池袋「西武池袋本店7階催事場」韓流美・味展(最終日)。

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あー、終わっちゃいましたねぇ……。

どれだけお客さんが入っているものなのか、
半信半疑のままエスカレーターを上がっていった初日。
昼前ぐらいの時間で、すでに大混雑となっており、
鳥肌が立つような思いがしたのを覚えています。

西武でも、イタリア展などは過去に行われましたが、
これほど大規模な韓国物産展は初の試みだったとか。
韓流人気、韓国人気が叫ばれて久しいですが、
百貨店の催事で韓国というのはまだ異例なんですね。

他の催事との比較ができないのでわかりませんが、
6日間通った感覚では、充分すぎるのほどの大盛況。

今後も5月に「そごう横浜店」、8月に「そごう神戸店」と、
順次開催されるようなので、さらなる活況も期待されているのでしょう……。
ってか、いま「韓流美・味展」の公式ページを見たら、
9月に「そごう千葉店」というのが加わっているじゃないですか!

これは本当に全国ぐるぐる回っていく可能性もありますね。
ぜひ北海道物産展のような人気企画に成長して欲しいものです。

さて、冒頭の写真は念願だった「ナルゲ」の宮廷御膳。

午前中に打ち合わせがあり、1時半過ぎの到着だったので、
多分ダメだろうなと思いつつ行ってみると、案の定品切れ。
ところが、仕込みをしたうえで30分後に再開との話を聞き、
しっかりタイミングを計って、もう1度足を運びました。

いやぁ、それにしても手間のかかったセットですね。
出てきた料理をずらり紹介すると……。

・十二穀ごはん
・牛肉とキノコのスープ
・トッカルビ(叩いた牛カルビ)
・ミニクジョルパン(宮中式クレープ包み)
・オソン(白身魚の蒸し物)
・ジョン3種盛り(キノコ、韓国カボチャ、キムチジョン)
・チャプチェ(春雨炒め)
・ムルギムチ(水キムチ)
・ミナリガンフェ(茹でイカのセリ巻き)
・トトリムク(ドングリのムクのサラダ)
・キムチ2種(白菜、キュウリ)

といった感じ。

話が少し脱線しますが、ドングリの「ムク」とは、
澱粉をゼリーや寒天のように煮固めた食品のこと。
いつも一言で訳す言葉がなくて苦労する単語です。

ドングリ豆腐、ドングリゼリー、ドングリ寒天、
ドングリこんにゃく、といった訳語を見ますがどれも微妙。
個人的にいちばん印象が近いと思うのは寒天なのですが、
海草由来でないものを寒天と称してよいものか。

かといって、豆腐と書くと食感が違いすぎますし、
ゼリーと書くと、なんだかデザート風の響きが生まれます。
こんにゃくというのも、だいぶイメージが違いますしね。

「ドングリの澱粉を煮固めた食品のサラダ」

というのはどうにも堅苦しくていけません。
よい解決案のある方は、ぜひご助言ください。

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脱線した話を、無理やり戻しまして……。

というか写真そのものも順序がずれているんですよね。
トップに見栄えのよい写真を置きたかったので、
入れ替えましたが、このカボチャ粥が最初に出てきました。

その後、冒頭の写真の料理が出てきて……。

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食後に柚子茶。

ここまでのセットを催事場のイートイン店舗で出すというのは、
おそらくたいへんな苦労だったことと思います。
しかもこれだけでなく、ほかの料理も作りながらですもんね。

当初は30食限定だったのが、早い段階で売り切れるので、
作業をしながら、仕込みもして、整い次第で再開していたようです。
それでも数に限度があるので、すぐにまた品切れになって。
タイミングを見計らう余裕があった僕はよかったですが、
食べたくても食べられなかった人はずいぶん多いことでしょう。

もったいないのは、これが特別メニューということですね。
渋谷の「ナルゲ」に行っても、このセットはないはず。
この催事用に作られた、期間限定の料理だったと聞いています。

牛肉とキノコのスープは、あっさり味でキノコの味が効いてて、
ミナリガンフェもセリの香りがチョジャンとよく合う春らしい一品。
オソンなんていう、めったに見られない料理もありましたし、
トッカルビも肉を叩いた後、骨に巻きつけて焼く丁寧な仕事でした。

期間中、金徳子先生には何度も親しく声をかけて頂いたので、
ぜひまた渋谷のお店にも足を運びたいですね。

いろいろなお店の方と、毎日会って挨拶ができるというのも、
僕にとっては、本当に貴重な機会だったと思います。

さて、最後に一応、感想などまとめてみます。
まずいえるのは、

「楽しかった!」

ということでしょう。

いくら準備段階で裏方として少々関わったとはいえ、
セミナーの出番以外は、別に毎日行かなくてもよい立場。
それでも足を運んだのは、やっぱり楽しかったからですね。
そして会場の盛り上がりを肌で感じられるのが嬉しかった。

