コリアうめーや!!第153号

コリアうめーや!!第153号

<ごあいさつ>
7月15日になりました。
僕の住む東京では台風が猛威をふるっています。
昨日、一昨日あたりから雨が降り出しており、
このメルマガを書いているあたりがちょうどピーク。
雨の少ない梅雨だけに、恵みの雨でもありますが、
九州地方などではだいぶ被害も出ている様子です。
くれぐれも各地域、ご注意頂きたいところですね。
さて、今号のメルマガではそんな台風すらも、
勢いよく吹き飛ばしてしまうような夏気分で臨みます。
テーマとなるのは、夏に欠かせないあの飲み物。
グビグビという喉越しで勝負をする季節です。
コリアうめーや!!第153号。
台風すらも丸飲みする勢いで、スタートです。

<夏は韓国料理にビールの季節なのです!!>

夏だ。ビールの季節だ。

この原稿を書いている時点で東京はまだ梅雨だが、
ここは毅然とした態度で、ビールの季節を宣言したい。

窓の外から雨音がザーザー聞こえてくるが関係ない。
台風4号が接近しており、いろいろ警報が出ているが関係ない。
湿気で妙に肌がペトペトするが関係ない。

7月中旬。気分的にはもう夏でなければならない。

もちろん年がら年中ビールは飲んでいるので、
ビールの季節だからといって、特にビールが解禁されるわけではない。
常に飲んでいるビールだが、やはり気分的には夏の風物詩。

ビール、ビール、夏のビール!!

ということで、独断ながらいまここに宣言する。

イメージ的にはイガグリ頭の爽やかな高校球児。
夏の暑い甲子園で、入道雲がモクモクとするような空の下、
照りつける日差しで肌を焼きながらの元気な宣誓。

「宣誓、僕たちビール党はこの夏も熱狂的にビールを愛飲し、
 最低でも夏の間に、ひとり100リットルは飲み干すことを誓います!」

うむ、ビシッと決まった。
決まりすぎて、人が妬むかもしれないくらいだ。
だが、この宣誓内容を勢いよく書いた後に、ふと思いついて、

「ひとり1ガロンは飲み干すことを……」

と、さりげなく書き直してみたのは内緒だ。

1ガロンのほうが多そうだな、と思ったからだが、
調べてみたら、1ガロンは4リットル前後であった。
4リットルなんて、頑張れば1日でも飲める量。

ならばと思って、

「ひとり1バレルは飲み干すことを……」

とも書いてみたが、こちらは約42ガロンとのこと。

1ガロンを1日で飲み干せるなら、42日で充分飲み干せる。
バレルという単位は石油くらいでしか聞かないイメージだったが、
意外にも、身近な単位であることがわかって勉強になった。

でも、さらに調べたら1バレルは約158リットルなんだな。

最初の宣言よりも多いので、やはりバレルを採用しようか。
などと悩んでいたら、だんだんどうでもよくなってきたので、
ともかく、今年の夏もたくさんビールを飲もうと思う。

「宣誓、僕たちは今年もビールをたくさん飲みます!」

ということで、今回のテーマは韓国でのビールの話。

韓国でも日本と同じく、ビールは大衆的な酒のひとつ。
暑い季節には、喉を湿らせる酒として広く親しまれている。

「グビグビグビ、プハー!」

という心地よさを求める点は同じだが、
よくよく細部に目をやると、微妙な違いがあって面白い。

まず違うのは、飲むシチュエーションだろう。

日本ではビールをどんなシチュエーションでも飲み、
たいていの料理にあう飲物として重宝するが、韓国では違うのだ。
韓国ではビールと合わせる料理、というのが厳然と決まっており、
しかも、これが不思議なことに軽い料理に限定される。

