コリアうめーや!!第287号

コリアうめーや!!第287号

<ごあいさつ>
2月15日になりました。
まだどこか感覚では2月に馴染めず、
1月の延長線上にいる気がします。
2月がもう半ばであるという事実の前に、
1月が終わった現実を受け止めきれません。
日々の忙しさで時間の感覚が飛んだのか。
とはいえ、忙しさのピークは3連休で通り越し、
いくらか精神状態に余裕が出てきました。
仕事の合間を見て、調べ物なんかもしてみたり。
すると、ちょっとした発見があったので、
それを提案としてまとめてみました。
コリアうめーや!!第287号。
文化に一石を投じる、スタートです。

<朝鮮時代に恵方巻き文化があった!?>

ブログのほうでも書いたのだが、
今年の節分も恵方巻きを作って食べた。

……が豆まきを忘れた。

「鬼は~外!」
「福は~内!」

の発声もまったくしなかった。
子どもの頃は豆まきが楽しみで楽しみで、
家中に目一杯まいて回ったはずなのに。

いつからこんな逆転現象が起こったのか。

wikipediaの「恵方巻」という項目では、
ミツカンの調査による認知度として……。

2002年の全国平均 → 53%
2006年の全国平均 → 92.5%

と短期間に急増したことを示している。
僕が恵方巻きを食べ出したのもこの時期だろう。
少なくともここ10年の文化で、

「豆まきを忘れる!」

というぐらいに浸透したのだ。
しかも、この習慣には仕掛け人がいるようで、
同じくwikipediaには、

「大阪鮓商組合や大阪海苔問屋協同組合が販売促進の為に」

と記されてる。
どうやら寿司業界と海苔業界の尽力であったらしい。
そこへ流通、小売業界が乗った形だろう。

そりゃ、豆よりは海苔巻きのほうが派手だし、
想像するに、売上もよさそうだ。

というところから僕も野望を抱く。

「うーん、恵方巻きはうまいことやったなぁ」
「キムパプ(韓国式海苔巻き)もどうにかならんかな」
「よし、なにか考えてみよう」

実は昨年、メルマガにこんなことを書いた。

第262号/韓国料理と2月の苦しい関係!!
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1354.html

この最後部分で、僕は恵方巻きならぬ、
恵方キムパプを推奨している。
ネタの少ない、2月対策としてのアイデアだが、
実際、今年も和風と韓国風の両方を作った。

韓国ファンであれば少なからず、
同じことをしている人はいるに違いない。

そんなことから先のメルマガでは、

=========================
日本の韓国ファンは「恵方巻き」を韓国式に食べる。
キムパプという韓国式の海苔巻きを韓国料理店で購入し、
あるいは自作をし「恵方キムパプ」として味わうのだ。
日本で生まれた韓国料理の新習慣といえよう。
=========================

という捏造記事作成の提案までしている。
この時点ではおおいに冗談のつもりだったが、
最近になって、すごい事実を発見した。

韓国では陰暦の1月15日が月見の日に当たる。

上元、またはテボルムと呼ばれる日だが、
新年最初の満月ということで行事食が数多い。

・ヤッパプ(おこわ) → 新羅からの風習
・堅果類(クルミ、松の実など) → 皮膚病予防
・五穀飯&ナムル → 夏負け防止
・清酒 → 聴力向上

だいたいこんな料理が代表だが、
それとともにこんな風習を見つけた。

以下、朝鮮時代に書かれた「東国歳時記」より引用する。
(「朝鮮歳時記(東洋文庫193)」姜在彦訳、平凡社)

=========================
上元の日に菜の葉や海苔で飯を包んで食べる。
これを福裏(ボックツァム)という。
=========================

ルビとして振られたボックツァムというのは、
僕の好みで書き直すならば、ポクサムという感じだ。
ただ、それも当て字であり漢字をそのまま読むと、
発音変化を含めて「ポンニ」と読むのが正しい。

