東麻布「コサリ」で焼肉三昧&絶品デザート。

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東京 本気の韓国料理店』を製作する際、
いちばん苦しんだのが、取材した情報を「削る」作業でした。
取材時にはまだ、ある程度しか紙面構成ができていないため、
どうしても少し多めを目指して取材をすることになります。

ただ、それも店によってずいぶん変わってくるんですよね。
いい店ほど、店の売りやこだわりをたくさん抱えているため、
取材のボリュームはいつの間にか増えていきます。

「この店はいい話を聞けた!」

と思えるときほど、記事に起こす段階で苦心するハメに。
あの情報も、この情報も入れたい。でもスペースは限られている。
泣く泣く情報を削りに削って、原稿を作っていくわけです。

よくいえば大吟醸のように磨ききって作った原稿となりますが、
悪くいえば、マグロのトロだけ食べて残りを捨てるような暴挙。
赤身はどうした! 中落ちはどうした! という話になるわけです。

そんな贅沢な作り方をした今回の本。
その象徴ともいえるお店が、この日、足を運んだ「コサリ」でした。

正式名称は「Korean Dining KOSARI TOKYO」。
最後に「TOKYO」という文字が入っているのには訳があり、

1、いずれはパリ、ロンドン店まで発展するようにとの期待から
2、東京タワーのすぐ下にある店との意味から
3、そもそも本店が札幌にある

といった意味合いがあるそうです。
また「コサリ」というのも韓国語でワラビを表す言葉ですが、
もともとは家で飼っていたラブラドールの名前であったとか。

なんて深い話まで聞いてきましたが、残念ながらすべてカット。
そのカットされた部分の魅力をなんとかもう少し伝えたい。
という気持ちから、この日訪ねてきた次第です。

冒頭の写真からして、その後悔が伝わりませんか?
この料理、こんなにオシャレな顔をしてユッケだそうです。
細切りにせず、柔らかい肉を薄切りにして味をつけ、
卵黄は別の器に入れて、ごらんのようにとろーっとかける。
僕はこんなに色気のあるユッケを見たことがありません。

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こちらの店はもともと札幌にある有名な焼肉店。
すすきのにある本店は狭いながらも、VIP客が絶えないそうです。

そういえば、こちらの店も韓流スターが多く来ているみたいですね。
店のレジ裏の壁にサインが直接書かれているのですが、
来店情報をあまり聞かないビッグネームが並んでおりました。
そのへんの情報は『東京 本気の韓国料理店』の76ページにも。

自慢の特選和牛のリブロースから始まり、

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厚切りタン。

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ロースと続いていくわけです。
いい肉へのこだわりはメニューにも表れており、

「すべてがいい肉なので、あえて『上』という表記を使いません」

とのこと。
上カルビ、上ロース、上タン塩などという表記をよく見ますが、
ウチはすべてが上なので、あえてそれは書かないという主張。
取材時、料理長さんの力強い語り口が非常に印象的でした。

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一方で、正肉部位以外のホルモン部位も自慢だったり。
この写真では似たような色合いでわかりにくいですが、
その日仕入れた部位から、5種類を盛り合わせています。

コプチャン(小腸)、テッチャン(大腸)、ギアラ(第4胃)と、
あとひとつを失念しましたが、もうひとつが豚ホルモン。
なんでも札幌では豚ホルモンは焼肉店の定番なのだそうです。
札幌魂を込め、豚ホルモンはほぼレギュラーで入るようです。

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ミノ(第1胃)も柔らかくて美味しかったですね。

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珍しいところで、イベリコ豚なども用意されていました。
牛焼肉が中心ですが、いろいろ楽しめるのは嬉しい限り。

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ドリンクには名物のフローズンマッコルリも注文。
もったりとした見た目からわかるように半分凍った状態です。
キリッとした冷たさと、チリチリ音がなるような喉ごし。
焼肉でほてった身体を、一気に急冷する快感を味わえます。

飲みなれたマッコルリも、食感の違いでかなり新鮮。
最後まで一切ぬるくならないというメリットもあります。

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サイドオーダーに本日のジョン3種盛り。
この日はズッキーニ、白身魚、シイタケの3種。
シイタケにはひき肉が挟み込まれておりました。

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もうひとつ。海鮮チヂミも注文。
フルサイズとハーフサイズが選べ、こちらはハーフサイズ。

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最後は鍋料理を頼んでシメとしました。
ワタリガニ、豚と野菜、ホルモンという3つのレギュラー鍋から、
この日はワタリガニの鍋をチョイスしました。

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デザートには名物のソフトクリームを注文。
この店に来て、これを食べないのは愚かの極みです。
どんなに満腹になってもデザートの別腹は用意しておくこと。
濃厚なミルク味のソフトクリームはそれだけでも美味ですが、
高麗人参酒とハチミツをたらすのが「コサリ」流。

高麗人参の風味が加わることで一気に大人の味に。
そしてたらしたハチミツはソフトクリームの冷気で凍り、
パリパリとした食感でアクセントを加えるというわけです。

韓国料理店はとかくデザートが弱いことで知られますが、
最近はこうした部分に気が回る店も増えてきましたね。
日々、韓国料理を食べる身としては嬉しい限りです。

麻布と聞くとオシャレな町というイメージが強いですが、
東麻布のこの一帯は住宅街が広がるアットホームな雰囲気。
韓流スターが来る一方で、地元の人が気軽に立ち寄る一面も。

犬の散歩ついでにユッケジャンを食べに来る人や、
カウンター席でさっと食べていく女性ひとり客も多いとか。

「ソフトクリームだけでもOKです!」

と料理長さんなどは語っておられました。
その心意気が嬉しい。そんな東麻布のお店です。

ゆったり楽しんだ我々は、勢いに乗って「2次会!」に移動。
タクシーに乗って、到着したのは赤坂でした。

店名:Korean Dining KOSARI TOKYO
住所:東京都港区東麻布2-19-3ミレーヌ東麻布1階
電話:03-3582-1228
営業:11:45~14:30、18:00~翌1:00(月~金)、18:00~24:00(土、日、祝)
定休:不定休
http://www.kosari.jp

※この店は『東京 本気の韓国料理店』のP92にも紹介されています。



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