もっとも代表的な例がフルーツの盛り合わせ。

日本的な感覚では「は!?」という感じでもあるが、
リンゴ、ナシ、ブドウ、カキ、モモ、スイカなどとともに、
ビールを飲むというのが韓国式のスタイルなのである。

また、このフルーツはスナック菓子になってもよいし、
飲食店では、サラダや洋風の軽食類でもよい。
メキシカンサラダや、ナチョスといった料理が代表的だ。

日本では定番の、焼肉とビールのような組み合わせは存在せず、
辛いチゲのような鍋料理でも、ビールを飲むことはまずない。
よほど喉が渇いているとか、ビール偏愛の人でない限り、
伝統的な韓国料理には、焼酎をあわせるのが普通である。

留学時代はそんなルールを知らずによく怒られた。

例えば、居酒屋での2次会。

「んーと、ビールにする? 焼酎にする?」
「ビール、ビール、ビール!」

と答えた僕にメニューが回ってくる。

「んじゃ、八田。何か好きな料理を頼め」
「えーと……。アルタンとコルベンイムッチム!」
「あ!? お前、ビール飲むんじゃないのかよ!?」

「うん、ビール……」
「それは焼酎のつまみだ。貸せ!」

メニューを取り上げられ、当然のごとく注文も却下。
ほどなくして、テーブルに並んだのはスルメとピーナッツであった。
この2種類もビールとは相性のよい定番おつまみだ。

ちなみにアルタンとはタラコを入れた辛い鍋料理で、
コルベンイムッチムはツブ貝と野菜を辛いタレで和えた料理。
どちらも韓国では焼酎のつまみとして認識され、
ビールを合わせるのは邪道なのだ。

従って、一般的な韓国料理店には生ビールもない。

ほとんどの客が焼酎を頼むため、ビールは申し訳程度。
ビンビールが冷蔵庫に少量冷えているだけである。

では、あえてビールを飲みたいときはどうするか。

前述の居酒屋などに行けば、ビールも焼酎も飲める店は多いが、
あえてビール、となった場合はやはりビアホールが理想だ。
最近は韓国でもハウスビールの専門店が増え始めているが、
それよりも、はるかに一般的なのが「ホプ」と呼ばれる店だ。

ホプとは、ドイツ語由来の言葉で元の意味は「庭」。

それが転化して、韓国ではビアホールの意味で使われている。
大勢でわいわいと飲みたいときはホプがもっとも便利で、
留学時代はよく、20人、30人という大人数でなだれ込んだ。

全体的にみんなでワイワイという雰囲気の店が多いため、
大人数で予約なしに行っても、意外とすんなり入れるのが嬉しい。
3リットル、4リットルといった大きなピッチャーを頼み、
ジョッキにダバダバと注ぎながら、ビールを酌み交わした。

ちなみに、日本では重要な「泡」にこだわらないのも韓国的。

最近でこそ、泡を重視するビール専門店もできてきたが、
多くの場合では、泡は損と考えるのが普通である。
泡をよこすくらいなら、もっとビールを注げと怒られる。

細かいこだわりなしに、ぐいぐい飲むのが韓国のビールだ。

もちろん日本人的には、やや不満に思う部分もあったが、
おおむね、それも韓国文化と肯定的に楽しんできた。
唯一、大きな不満として感じていたのは以下の1点。

韓国でももっと「夜空の見える店」を作って欲しい。

日本で夏ビールといえば、欠かせないのがビアガーデン。
室内のビアホールも悪くないが、夜空が見える開放感がとても嬉しい。
ほろ酔い加減になったところで、夜風が抜けていくのもいい。

こうした店はビルやデパートの屋上に設置されるので、
普段よりも高いところから、空を眺めるという気分もいい。
また期間限定がほとんどなので、季節感という意味でもいい。

と、やけに屋上ビアガーデンをベタボメしてみたが、
韓国には、こうしたスタイルの店がほとんどないのである。
デパートは数多くあるので、なんとかこうした店を作れないものか。
ということを、はるか昔からずっと心の中で願っていた。