意味としては「福を包む」ということ。
行事食にふさわしい、縁起のよい習慣ではないか。

実のところ、葉野菜で包むのは知っていたが、
そこに「海苔」という文字があるのには気付かなかった。
(注:原文では「海衣」と書いて海苔を示す)

キムパプの原型とされるキムサム(海苔包みごはん)を、
どうやら朝鮮時代には上元の日に食べていたようだ。
ならばこれを、

「朝鮮時代から伝わる恵方キムパプデー!」

として現代に復刻してもいいだろう。
うん、全然おかしくない。自然極まりない。
いまにも日韓両方で普及しそう。

えー、ゴホン。

さあ、ウルトラCで辻褄を合わせたので、
ここからは膨らませていく作業に入る。

まず、この場合「福」は保証されているものの、
大事な「恵方」という概念が含まれていない。
どこを向いて食べてよいか不明である。

むしろ韓国独自の文化として切り替え……。

「福裏(ポンニ)キムパプ!」

としてもよいが、できれば便乗路線を狙いたい。
するとこの場合の恵方とは……。

「満月を見ながら食べる!」

というのがよろしいだろう。
先の「東国歳時記」を見ると……。

=========================
黄昏が迫る頃、炬火(たいまつ)を持って高所に登る。
これを迎月(タルマジ)という。
先に月を見た者が吉運である。
=========================

このように書いてある。
また、月の色合いや見え方などによって、
その年の豊作を占ったともいう。

月を見ながら、恵方キムパプにかじりつき、
願い事をするというのなら、なんの不自然もない。
うん、まったくない。すっごく自然。

さらにはキムパプのごはんを雑穀米にすると、
定番の具であるナムルとともに夏負け防止になりそう。
どころかクルミや松の実なども砕いて入れてば、
食感が増すうえ、皮膚病予防にもなる。

うは、これマジでいいんじゃね?

あとは実施の日程についてだが、
2月3日とどうすり合わせるかが難しい。
例えば、今年2013年の場合、
陰暦1月15日は、2月24日に当たる。

「韓国式に行う2度目の恵方巻き!」

として2度オイシイ路線を狙うのか、
あるいは日程が近いということで節分にまとめるか。
陰暦は年によって前後するのがややこしいので、
いっそまとめるほうが楽かもしれないが……。

そうなると満月でなくなってしまう。

月見の意味が消えてしまうので、
ここはやはり陰暦1月15日にこだわるべきだろう。
ちなみに、今後10年を見るとこんな感じ。

・2014年(陰暦1月15日) → 2月14日
・2015年(陰暦1月15日) → 3月5日
・2016年(陰暦1月15日) → 2月22日
・2017年(陰暦1月15日) → 2月11日
・2018年(陰暦1月15日) → 3月2日
・2019年(陰暦1月15日) → 2月19日
・2020年(陰暦1月15日) → 2月8日
・2021年(陰暦1月15日) → 2月26日
・2022年(陰暦1月15日) → 2月15日
・2023年(陰暦1月15日) → 2月5日

なお、陰暦1月15日が2月3日と重なり、
ウルトラ盛り上がる年がないかと探してみたが……。

「2050年までまったくなし!」

という寂しい結論に至った。
やっぱり別で行うほうがよさそうである。

まずは手始めに2月24日(日)が本番。

満月に向かってキムパプを食べつつ、
恵方キムパプ文化の到来を願おうではないか。

<お知らせ>
来年3月に済州島ツアーを予定しています。
島ならではの郷土料理を食べつくす3泊4日。
ご興味ある方は、ぜひご検討ください。

八田靖史と行く済州島まるごと食べつくしの旅
http://www.mrt.co.jp/topics20121201.html

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
野望に加担してくれる業界の方、
熱意のあるお声かけをお待ちしています。

コリアうめーや!!第287号
2013年2月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

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