コリアうめーや!!第172号

コリアうめーや!!第172号

<ごあいさつ>
5月になりました。
花粉の猛威もひと段落し、
ポカポカと暖かい日が続いております。
外を歩いていても緑が濃くてきれいですね。
5月は1年の中でももっとも過ごしやすい時期。
梅雨が始まる前の気持ちよい日々を、
満喫しながら生活したいと思います。
さて、今号のメルマガですが、
3月下旬に出かけた訪韓話を続けます。
旅の後半は取材仕事だったのですが、
前半部分はほぼ完全なプライベート。
となれば気合を入れて飲み歩くしかありません。
普段から飲み過ぎだと人にいわれますが、
なぜそうなるのかを振り返りたいと思います。
飲み歩いた初日の夜を克明にレポート。
コリアうめーや!!第172号。
飲み過ぎ御免の、スタートです。

<人はいかにして4次会に行くのか!!>

以前、ブログで昼から飲んだ話を書いた。

昼食とともにビールを飲んで勢いがつき、
夕方までの段階で2軒、3軒とハシゴ酒。

同行した方々も飲み好きだったことが幸いし、
そこで終わらずさらに別の飲み会へと合流。
結局、6次会まで飲み歩いた計算となった。

そのすべてが韓国料理店だったこともあり、
ブログでは1軒ずつ食べたものを紹介。
そのインパクトはずいぶん強かったようで、
いまでも6次会まで飲んだ話を人からされる。

ただ、日々飲み歩いているのは事実にしても、
6次会までいくようなことはほとんどない。

人生でもっとも飲んだ留学時代を含めても、
せいぜい生涯で4、5回あるだけ。
普段は健全に2、3次会で終えることがほとんどだ。

たまに盛り上がったとしても4、5次会くらい。
6次会男のレッテルはできれば返上させて欲しい。

「4、5次会まで飲んでいれば充分!」

との意見もあることと思うが、
それも飲んでいるときは、ある種の必然。
ごく自然な流れでそうなるのである。

なんでそんなに飲むのか不思議だ、とよくいわれるので、
今回は心象風景も含めてレポートしてみたいと思う。

ソウルに出かけた初日。
4次会までのつぶさな記録である。

1次会となったのは前号で書いたチュクミ専門店。

前号を読んでいない人のために書いておくと、
チュクミとはイイダコのことで、ちょうど春に旬を迎える。
時期的に最高、ということで食べに行ったのだが、
予想が少し外れて卵を持った旬のイイダコには出会えなかった。

料理自体は美味しかったからよいのだが、
期待を外したぶんだけ、やや残念な気持ちが残った。
となるとそれを埋める何かが必要となる。

「もう1軒行きましょうか」

という流れはごく自然ではないだろうか。

この日、僕らがいたのは新村(シンチョン)という学生街。
かつて僕が留学生として暮らしていた町でもある。

当時は路地の裏まで知り尽くしていたものだが、
この界隈は若者の町だけあって流行に敏感。
次々に新しい店が生まれ、町がどんどん変わっていく。
僕が当時通っていた店も、もはやほとんどない。

「さて、どこへ行ったものか……」

2次会だけに料理は軽めのもので充分。
1次会が鉄板を前にし、みんなでつつく炒め物だったので、
今度は少し落ち着いて話ができる場所がいい。

しばし悩んだ末……。

「民俗酒場はどうでしょう?」

という提案をしてみた。
民俗酒場とは韓国の伝統家屋をイメージした居酒屋で、
マッコルリ(韓国のどぶろく)を中心に提供する。

繁華街の真ん中によく通っていた店があるのだ。

その店はマッコルリのおつまみとして代表的な、
モドゥムジョンという料理が美味しい店。

ちょうど前々号でも取り上げた料理だが、
野菜、キノコなどに小麦粉、溶き卵の衣をつけて焼き上げる。
数種類が大皿に乗ってドーンと出てくるので、
ちょこちょことつまむにはちょうどいい。

ちなみにこの日出てきたモドゥムジョンを見ると、

・トングランテン(ひき肉のジョン)
・センソンジョン(白身魚のジョン)
・トゥブジョン(豆腐のジョン)
・エホバクジョン(若いカボチャのジョン)
・ポソッジョン(キノコのジョン)
・プッコチュジョン(青唐辛子のジョン)
・サンジョクジョン(串焼きのジョン)

といった感じにずらり7種類。
プッコチュジョンの青唐辛子にはひき肉が詰められており、
ピリッと辛い、ピーマンの肉詰め風の味わいになる。

サンジョクジョンは爪楊枝に長さを均等に揃えた、
カニカマ、ソーセージ、細ネギが彩りよく刺さっている。
いずれも民俗酒場では定番のジョンばかりだが、

「必要なものがすべて揃っている!」

と褒め称えたくなるラインナップであった。

また、この店に通うもうひとつの理由が、
黒酒(フクチュ)と呼ばれる伝統薬酒があること。
ビン入りの市販酒で、酒自体はさほど珍しくないが、
店で探そうと思うと意外に見つからない酒なのだ。

黒酒といっても、見た目は金色がかった透明で、
コクのある味わいと、飲みやすい甘さが持ち味。
アルコール度数も13度とほどほどなので、
くいくいと飲めてしまうのが、少し危険で楽しい。