しかし今年の夏。2007年の夏。

僕の夢見てきた野望が、100%でこそないものの、
ほぼ8割といっていいくらい、かなえられる試みが始まった。

それは日本のビアガーデンにおける韓国フェア開催。

かねてよりの韓国ブームに乗っかった形で、
今夏、東京に韓国料理を出すビアガーデンが登場したのである。
僕の知る限り、有明にひとつ、池袋にひとつ。

「韓国で夜空を見ながらビール!」

ではないものの、

「韓国料理と夜空がセットになってビール!」

であれば、かなり欲求の満たされ度は高い。

それはぜひ行ってみなければならぬ。
ということで、池袋のビアガーデンに突撃してみた。

場所は池袋駅に隣接する東武デパートの屋上。
夏季限定店舗だが「魂のプルコギ」という店名もつけられている。
ドリンクはセルフサービスながら、3000円での飲み放題。
そしてその値段にひとり1人前のプルコギが含まれる。

「いいじゃないですか、いいじゃないですか!」

と全面的に浮かれ口調の人になりつつ着席。
するとほぼ同時に、なにやら見慣れない鍋が運ばれてきた。

なんと、関西風のチリトリ鍋である。

チリトリ鍋とは鉄板の四辺に高さを持たせたもので、
鉄板と鍋の両面的な役割を果たす調理器具として使われる。
ここ最近、東京ではこの鍋を使った店が急増しており、
半韓国料理のようなポジションで人気を集めているのだ。

「なるほど、こういう料理だったか……」

通常、韓国ではプルコギというと下味をつけた牛焼肉をさすが、
もとは「火の肉(=焼いた肉)」という意味なので、広義の焼肉でもある。

「魂のプルコギ」という店名からいわゆるプルコギを想像したが、
この店では豚バラ肉を使用し、コチュジャンベースのタレで焼く料理。
チリトリ鍋で出すテジ(豚)プルコギがメインの店だった。

純正韓国料理とはちょっといいにくいものの、
食べてみると、意外なことにこれがなかなかの美味。
豚バラ肉だけでなく、キャベツなどの野菜も豊富に入っており、
熱が加わるにつれて、甘辛いタレで煮詰められていい感じだ。

とろっとした濃厚な味わいは、ビールにもよく合う。
もちろん韓国であれば、この料理も焼酎を合わせるところだが、
ここはあくまでも日本なので、ビールをグビグビでよいのである。

そして、味に満足して上を向けばしっかりと夜空。

「うん、これが欲しかったのだ!」

と、おおいに満足した韓国風ビアガーデンの夜だった。

突撃した日は月曜日で、かつやや肌寒い日だったが、
400席あるビアガーデンは、ほぼ満席に近い状態だった。
若い世代を中心に、20人、30人という団体もいる。

ビアガーデンと韓国料理という異色の組み合わせながら、
堂々たる人気を集めた姿を見て、思わず、

「韓国料理好きな人も増えたんだなぁ……」

と、妙に嬉しくなった。

日本で達成された韓国料理とビアガーデンのコラボ。
この熱気を、ぜひ韓国でも実現できないものだろうか。
韓国にも町中には多数のデパートが林立している。
その屋上を使って、ぜひとも夜空の見える宴会をさせて欲しい。

ビール、ビール、韓国でも夜空を見ながらビール!

梅雨も台風も関係なく、ビール宣言を行うワガママ男の、
心からの願いを、いつかかなえて欲しいと思う。

<おまけ>
メルマガに登場したお店データ

店名:魂のプルコギ
住所:東京都豊島区西池袋1-1-25スパイス池袋東武16階屋上ガーデン
電話:03-5952-0358
http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/event/topics.php?tp_no=475

<お知らせ>
ビアホールの写真がホームページで見られます。
よかったらのぞいてみてください。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
100リットルくらいなら普通に飲めそう。
そんな飲み会続きの今日この頃です。

コリアうめーや!!第153号
2007年7月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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