コリアうめーや!!第15号

コリアうめーや!!第15号

<ごあいさつ>
秋の青空が気持ちよく広がっています。
あまりのすがすがしさにメルマガなんてほっといて昼寝したいぐらいです。
昼下がり、トロトロと1時間ほど眠れたら、どれほど幸せでしょう。
昼寝から覚めたら、なぜかわざとらしく背伸びの運動なんかしたりして、
ちょっと近所のスーパーまで買い物に出かけますな。
肉の1キロも買って来て、庭で友人たちと焼肉パーティー。
夕暮れなど眺めつつ、手に持ったグラスの焼酎をぐーっと干す。
暑くなく寒くもなく、涼やかな風がすーっと通りぬけて、
見れば今宵は満月ではないですか。いやあ月にも祝福されて……。
なーんて、くぅー。そんないいことないかなあ。
なにせ食べ物の美味い食欲の秋、天高く馬肥ゆる秋。
小泉首相は今日訪韓だそうですが、いったいどんな韓国料理を食べるのでしょう。
積み重なる外交問題が少しでも解決するよう祈りつつ、
コリアうめーや!!第15号。食欲の大海原へスタートです。

<寄宿舎式韓国語免許皆伝>

韓国に留学していたころ、八田氏は語学学校の寄宿舎でずっと暮らしていた。
2人部屋、食事無し、定員10名の小さな寄宿舎に1年以上へばりついていた理由は、
すべて寄宿舎費が安いことにあった。

3ヶ月で48万5000ウォン。
日本円にして約5万円弱のその寄宿舎費は他の下宿などに比べて、破格の値段であった。
そこには日本からの留学生を中心にロシア、中国、モンゴルなどから来た学生たちが生活
していた。

韓国に来た時期はみんなバラバラ。当然韓国語の実力もバラバラ。
新しく来たものは寄宿舎の先住者から、韓国語を、そして韓国での暮らし方を学んだ。

その寄宿舎に代々伝わる、韓国語免許皆伝の儀式というものがあった。

全く韓国語をしゃべれない状態で留学に来て、だいたい半年ぐらいで基本的な文法はマス
ターできる。つたないながらも韓国語での意志疎通が可能になり、日常生活に問題がない
わけではないが、苦しみつつもなんとかなるというレベルと言ってもいい。
韓国語免許皆伝の儀式はその程度の実力を身につけたものに対し、
寄宿舎の先達が実力の程をテストするという、一種のお遊び企画であった。

さて、その免許皆伝の儀式とは?
それは「ピザの出前」である。

笑ってはいけない。
ピザの出前に必要な語学力とは意外にシビアなものがある。

まず、電話そのもの。
面と向かって話すのと、電話越しに話すというのはかなり勝手が違う。
相手の表情、しぐさなどが読み取れない上、そもそも声が聞き取りにくい。
その状況で自らの欲するものを正確に注文し、住所、連絡先などの相手の質問に答えなけ
ればならない。
緊張も手伝ってたいていはレレレ状態となる。
だから必ずある程度韓国語が問題なく話せる人材がいる上で、この儀式は執り行われる。

当時儀式の資格があったのは八田氏とTくんの2人。
韓国語のレベルは一緒。年齢も一緒。同じ日本人で、韓国に来た日も一緒という、なにか
らなにまでおんなじおんなじの2人であったが、ジャンケンの強さという1点のみで八田
氏が上回った。

緊張の面持ちで受話器を握ったTくん。

「も、もしもし。プ、プ、プルコギピザを注文したいです。」

あまりにも唐突な一言だった。

「大きいのを、えーと、はい。ラージです。プルコギです。語学学校の寄宿舎でありまし
て、OOベーカリーってありますよね。そこの後ろにあります。」

おいおい、いきなり目の前のパン屋の名前言ってもわからんだろ。
完全にパニくったTくんは、ひたすらパン屋の名前を連呼している。
ここでタオルを投げ、韓国生活1年半の寮長にチェンジ。

「あー、すいません。どうもどうも。えーとですね。○○区××洞にある△△大学語学堂
の寄宿舎なんですが、はい。先ほど注文したピザ……ああはい、そうです。それをお願い
します。場所はですね、大学の門をでまして、はい、歩道橋がありますよね。そこの1本
目の道を入っていただいて、すぐ左手にある緑色をした門の寄宿舎がそうです。ああ、そ
うですそうです。野球部の寄宿舎の隣になります。はい。よろしくお願いします。あ、ピ
ザのほかになにかサービスはつかないんですか?チキンとかサラダとか。え?ない?そん
なことないでしょう。コーラならサービスしてもいい? じゃ、そのコーラもお願いしま
す。大至急で。わからなかったら電話してください。番号は……。」

深くため息をつくTくん。
彼を笑えない同レベルの八田氏。

「ま、これが経験やな。」
寮長は誇らしげに胸を張った。

ところがであった。
待てど暮らせど注文したピザが来ない。
注文した時間が閉店寸前の時間であったからだろうか?
それにしても注文を受け電話番号まで聞いておいて来ないのはおかしい。
寮長が再度電話をかけたが、ベルが鳴り響くだけで誰も取る者はいなかった。

我々は空腹を抱えたまま恨めしげに寮長を見つめた。
それ以降、寄宿舎でその儀式が行われることはなかった。

<おまけ>
予想外に儀式の話が長くなり韓国のピザ事情を書くスペースがなくなってしまいました。
仕方ないのでおまけに書くことにします。日本と違う点はハンバーガーショップのように
街中にピザ屋があるということ。外で食べるピザ屋といえば日本ではシェーキーズくらい
ですが、韓国ではシカゴピザ、ドミノピザ、ピザハット、ミスターピザという有名どころ
を始め、ピザ屋ピザ屋のオンパレード。下手したら2軒3軒並んでしのぎを削っていたり
もします。日本ではピザは出前してもらうものですが、韓国では普通の外食。韓国の会社
では社員の親睦を深める為、定期的に会食というのが行われますが、女性社員だけの会食
ではピザ屋が多く利用されるという話も聞きました。ちなみに男性がいるときはまず間違
いなく焼肉と焼酎だそうです。八田氏もよく韓国のピザ屋へ行きましたが、けっこういい
ですよ。ピザにサラダバーとピッチャーのコーラ。3人で食べて2000円くらいです。

<八田氏の独り言>
ミニストップの韓国風チヂミ。
「風」ってなんだ?

コリアうめーや!!第15号
2001年10月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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