ちなみに名称が黒酒なのは麹の色が黒いことから。
小麦を原料にしつつ、甘草で甘みをつけた酒だ。

マッコルリをぐびぐび飲んでゆく一方で、
この黒酒も頼んで、酔いを加速させていく。
1次会で満たされなかったかすかな心残りは、
この2次会という空間で充分に満たされた。

ではなぜそこから2軒もハシゴをするのか。

もちろん、この段階でお開きにしてもよかったが、
往々にして、こういうタイミングで事件は起こる。

参加者のひとりに電話が入り、

「なんか友達が仕事終わって来るって」

という非常によくある展開。

「えっ、ほんと? じゃあもう1軒だなあ。ふふふ」
「帰ろうと思っていたのにタイミング悪いですねえ。あはは」
「いやいや、これもお付き合いですよ。うへへ」

などという会話を経て、3次会が決定する。
やむなく、仕方なくという状況が伝わるかと思う。

人が増えると同時に場所を変えようという案も出て、
隣町である弘大(ホンデ)という町を目指すことになった。
またも店の選択肢を問われた僕は、

「いいウナギ焼きの店がありますよ!」

と提案。ちなみにこのウナギ焼きの専門店は、
コリアうめーや!!第143号に登場している店でもある。
留学時代にも行った思い出の店のひとつだ。

ウナギの提案は満場一致で可決され、
タクシーに乗り込んで、弘大へと向かう。

ところが、ここで信じられない不幸が発生。

あるはずの場所に着いても店が見当たらない。
確かこのへんだったのだが、とウロウロ歩き回り、
やむなく近所の店へ入って尋ねたところ……。

「ああ、半年前に閉店したよ」

とのこと。この時点で予定していた3次会は頓挫し、
やむなくすぐ近所にあったバーに緊急避難することになった。
小ビンのビールを飲みながら、対策会議を開く。

ここで重要なのはこれが3次会だということ。

4次会まで飲んだというと派手に飲んだ気がするが、
途中でインターバルのような瞬間もあったりする。
この店ではそれぞれビール1本ずつしか飲んでいないので、
むしろ「休憩!」といってもいいくらいの3次会だ。

また、こうなってはさらなる盛り上がりが必要。

せっかく2次会で満たした心の満足具合を、
ウナギが食べられないことで目減りさせている。
この隙間をまた埋めないことには帰れない。

まして後から来た人にも申し訳が立たない。

だがこの時、僕らにウナギ以外の手持ち情報はなく、
誰もが有効な意見を出せずにいた。

繁華街だけに、ウロウロすれば何かあるだろうが、
これといった決め手がないと、外を歩くのも億劫な時間帯。
酔いも覚めるし、何よりテンションが落ちる。

「では、向かいのラーメン店はどうでしょう!」

ちょうど日本式ラーメンの店が営業していた。
韓国に来てまで、日本式のラーメンを食べる必要はないが、
シメの一品、として考えるなら不動の定番である。

賛否両論が出されたが、行き場所がないよりはいい。
あるいはそこで4次会をしつつ、5次会を考える道もある。
ならば、ということで腰を上げると……。

ここでまた予想外の事態。
僕らが店の暖簾をくぐると同時に、

「あ、もう閉店です」

という無情の声が飛んできた。

結局、この後はラーメンのかわりになればと、
目に入ったフュージョン系の中華料理店へと突撃。
だが悪い流れというのは止められないもので、
見事なまでに大ハズレという事態であった。

もはや目減りした満足度も関係がなくなり、
テンションが下がったまま無念のお開き。
気持ちの隙間を埋め切れないまま解散となった。

よって翌日はもっと頑張らねばならなくなる!

すなわち、翌日の宴会は5次会までの長丁場。
せっかくなので、次号では2日目のレポートをしよう。

2日で合わせて9次会。

そういえば6次会まで飲んだ翌日も、
3次会まで飲んでいたような記憶がある。

<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/

<お知らせ2>
5月13日に吉本興業のチングとともに、
ソウルの光化門にてトークイベントを行います。

タイトルは「八田りチングのチンチャトークinソウル」。

韓国のお笑い事情、芸能事情、食文化などなど。
僕らの体験をもとに面白おかしく語るイベントです。
在住者の方や、その頃、ソウルにいらっしゃる方は、
無料ですのでぜひ見にきて頂ければと思います。

日程:2008年5月13日
時間:17時開場、18時開演(19時30分まで)
会場:国際交流基金ソウル日本文化センター
料金:無料
定員:130名まで

<会場>
国際交流基金ソウル日本文化センター
ソウル市鍾路区新門路1街226興国生命ビル3階
光化門駅6番出口より徒歩5分
http://www.jpf.or.kr/(韓国語)
http://www.jpf.or.kr/japanese/index.html(日本語)

料金も無料なので事前申込はありません。
当日、定員を超える場合のみ入場制限を行います。

ちなみに話題は韓国のことについてですが、
基本的に日本語でトークを行います。
ぜひお誘い合わせのうえご来場ください。

<八田氏の独り言>
1日で10軒ハシゴとかを夢見たこともありますが、
最高でも6軒までしか行ったことがありません。

コリアうめーや!!第172号
2008年5月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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