全羅北道を巡るビビンバツアー後記(前編)。

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長い間、更新を途絶えさせてしまいました。
見に来て頂いている皆様には本当に申し訳ない限りです。
韓国出張やイベント、その他もろもろの用事が重なり、
目の前の仕事を片付けていくので精一杯でした。
ようやく少し落ち着いてきたので、更新を再開したいと思います。

もろもろ報告すべきことはあるのですが、
まずは10月12~15日までの韓国ツアー話を少し紹介。
詳細はまたメールマガジンなどを通じて書きますが、
触りの部分だけでも、報告させて頂きいと思います。

ツアーの概要についてはコチラの記事や、
主催元である三進トラベル募集ページをご参考ください。

全州ビビンバと韓食の魅力を探る旅」と題した3泊4日。
ツアーの企画およびナビゲーターとして参加しました。
ま、いちばん楽しんでいたのはたぶん僕なんですけどね。
アルクの『韓国語ジャーナル25号』に書いたビビンバ記事を軸に、
そのときの取材先や、近隣エリアの美食を訪ねるツアーとなりました。

冒頭の写真が、その全州ビビンバ。

これを食べに行くというのがメインの目的だったのですが、
それを初日の夜にいきなり達成してしまうという組み立て。
ソウルの仁川空港に到着するやマイクロバスに乗り換えて、
いきなり全州に直行、最初の夕食がこれでした。

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夕食が終わったら自由時間。
有志を募って、当然のように2度目の夕食に出かけます。
写真は全州名物の地酒、母酒(モジュ)。

マッコルリ(どぶろく)をベースに漢方薬や砂糖を加え、
味に調整を加えた、全州ならではの1杯です。
2日酔いの朝に飲む、迎え酒用の酒としても有名だったり。
ちなみにこの日行った店ではそこに山芋を加えていました。
韓国語で山芋は「マ」。「マモジュ」という名前です。

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そのマモジュを飲みながら、全羅道名物のトッカルビ
本来であれば光州、潭陽あたりが本場なんですけどね。
牛カルビを骨から外して包丁で叩き、下味をつけてから焼く料理。
焼肉風味のコリアンハンバーグといった感じの料理です。

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全州ビビンバ、トッカルビを経て、さらに3軒目。
僕にとっても念願であった全州のマッコルリタウンに突撃です。
全州という町は、韓国でも珍しいぐらいのマッコルリ一大消費都市。
しかもその提供方法というのが、また素晴らしいのです。

写真にある巨大ヤカンに1、5リットルのマッコルリが入り、
この値段がひとつ、1万ウォンから1万2000ウォン。
円高の影響でレートがよかったため、800~950円程度ですね。

このヤカンを注文すれば、後は料理を注文する必要はなし。
店のほうから自動的に料理を出してくれるというシステムです。

しかもその料理というのがけっこう豪華で量も多い。
焼き魚あり、煮物あり、刺身の和え物あり、スープあり。
カンジャンケジャン+ごはん、なんてのもありましたね。

ヤカンを追加すればするほど、料理のグレードも上がるシステム。
満腹になっても、次の料理はなんだろう、と妙に気になって、
次から次へとマッコルリを追加してしまうという仕掛けです。

ちなみにこのマッコルリタウン、全州に数ヶ所あり、
三天洞と西新洞あたりが、メッカとして賑わっています。
結局、我々は場所を変えつつ3日連続で通ってしまいました。

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しこたま飲んで2日酔い気味の翌朝はやっぱりこれ。
酒飲みの味方、コンナムルクッパプ(モヤシのスープごはん)です。
全州エリアのヘジャンクク(酔い覚ましのスープ)として知られ、
これを食べることで、だいぶ胃腸がすっきりとします。

昆布、煮干をベースにしたあっさり味のスープも魅力。
シャキシャキモヤシの下に沈んでいるごはんが、
そのスープを吸って柔らかくなっているのも嬉しいところです。

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朝食を食べたら、全州を脱出して全羅北道の美食巡り。
マイクロバスに乗って、まず訪れたのは任実郡のチーズ村。
1967年に韓国で初めて国内産のチーズが作られた村です。

チーズ作りが始まったのは、貧しい農村の振興策として、
この地を訪れたベルギー人宣教師が製法を伝えたため。
最初は黒ヤギ2頭で細々と始めたそうですが、
いまでは全国に供給されるブランドチーズのひとつです。

長い間、ここを訪れてみたかったんですよね。
驚いたのはその宣教師さん、まだご存命で村にいらっしゃるとか。
病床に臥しているので話を聞くのは難しいそうですが、
村の方々の話を聞くと、大変に尊敬されているのがわかります。

写真でスライスしているのは、ゴーダチーズ。
ほかにもモッツァレラチーズ、おつまみ用の裂けるチーズ、
ねっとりと濃厚なヨーグルトドリンクなどを作っているそうです。

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任実から移動して南原。ドジョウの名産地として知られます。
市内にはドジョウ料理の専門店ばかりがずらりと並ぶ一角があり、
その中には50年を超える歴史を持つ老舗も存在します。

写真は南原名物のチュオタン(ドジョウ汁)。
下煮をしたドジョウをミキサーですりつぶしてスープに加えます。
ドジョウのうまみに加え、大根の葉から出た甘味が秀逸。
さすがはドジョウ料理の本場という味わいでした。

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こちらはチュオタンと一緒に頼んだミクラジティギム。
丸ドジョウをエゴマの葉で包み、天ぷらに仕上げたものです。
このほかにもさまざまなドジョウ料理がメニューにありました。
いずれまた足を運び、ゆっくり味わってみたいものです。

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南原を出たら、今度は淳昌へ移動。
韓国でもっとも有名なコチュジャンの名産地です。

『韓国語ジャーナル』の取材でもここを訪れました。
丁寧に作り方を教えてくれた、お母さんの店を再訪。
大歓迎して頂き、ドンドンジュまで振舞って頂きました。

家で使うコチュジャンや、チャンアチなどを買い込みつつ、
コチュジャンの元になるメジュ(麹)を眺めてみたり。

取材時はテンジャンのメジュが吊り下げられていましたが、
いまの時期はコチュジャンのメジュを乾燥させる季節です。
テンジャンのメジュは立方体で、コチュジャンのメジュは円盤形。
季節の移ろいを、メジュで感じられる景色もいいですね。

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あくまでもオヤツと称して食べたウナギ焼き。
淳昌から移動し、高敞という場所で食べました。
「風川(プンチョン)チャンオ」の名前で呼ばれるここのウナギは、
韓国でも指折りとされる高級ブランド。

ただ、天然ものはやっぱり激減しているようですね。
本場であっても、天然ものは目が飛び出るほど高いとか。
かわりに養殖ウナギを干潟に放流して育てた、
天然風のウナギというのが、人気を集めているようでした。

……といったあたりでいったん切りますか。

つらつらと書いてみましたが、これでようやく半分ぐらい。
後編に続く、ということにしたいと思います。



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