは少ないですが、もともとは祭祀料理などとして作り置きをするもの。ただ、それはあくまで冷めたという状態であり、生ハムや生野菜を加えることで、あえて「冷やした」サラダに仕立てるのは面白いですね。

15011303

 サラダ系の料理がもうひとつ続いて……。

・海老チヂミのサラダ仕立て

 タコスでも頼んだかなという見た目ですが、いちばん下に敷かれているのはやっぱりチヂミ。具をくるむようにしてかぶりつくと、パプリカ、トマト、エビという面々から瑞々しさがこぼれてきます。

 タコス風の韓国料理といえばアメリカ生まれの「コギBBQ」というのもありますが、生地がチヂミなので食べた印象はもっと韓国寄り。この系統のチヂミ、もっとバリエーションがあっても面白い気がしますね。ピザ方面に寄せても面白いでしょうし、サンドイッチ的にも広がりそう。食べて想像力が膨らむ一品でした。

15011304

 同じく木のプレートで出てきたのは……。

・熟成スペアリブ

 これが看板メニューのひとつということになるのでしょう。骨つきで出てくるのですが、ガブッといくだけでするんと抜けるほどにとろっとろ。脂の乗りもいいので、よりいっそうとろとろ加減が強調されていました。メニューを見たところ、プレーン、ガーリック、ホットの3種から選べるようです。

15011305

 シメのひと品には……。

・熟成キムチチゲ

 熟成を名乗るだけあってさすがの酸味とコクが出ていたうえ、大きめの豚バラ肉がごろごろとボリュームも充分。見た目からも単なるキムチチゲ(キムチ鍋、김치찌게)というより、じっくり煮込んだシチューを食べたような感覚がありました。

15011306

 デザートには……。

・唐辛子のブリュレ

 甘いのに後味でピリピリきます。韓国料理におけるデザートの重要性は何度となく書いてきましたが、このように少しでも韓国を感じられるデザートがあると心から嬉しくなります。

15011307

 パーティの席には多くの韓国料理研究家さんが集まっていたため、ソンピョン(松葉餅、송편)で作ったお餅のケーキも登場。中には白ゴマと蜂蜜、そしてオレンジピールならぬ、いよかんピールのあんが入っており、爽やかな香りを振りまいていました。

 作ったのはバリスタ兼韓国料理研究家という変わった肩書きをお持ちの方で、コーヒーと韓国餅のマリアージュを日夜研究なさっているとか。

15011308

 そして、こちらは主役の方の作。薄く仕立てたお餅であんこを包んでいました。

 こうして一連の料理でビールやワインをしこたま飲み、早めに失礼するつもりが、ふと気付けば先頭切っての2次会会場探し。結局、終電間際まで酔いを進め、ますます翌朝の弁解を頑張ることとなりました。

 飲食店記事は自分でも書いていて楽しいのですが、当面は自粛モードでコツコツ原稿仕事を頑張る予定。そうそう、こんな記事もアップされていますので、よかったらお手すきでご覧ください。

店名:KACCI(カッチ)
住所:東京都千代田区神田神保町1-2-9ウェルスビル1~2階
電話:03-5244-5827

 

→韓食生活のトップページに戻る

→最新記事の一覧を見る



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

 

 
 
previous next