冒頭でも書きましたが、西武での韓国物産展はこれが初。

韓流以降、少しずつ日本で定着してきた韓国文化を、
これだけ多くの人と共有できた、というのは感慨深いことです。
そしてまた、これだけの物産展が実現するぐらいの、
韓国コンテンツが日本に存在しているという事実もですね。

会場に足を運んだ人たちの中から、

「なんだかいろいろある!」

という声が漏れ聞こえてきました。

これまで韓国物産展といえばキムチがあって、韓国海苔があって、
韓国ラーメンがあって、マッコリと焼酎があってというのが定番。
今回はそんな従来型の物産展をはるかに超えた多様性がありました。

宮廷料理のイートインがあれば、韓国餅のカフェがあり、
ロールケーキなどのスイーツ類に、創作系のオリジナル料理もたくさん。
韓国の店ばかりが集まるということで、各社、各店舗が知恵を絞り、
差別化を図ったゆえの、多様性だったと思います。

もちろんそれがゆえに、

「それって韓国なのか!?」

という商品もずいぶんありました。
そもそも出展しているのが、ほぼ日本の企業と飲食店ですし、
韓国系企業であっても、日本に支社を持っているとか。
どうしても日本よりの解釈になっていくのは当然でしょう。

この部分については賛否両論あってよいと思いますが、
個人的には、だからこそ面白かったのかなとも。

先日、ある知り合いの韓国人が、

「新大久保は決して韓国そのものではない」
「日本人が好む韓国の姿が集まっているんだ」

と語っていてなるほどと思ったのですが、
今回の催事にも、そういう要素が詰まっていたように思います。
日本人に受ける、日本で流行している韓国の物産展。
その集合体だったからこそ、初の試みでも盛り上がった。

どの企業も飲食店も、韓国好きな日本人をターゲットとして、
日夜、商品開発を頑張っているがゆえの成果だと思います。

一方で本場らしいベタな韓国の要素もありましたしね。
旧来の韓国と、新しい解釈の韓国がしっかり融合し、
コアな韓国ファンを含む、多くの人に喜ばれたという印象です。

そして、そこからさらに印象的だったことが、
コアな韓国ファンというのが、ずいぶん多いんだなということ。
もちろん韓流人気を考えれば当たり前のことなのですが、
今回の物産展を見ていて、改めて強く感じました。

というのも今回、あちこちの店で主力商品が思ったより売れず、
脇役の商品や、知名度のない新商品が売れていったそうです。

主力商品というのは、すでに韓国ファンの手元に届いており、
物産展まで来て、あえて購入する必要がないということ。
キムチなんかも、定番である白菜キムチが意外に伸びず、
珍しい野菜を使った、変わりキムチから順に売れたようですしね。

百貨店の催事だけに、いろいろなお客さんが来るはずですが、
どうやら韓国に詳しい人たちが相当数だったのかもしれません。
韓国に詳しい人たちを満足させる、というのは難しいことですが、
今回の盛況は、そういう需要をしっかり拾えたということ。

店側だけでなく客側においても、

「なんだかレベルが高くてすごいな」

というのがもうひとつの感想です。
楽しくて、かつ韓国文化の定着度を感じた6日間。

あとは今後に向けての期待ですか。

激戦区の池袋でこれだけ賑わった催事ですから、
横浜、神戸、千葉でも、一定以上の話題は集めることでしょう。
今回やってみて、いろいろ修正する部分もあるでしょうし、
また、新たに参加する店も出てくるでしょうしね。

ぐるぐる巡っていくうちに、さらに洗練されたものになるはず。
韓国好きにとっては、大きな楽しみがひとつ増えたことになります。

僕もどうやら5月のセミナーにも呼んで頂けるようなので、
横浜での催事にも、また張り付いてしまうかもしれません。
さすがに今回ほど連日通えないとは思いますが、
出展店舗のラインナップと、料理によってはもしかして……。

ともかくも本当に楽しい6日間でした。
催事にかかわったすべての皆様、

「お疲れ様でした&楽しい時間をありがとうございました!」

次回、横浜でお会いできるのを心から楽しみにしております。

そして期間中のブログ記事を読んでくれた皆様にも大感謝。
明日より「韓食日記」も平常運転に戻る予定です。
この勢いを止めずに、更新を続けていきたいところですけどね。
遊びすぎて溜まった仕事が山のよう……。

気分を入れ替えて、また頑張っていきたいと思います。



6 Responses to 池袋「西武池袋本店7階催事場」韓流美・味展(最終日)。

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