コリアうめーや!!第42号

コリアうめーや!!第42号

<ごあいさつ>
12月になりました。
今年もあと残るところ1ヶ月。
本当に1年というのはあっという間ですよね。
みなさんにとって2002年はどんな年だったでしょう。
八田氏にとって最も印象的だったのはやはり6月。
日韓共催W杯が開催されたことです。
両国が力を合わせて作り上げた世界の祭典。
今年を代表する出来事だったといえましょう。
さて、今号のコリアうめーやですが、
11月の訪韓で友人の結婚式に出席してきました。
韓国の結婚式をのぞいてみたことありますか?
日本とはまた全然違った雰囲気で執り行われます。
コリアうめーや!!第42号。
おめでとうの気持ちを込めてスタートです。

<突撃韓国の結婚式ごはん!!>

留学生として韓国に行ったばかりのころ。
韓国の友人が八田氏に言った。

「今度の日曜日時間ある?」
「うん。大丈夫だよ。」

「友達の結婚式があるんだけど一緒に行かない?」
「け、結婚式ぃ?」

瞬間的に漫画のようなアホ顔をさらしてしまった。
目を丸くして口をカクンと開いたあの表情だ。

今度の日曜日に結婚式に行かない?
そんな誘いを受けたのは初めてだった。

結婚式といったら結婚式である。
愛する男女が両親や親戚、友人、恩師などを招待して、
生涯ともに暮らすことを誓う荘厳なセレモニー。

ウェディングケーキに入刀したり、ゴンドラで降りて来たり、
両親に花束を渡したり、手紙を読んだりするあの結婚式だ。
招待を受けて参加する方も、きちんと正装をしてご祝儀を持って、
それなりの心構えで参加するものだろう。

当事者でもない人から「一緒に行かない?」などと誘われるものでは決してない。

実は韓国の結婚式。日本とはだいぶ感覚が違う。

招待状がどうとか、ご祝儀がどうとか、うるさく言うものではない。
祝ってくれる人ならみんなおいでという感じだったりもする。

式そのものも、フォーマルではあるのだが、少しほほえましく緩んでいる。

厳かな感じではありつつも、30分くらいであっけなく終了。
みんなで記念撮影して、式場のレストランで食事をしたら、
あとは挨拶もそこそこに三々五々家路に着く。

日本人の感覚からしたら……。

「今のは一体何だったのだ?」

と肩透かしとはたき込みを同時にをくらったような気分が残る。
余りのあっけなさに座布団を放り投げてしまうくらいだ。

先日韓国で友人の結婚式に出席してきた。

やはり式そのものはあっという間だった。
新郎新婦の入場。2人で誓いをたて、両家の両親に挨拶。
一応ケーキ入刀はあったものの、見せ場らしい見せ場はそのくらいだった。
あとは参席者一同で記念撮影を行い、食事をして帰る。

泣かせる場面もなし。感動にうち震える場面もなし。来賓挨拶もなし。
南こうせつと木根尚登が「妹よ」を熱唱するシーンなどなければ、
池野めだかがネクタイをとって一発芸をすかーんと外す瞬間もない。

韓国の結婚式って本当にあっけない。

式が始まって間もなく。
新郎新婦との共通の友人がやってきた。

「お、なんだ。もう始まってるのか。」
「あれ? どこ行ってたんですか?」
「うん。腹が減ったから先に飯食ってきた。」

八田氏としてはこの一連の会話にのけぞるほど驚いてほしい。

友人の結婚式を祝いに来たにも関わらず、式そっちのけでまず飯を食う。
しかもその理由は「腹が減ったから」である。

韓国の結婚式において「食う」は「祝う」と同じくらいの比重を占める。
結婚式とはまず出席することであり、次に食事をすることである。

だから式を差し置いて食事をする人がいたり、
式を行っている途中で食事に行ってしまったりする人が出てくる。
そして特に失礼にあたることでもない。

結婚式場における食事は、会場とは別に食堂が準備されているのが普通である。
たいていは建物の中に食堂があるが、隣に併設されている場合もある。
バイキング形式で好きなものを取って食べるのが一般的で、
特に決められた席が振り当てられている訳でもない。

並んでいるのはキムパプ、プルコギなどの韓国料理。
サラダ、マリネなどの洋食、寿司などの日本食もある。

めいめいが自分の皿に料理を盛り、思い思いの席について食事をする。
記念撮影を終えた新郎新婦が席を回って挨拶をしていくこともあるが、
それすらなく「食べた、帰ろう」ということすらある。

韓国の結婚式は本当に本当にあっけない。

でも、逆にさっぱりとしていて好感が持てる。
2人の結婚を祝うというのは気持ちであって形ではない。
あれこれ騒ぎ立てるよりも、肩を叩いて一言「おめでとう」。
それでいいじゃないか。

今回出席したのは留学生時代に出会った友人の結婚式。
日本語を勉強するサークルのメンバーで、2人はそこで知り合った。

八田氏はこの日本語勉強サークルで、
日本語を教えつつ、韓国語を教えてもらっていた。
よく遊んだし、よく酔いつぶれたし、よく世話にもなった。

そのサークルのメンバー同士の結婚式。
韓国の地で日本語が繋いだ縁。
八田氏にとってもこれほど嬉しいことはない。

最後は個人的なメッセージを。

からっぽさん、ゆゆちゃん結婚おめでとう。
末永く、お幸せに……。

<お知らせ>
結婚式ごはんの写真がホームページで見られます。
よかったらのぞいてみてください。
http://www.koparis.com/~hatta/

<お知らせ2>
プサンナビで済州島日記を書いています。
29日に第4話がアップされました。
http://www.pusannavi.com/communi/c_r_t_list.html

<八田氏の独り言>
結婚祝いに校洞法酒という酒を贈りました。
慶州でしか手に入らない幻の酒。鳥肌がたつうまさです。

コリアうめーや!!第42号
2002年12月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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